大学概要 【2018年度実施分】機械工学における創造-設計および設計-生産横断型学修プログラム

理工学部機械工学科

No.10

実施責任者塚田 敦史

創造のキーワードの下に新しい状況の変化に対応した実践的設計教育が重要視されてきております。本プログラムは、機械工学科において設計の入口と出口に力点を置いた学びを構想し,2016年度にそのシラバスの構築と準備からスタートしました。設計の入口は、ものや価値を生み出す元となる種を創造でき、そこから設計課題へいかに落とし込めるかを体験的に学び取っていきます。また設計の出口は、設計し図面化されたものを、学修した生産加工の知識と技術を応用してどのような過程によって具現化できるのかを問うていきます。大人数講義でいかに実施できるかを検討しながら、これまで実施体制や評価方法の検討を進めてきました。本年度は,いよいよ講義がスタートします。実際の遂行において課題点を把握しながら進めていきます。

活動報告3

2019/01/28

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく過程と、設計から生産を考えていき実際に人工物を産出する過程を、少しでも体得できることを目的に本年度より講義をスタートしました。
 設計から生産を考えていく過程では、設計分野で普及している3D CAD(3次元コンピュータ援用設計)による3Dモデリング(3次元立体の創成)設計を進めていきました。前回の報告では、学生は初めて3D CADを操作するため、基本コマンド(モデリングのための命令)の使い方から学び、簡単な機械構成部品をモデリングするまでの3D CAD機能を学修しました。今回はさらに自主的に3Dモデリングを行えるように各グループが、実習工場内の機械設備や周辺機器類から3Dモデリングテーマにする対象物を選定していきました。そして実測しながら構造を理解し、部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担していきます。それぞれ完成した3D部品は、最後にアセンブリ(CAD内での組み立て)を行いました。これら一連のモデリング過程から学生は3D CAD設計を段階的に習得できました。
 創造から設計を考えていく過程では、12月より新たに“つなぐ”という抽象的なテーマを示して、人を豊かにする“もの”や “こと”を思考展開するグループワークへ進みました。前回の報告では世の中に既に存在する機械を対象にしておりましたが、今回はすべて創造からのスタートです。単にアイデアを出すのではなく、要求機能をまとめあげ、そこから機構、そして全体構造へと展開していくプロセスになります。思考をいかに発散させるかになります。身の回りの機械や教科書から得る情報は大切ですが、その情報のみに傾注すると収束思考に陥りがちです。思考を発散させることは設計の初期には必要で、従来の講義とは真逆の視点になります。あらゆる思いついた(または気づいた)物事が創造の種になりますが、その展開はグループによって差が大きく、きっかけを与えると急に展開するグループ、それでも難しいグループなど、ハンドリングの難しさは課題となりました。

  • モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測1 モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測1
  • モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測2 モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測2
  • 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て1 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て1
  • 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て2 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て2
  • テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表1 テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表1
  • テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表2 テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表2

ACTIVITY

活動報告1

2018/11/12

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に、講義開始を目指して一昨年度より準備を進めてきました。本年度より機械工学科2年生において実際に講義がスタートしました。設計から生産加工にわたる過程のうち、入り口の領域にあたります。機械工学関連学科のある大学では、創造をキーワードに掲げた学修活動が近年見受けられるようになりました。設計の行為は創造的な思考であると言われますが、そのためには常日頃から目にする様々な事象に意識をもって接するのがきっかけとなります。これを体感するのは大変難しいです。
 最初の課題は身近にある製品を1つ採用して、少人数グループに分かれて思考展開図を構成してみることから始めます。要求機能や機構、構造を関連付けて提示するもので、設計の上流における枠組です。身近にある製品としたのは、機械工学の立場から設計を考えるだけでなく同時に学生自身がそれらの使用を経験するユーザでもあることから、思考展開の枠組みをイメージしやすく主体的に学べる目的で設定しました。学生は、普段使用している機器であっても、いざ設計の要求機能にあたる種を出そうとすると、苦労している様子が伺えます。日常の様々な物事に、いかに無意識でいたのかを気づく様子がわかります。

対象の機械に対して各自の考え(種)を表出させて,機能と機構から捉えていく

なかなかうまく整理できずに一筋縄ではいかないことも実感する場となる

活動報告2

2018/12/20

 本プログラムは、設計から生産を考えていく流れについて少しでも体得できることを目的に、講義開始を目指して一昨年度より準備を進めてきました。本年度より機械工学科2年生において実際に講義がスタートしました。設計から生産加工にわたる過程、すなわち設計の出口の領域にあたります。設計分野で普及している3DCAD(3次元コンピュータ援用設計)による設計と、CAM(コンピュータ支援による製造)によるNC加工データの作成、そしてNC工作機械(数値制御による工作機械)を用いて、加工まで設計データの一貫性を通した横断型の教育を図るものです。設計し図面化された“考え”(仮想の姿)を、座学で学修した生産加工の知識と技術を応用してどのような過程によって具現化するのかを、学生が体験学修を通して理解していきます。設計データという仮想の姿が、実際にNC工作機械で実体として産まれてくるのを実感している様子がわかります。

CAMの役割とインタフェースを習得していきます

設計データ(CAD)をCAM によりNC加工データに変換して、いよいよマシニングセンタで加工です

活動報告3

2019/01/28

 本プログラムでは、創造から設計を考えていく過程と、設計から生産を考えていき実際に人工物を産出する過程を、少しでも体得できることを目的に本年度より講義をスタートしました。
 設計から生産を考えていく過程では、設計分野で普及している3D CAD(3次元コンピュータ援用設計)による3Dモデリング(3次元立体の創成)設計を進めていきました。前回の報告では、学生は初めて3D CADを操作するため、基本コマンド(モデリングのための命令)の使い方から学び、簡単な機械構成部品をモデリングするまでの3D CAD機能を学修しました。今回はさらに自主的に3Dモデリングを行えるように各グループが、実習工場内の機械設備や周辺機器類から3Dモデリングテーマにする対象物を選定していきました。そして実測しながら構造を理解し、部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担していきます。それぞれ完成した3D部品は、最後にアセンブリ(CAD内での組み立て)を行いました。これら一連のモデリング過程から学生は3D CAD設計を段階的に習得できました。
 創造から設計を考えていく過程では、12月より新たに“つなぐ”という抽象的なテーマを示して、人を豊かにする“もの”や “こと”を思考展開するグループワークへ進みました。前回の報告では世の中に既に存在する機械を対象にしておりましたが、今回はすべて創造からのスタートです。単にアイデアを出すのではなく、要求機能をまとめあげ、そこから機構、そして全体構造へと展開していくプロセスになります。思考をいかに発散させるかになります。身の回りの機械や教科書から得る情報は大切ですが、その情報のみに傾注すると収束思考に陥りがちです。思考を発散させることは設計の初期には必要で、従来の講義とは真逆の視点になります。あらゆる思いついた(または気づいた)物事が創造の種になりますが、その展開はグループによって差が大きく、きっかけを与えると急に展開するグループ、それでも難しいグループなど、ハンドリングの難しさは課題となりました。

  • モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測1 モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測1
  • モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測2 モデリング対象とする実習工場内の周辺機器類の実測2
  • 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て1 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て1
  • 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て2 部品レベルの3Dモデリングをグループ内で分担、その後に組み立て2
  • テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表1 テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表1
  • テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表2 テーマに対する具体的な要求機能と機構・構造要素の展開を発表2
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ