大学概要 【2017年度実施分】機械工学における創造-設計および設計-生産横断型学修プログラム

理工学部機械工学科

No.10

実施責任者塚田 敦史

 本プログラムは2018年度の講義開始を目標に、そのシラバスの構築と準備からの活動として昨年度に採択されてスタートしました。創造のキーワードの下に新しい状況の変化に対応した実践的設計教育が重要視されてきております。そこで設計の入口と出口に力点を置いた学びを構想しました。設計の入口は、ものや価値を生み出す元となる種を創造でき、そこから設計課題へいかに落とし込めるかになります。また設計の出口は、設計し図面化されたものを、学修した生産加工の知識と技術を応用してどのような過程によって具現化できるのかを問うていくものです。必修科目での講義実施を目標にしており、大人数講義でいかに実行できるかは大きな問題であり、教材の確定や模擬講義の試行から始め、シラバスや評価方法の構築を進めていきます。

活動報告3(12/26更新)

2017/12/26

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に、次年度の講義開始を目指して準備を進めています。活動報告2からは“つなぐ”というキーワードをテーマに要求機能を構成し、人を豊かにする“もの”や“こと”を思考展開するワークショップを進めています。あらゆる思いついた(または気づいた)物事が創造の種になり、それらの抽象—具体の関係を配置していくのですが、前回の報告のとおり学生にとっては抽象と具体とを判断するのが難しい状態でした。そこで学生には任意に種を2つ選んで一対比較を行ない、それらが説明する(される)関係かを判断して配置するようにアドバイスすると、展開が早く進むようになりました。
 ゴールとなる全体構造が見えてくると、そのゴールが何を実現するものかについてイラストでの描写表現を試みました。これがなかなかスムーズに進みません。機械工学科の学生は、重要な製図法を早くから習得していきますが、製図面のように描かなければならないとの意識のためか、描写に苦手意識があるようでした。はじめの一歩は、自由な表現で構わないのでとにかく描くことで見える化できるかが大切ですが、その点が課題として浮上しました。
 次年度からはいよいよ正式なカリキュラムの中で実施されます。大人数の講義になりますのでさらに課題は出てくるかもしれません。これまでの課題も考えながら、進めていきます。

要求機能から、機能と機構とを分類してそれらの関係性を展開

現実に捉われすぎないよう、創造性を重視して展開した。

ACTIVITY

活動報告1(11/10更新)

2017/11/10

本プログラムでは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に、次年度の講義開始を目指して準備を進めています。設計から生産加工にわたる過程のうち入り口の領域にあたります。これに向けた講義の実施検討を目的に、少人数の体制で創造から始まるプログラムを試行しました。創造のキーワードを掲げた学修活動が近年多く見受けられるようになりました。設計の行為は創造的な思考であると言われますが、そのためには常日頃から目にする様々な事象に意識をもって接するのがきっかけとなります。これを体感するのは大変難しいです。そこで、ある画像を観察してもらい、そこから気づける物事を各自抽出し、グループ内で提示しながら気づき事象をまとめていくグループワークを行いました。対話法とも言われ、設計の要求機能にあたる種を出すアプローチにもなります。目にする様々な物事に、いかに無意識でいたのかを理解してもらえるよう体験的に進めました。

個々で精一杯気づきを出してからディスカッションへ

メンバー間で個々の気づきを提示する。自身にはなかった他者の気づきを知ることは、新しい創造の契機になる。

活動報告2(12/18更新)

2017/12/18

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に、次年度の講義開始を目指して準備を進めています。“つなぐ”というキーワードをテーマに、このテーマから想起される人を豊かにする“もの”や“こと”を思考展開するワークショップを試行しました。活動報告1では対象が画像でしたが、ここでは“つなぐ”という言葉から思いつく限りの物事を各自抽出して、グループ内で提示していきます。このとき、ゴールとなる“もの”や“こと”が初めからはありません。答えありきではなく、あらゆる思いついた(または気づいた)物事が種となり、創造につながるゴールを探っていきます。出された種から、要求機能(課題)を設定し、機能要素と機構要素に分類していきます。さらには種のそれぞれが脈略をもつものなのか、抽象的に説明しているのか、具体的に説明しているものなのかを考えていきます。実際に進めると、学生はこの分類がイメージしにくくて難しい様子がうかがえました。要求機能と機構要素の意味するところや、抽象—具体の関係を理解できるようどのように進めるかが課題になりました。

テーマから想起される気づき(種)を出して、ディスカッションへ

出された気づき(種)をどんどん出していき、それらの脈略をつけていく。

活動報告3(12/26更新)

2017/12/26

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に、次年度の講義開始を目指して準備を進めています。活動報告2からは“つなぐ”というキーワードをテーマに要求機能を構成し、人を豊かにする“もの”や“こと”を思考展開するワークショップを進めています。あらゆる思いついた(または気づいた)物事が創造の種になり、それらの抽象—具体の関係を配置していくのですが、前回の報告のとおり学生にとっては抽象と具体とを判断するのが難しい状態でした。そこで学生には任意に種を2つ選んで一対比較を行ない、それらが説明する(される)関係かを判断して配置するようにアドバイスすると、展開が早く進むようになりました。
 ゴールとなる全体構造が見えてくると、そのゴールが何を実現するものかについてイラストでの描写表現を試みました。これがなかなかスムーズに進みません。機械工学科の学生は、重要な製図法を早くから習得していきますが、製図面のように描かなければならないとの意識のためか、描写に苦手意識があるようでした。はじめの一歩は、自由な表現で構わないのでとにかく描くことで見える化できるかが大切ですが、その点が課題として浮上しました。
 次年度からはいよいよ正式なカリキュラムの中で実施されます。大人数の講義になりますのでさらに課題は出てくるかもしれません。これまでの課題も考えながら、進めていきます。

要求機能から、機能と機構とを分類してそれらの関係性を展開

現実に捉われすぎないよう、創造性を重視して展開した。

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