大学概要【2026年度実施分】教育DXの推進 AIオンライン服薬指導学習システムを用いた薬剤師の対人業務教育の強化

薬学部

教育DXの推進 AIオンライン服薬指導学習システムを用いた薬剤師の対人業務教育の強化
実施責任者:牛田 誠

薬学部では、実践的教育に生成AI技術を取り入れています。教育でのDXを推進することで、個別の学習ニーズに応じた学習や、データ分析による学習成果の向上、シミュレーションでの実践的トレーニングが可能になります。

ACTIVITY

AIオンライン服薬指導学習システムを活用した薬物治療マネジメント授業を実施

2026/06/18

2026年6月16日、薬学部4年生を対象とした「薬物治療マネジメント」の授業において、AIオンライン服薬指導学習システムを活用した演習を実施しました。本授業では、これから在宅医療を開始する患者を想定し、AI患者との対話を通じて、生活上の困りごとや今後の希望などの本音を引き出し、これからの薬物治療について検討しました。学生は、画面上に表示されたAI患者に対し、「心配なことはありませんか」「ご自宅での生活で不安なことはありますか」といった声掛けを工夫し、対話を進めました。患者との信頼関係を築きながら必要な情報を収集することの重要性を、実践的に学ぶ機会となりました。
初めてAI患者との面談を体験した学生からは、「質問の仕方によって患者さんの反応が変わることが分かった」「本音を引き出すためには、相手に寄り添ったコミュニケーションが大切だと実感した」といった感想が聞かれ、試行錯誤しながらインタビューに取り組む様子が見られました。

授業風景1

授業風景2

授業風景3

AI患者と対話、VRで救急対応
最先端技術で実践力を磨く薬学教育

2026/07/09

AIオンライン服薬指導学習システム(左)と緊急時対応シミュレーション(右)を体験する学生たち


本学薬学部では近年、教育DXを推進し、個別ニーズに応じた学習支援やデータ分析による学習成果の向上、シミュレーションを活用した実践的なトレーニングに取り組んでいます。7月9日には、生成AIと対話しながら服薬指導のスキルを磨く学習支援ツール「AIオンライン服薬指導学習システム」と、VR技術を活用した緊急時対応シミュレーションの授業を実施し、学生たちは最新技術を活用しながら実践的な学びを深めました。

AIオンライン服薬指導システムで磨く、対話力と信頼構築力

AI患者との対話

昨年導入した「AIオンライン服薬指導学習システム」は、今年も4年次科目「薬物治療マネジメント」で活用されています。6月には、在宅医療を開始する患者を想定し、AI患者との対話を通じて、信頼関係を築きながら必要な情報を収集するプロセスを体験しました。
この日の授業では、はじめに服薬指導の計画を検討した後、投与を開始する薬の効果や副作用、用法・用量を適切に説明できるか、また患者の不安な気持ちに寄り添って対応できるかを実践しました。


学生たちは薬の説明はできるものの、投与開始に対してAI患者から前向きな同意を得ることに苦戦していました。このシステムを企業と共同開発し、講義を担当する牛田誠准教授は「薬の説明なら薬剤師でなくてもできる。患者さんにとって最適な説明をするにはどうすべきかを考えながらコミュニケーションを取らなければ、高い評価にはつながりません」と解説し、学生たちに今回の演習をしっかり振り返るよう促しました。

牛田准教授

VR空間で救急医療を体験 判断力を養う実践型シミュレーション

VR技術を活用した「緊急時対応シミュレーションシステム(Virtual Human)」は、4年前から導入されています。VR空間内で患者の症状や血圧、脈拍などのバイタルデータを確認し、薬学的判断による患者の状態変化をリアルタイムで体験できるシステムです。


この日の授業では、4年生が3~4人1組となり、VRゴーグルを装着して緊急搬送された患者に対する薬剤投与を検討しました。VRゴーグルを装着した学生が投与する薬剤を選択し、投与後のバイタルデータをチームで共有。他のメンバーから情報提供や意見を受けながら、緊急時対応のスキルを磨きました。
黒野教授は「VRでは、ゴーグルを装着した学生一人ひとりが自ら考え、判断しながら対応するため、経験値が高まります。また、一度に数十組が同時に体験できるため、教育効果と効率の両面で優れています」と、その教育的効果を強調しました。

1人の学生が緊急時対応シミュレーションを実施し、周りの学生が情報提供

操作説明を行う守屋友加助教(左)

授業を担当した黒野教授

より実践的な薬学教育を目指して、AI・VRシステムのさらなる高度化を目指す

両システムの開発を担当した株式会社NTT ExCパートナーDXソリューション部の吉野和則さんは「実際に活用されている様子を目にする機会は多くありませんが、学生の皆さんの反応を拝見し、これまで進めてきた開発の方向性は間違っていなかったと感じています。今後も改善を重ねながら、より良いサービスとなるよう、さらなるバージョンアップを図っていきたいと考えています。」と話しました。


牛田准教授は「『AIオンライン服薬指導学習システム』には学生たちは慣れ、コミュニケーションスキルは着実に向上しています。一方で、コミュニケーションが成立すれば高い評価となる面もあるため、今後は薬学的・医学的な要素をどのように評価へ反映させるかをさらに検討していきたい」と、今後の展望を語りました。

AIオンライン服薬指導学習システムを活用した2回目授業を実施

2026/07/13

2026年7月13日、名城大学薬学部4年生を対象に、AIオンライン服薬指導学習システムを活用した授業を実施しました。
今回の症例は、関節リウマチを患う30代女性「名城花子さん(仮名)」です。患者さんは処方箋を持って薬局を訪れ、服薬指導を始めようとすると背中の痛みを気にしている様子で、今後の薬物治療についても何か相談したそうな様子が見られます。
学生は、画面上に表示されたAI患者に対し、「背中はどうされたのですか」「何か不安なことはありますか」といった問いかけを工夫しながら対話を進め、患者さんの症状や不安、本音を引き出すことに挑戦しました。その対話を通じて、背部痛の原因や薬剤の副作用の可能性、今後の治療方針について薬学的に評価し、患者一人ひとりに最適な薬物療法や服薬支援について検討しました。
本システムでは、患者とのコミュニケーション能力だけでなく、収集した情報をもとに薬学的課題を整理し、適切な薬物療法を提案する実践的な臨床推論力を養うことを目的としています。AI患者との対話を繰り返し経験することで、実際の薬局・病院実習につながる、より実践的な学びを深めることができました。

名城花子さんとの対話の様子

授業課題

授業風景

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ