大学概要 【2018年度実施分】絵本の読み聞かせ紀伊国屋共同体験プロジェクト

外国語学部

No.20

実施責任者西尾 由里

西尾ゼミでは、音声及び言語習得について専門的に研究しており、理論的な枠組みを勉強した3年生が、子供たちへの絵本の読み聞かせを通して、文字及び音声の修得がどのように行われるか、実際の体験学習を通して、学ぶ喜びを体感し、学習理解を深めることを目的としています。2017年にオープンした紀伊国屋書店プライムツリー赤池店との共同企画で、日本人及び外国人の子供たちを対象に日本語と英語の絵本の読み聞かせを通して、地域での学びのコミュニティを創出するプロジェクトを実施します。

「わくわく英語絵本よみきかせ会」の実施を通して、全体のまとめ

2019/01/25

 本プロジェクトは、当初紀伊國屋書店での連携プロジェクトとして活動をスタートしましたが、ナゴヤドーム前キャンパス近郊にある東図書館から夏休みの子供たちのイベントを考えてほしいという依頼を受け、小学生を対象とした「わくわく絵本よみきかせ会」の実施となりました。
 学生たちは、絵本の選択から、プログラムの立案、運営、実施をすべて考え、絵本読み係、ゲーム係、司会などの担当を決め自主的に行動していました。東図書館及び紀伊国屋書店の皆様の多大なるご尽力を頂き、参加されました子供たち及び大人の皆様にも大変満足度の高い「英語絵本よみきかせ会」となりました。また、それぞれの活動が中日新聞でも取り上げられ、今後もより多くの皆様からの関心を持っていただけるような活動になることを期待しています。

アンケート結果などからのまとめ
① 子供たちとご家庭での英語学習の関心度の高さ
 東図書館での実施では、幼稚園・小学1・2年生までに英語を英会話塾などの学習している子供たちが6割で、その参加理由は、おうちの人から進められていう場合が9割であることから、家庭で英語教育に熱心な様子がうかがえます。また、紀伊國屋書店では、親子で書店にきて、英語が好き、絵本が好きという理由から参加される場合が全17回答(複数回答可)のうち14回答と82%を占めることから、家庭内で、英語や絵本に積極的に取り組んでいる様子がわかります。
② 年齢や理解度に応じた絵本の選択が大切
 紀伊國屋書店では、参加者の76%が乳幼児、幼稚園児であったため、Brown bear やHungry Caterpillar など絵が大きく、文字が少なく、繰り返しの表現の多い絵本を使ったため、約70%が英語がわかったとのことでした。東図書館では、英語がわかることが、絵本の面白さにつながることが推測されました。
③ 地域での絵本の読み聞かせの必要性
 今後の読み聞かせの参加希望は、東図書館は6割であるが、紀伊國屋書店では、10名回答のうち10名が参加したいとの希望でした。地域での図書館や書店での絵本の読み聞かせ会などに興味をもたれており、機会があれば積極的に参加されたいと思っていることが明らかにされました。

地域での絵本の読み聞かせ会の必要性について
 UNESCO(2005)によると、経済格差が子供の文字習得に大きく影響すると報告しています。日本においても、6人に一人は貧困であるといわれ、子供の教育において、家庭での経済力に左右され、それが将来の子供の職業選択にも影響を与えることも想定されます。従って、負の連鎖が世代を超え引き継がれる可能性があります。現在、英語教育は、塾や英会話学校に通い学ぶということがいまだに一般化しており、今後小学校での英語活動が3年生からの開始となったとしても、さらに経済力のある家庭では、英語会話教室などに通わせ、英語教育をプラスアルファで行わせることになると推測されます。そこで、子供への英語教育の格差を埋めるためにも、学校教育また図書館での学び、さらには地域での書店での学びなどが大きいと考えられます。


引用文献
Lazarus, E. (2014). Developing reading and writing skills in a foreign language. In N. Pachler, & A, Redondo (Eds.), A practical guide to teaching foreign languages in the secondary school (pp. 58-64). NY: Routledge.
UNESCO, (2005). Education for all: Global monitoring report 2006. Retrieved from http://unesco.org/new/en/education/themes/leading-the-international-agenda/efareport/reports/2006-literacy/
What Works Clearinghouse(2018)https://eric.ed.gov/?q=the+tips+of+reading+of 
  +picture+books&ft=on&id=ED581120

ACTIVITY

活動報告1

2019/01/25

 2018年前期では、第二言語習得の理論的な枠組みを学習し、学生たちが、文献発表を行いました。それらの知識を生かし、小学低学年や中・高学年などに適した絵本を学生たち自身が選び、その絵本のコンセプトや良い点などにつき、ビブリオバトルの手法を使い、プレゼンテーションを行い、投票し選びました。また、東図書館や紀伊國屋書店での絵本の読み聞かせ会の意義・目的や準備などKJ法を使って準備を進めました。

  • 学生たちが選んだ本のプレゼンテーションを行った様子。 学生たちが選んだ本のプレゼンテーションを行った様子。
  • KJ法を使い、絵本の読み聞かせプロジェクトのアイディアを出す様子。 KJ法を使い、絵本の読み聞かせプロジェクトのアイディアを出す様子。
  • KJ法で出たアイディアを発表する様子 KJ法で出たアイディアを発表する様子

東図書館での「わくわく英語絵本よみきかせ会」の実施

2019/01/25

 紀伊國屋書店の英語絵本の読み聞かせを行う前に、東図書館から小学生を対象とした夏休みのイベントを考えてほしいとの依頼を受け、「わくわく英語絵本よみきかせ会」を行いました。
 東図書館では、現在多くの英語の蔵書(児童洋書:1198冊, 大人洋書:282冊)があり、乳幼児とその保護者を対象に英語絵本読み聞かせを不定期で行っていますが、小学生を対象には行っていないため、夏休みの小学生対象のイベントとして、英語絵本に触れ合う機会として、英語絵本よみきかせ会の実施を提案しました。このイベントを通して、英語絵本を身近に感じ、貸し出しが増えることも期待されます。また、読み手が大学生であるため、小学生との年齢的な距離も近く、英語絵本の理解も促進されると考えられます。
 絵本の読み聞かせ会は、平成30年8月29日(水)の10時から約1時間、「Brown Bear Brown Bear, What do you see?」「Elmer」の2冊の絵本を読み、絵本の単語などの定着を図れるようなゲームを行いました。その後、英語の読み聞かせに関するアンケートを実施しました。場所は、東図書館集会室(カルポート東2階)で、参加者は小学1~6年の11名で、保護者3名でした。

英語絵本の効果
 大人が子供に絵本を読み聞かせすることは、言語習得につながると考えられています。自然に文字と音を一致させ習得させることとなり、学校のカリキュラムやテスト以外で本を読むことの喜びを与え、言語習得を促す(Lazarus, 2014)といわれています。
 本を読む前、読んでいる間、読んだ後にその絵本についてどのようなことが書かれていたかについて聞いたり、生活での関連性などを聞くと、絵本ででてきた単語や表現を使用することができるようになります(What Works Clearinghous, 2018)。このことから、絵本の読み聞かせの後に、絵本の語彙などのゲームを通して確認するのは、習得につながると考えられます。
 読み聞かせは英語だけではなく、読み聞かせ途中に適時日本語での解説をいれるCLIL(Content Language Integrated Learning, 内容言語統合型学習)という手法を取り入れています。この方法は、4Cと呼ばれる、4つの理念 【(内容:Content, 認知:Cognition, 文化(コミュニティ):Culture(Community), コミュニケーション:(Communication)】が重要です。このCLILの手法により、理解が深まり、さらに英語また日本語の修得も促すと考えられます。

  • 1回目の英語絵本「Brown Bear」の読み聞かせの様子。 1回目の英語絵本「Brown Bear」の読み聞かせの様子。
  • 2回目の英語絵本「Elmer」の読み聞かせの様子です。 2回目の英語絵本「Elmer」の読み聞かせの様子です。
ゲームの様子 ゲームの様子

アンケート結果
東図書館の絵本の読み聞かせに参加した11名に対して、アンケートを行った結果は以下の通りです。英語学習をいつ開始したかについて、約60%の子供たちが、幼稚園、小学1・2年までに英会話塾などに行き英語学習しており、早期に英語を学習していることがわかりました。60%の子供たちが英語絵本を面白いと感じていました。あまり面白くない、面白くないと回答した3名は、英語がほとんどわからない、わからないと回答していました。このことから、英語がわかることが絵本の面白さにつながることがわかりました。なお、今回の絵本読み会への参加はおうちの人に勧められたという回答が11名中9名であり、ご家庭での英語学習の関心の高さが伺えました。

(報告資料1) (報告資料1)

紀伊國屋書店での「わくわく英語絵本よみきかせ会」の実施

2019/01/25

 2018年10月28日(日)に、 紀伊國屋プライムツリー赤池店児童書特設コーナーにて、全3回(10:00~11:00、14:00~15:00、16:00~17:00)、英語の絵本を読んだり、子どもたちと一緒にゲームをしたりする「わくわく英語絵本よみきかせ会」を行いました。
絵本は、幼児、小学生低学年用に、「Brown Bear Brown Bear, What do you see?」「The Very Hungry Caterpillar」、中・高学年用に「Elmer」「The Rainbow Fish」を用意しました。しかし、参加者はほとんどが乳幼児であっため、「Brown Bear Brown Bear, What do you see?」「The Very Hungry Caterpillar」を中心に読み聞かせを行いました。よみきかせは、英語で読み、日本語で簡単に説明する「CLIL」を使いました。
 最後に絵本の中で出てきた動物は英語で何だったのかを当てるゲームを行い、アンケートを取りました。

アンケート結果 (回答は主に保護者の方が回答)
参加者:乳幼児(5名)、幼稚園(5名)、小学1年(3名)
英語開始年齢・場所: 幼稚園(2名)、小学校(1名)
英語絵本が面白かったかどうか: 面白かった(12名)、あまり面白くなかった(1名)
英語の理解度: わかった(4名)、少しわかった(4名)、少しわからなかった(2名)、 わからなかった(1名)
参加理由(複数回答): 英語が好き(7名)、絵本が好き(7名)、
おうちの人に勧められて(1名)、本屋が好き(1名)、暇だから(1名) 
今後参加希望:希望する(10名)

 紀伊國屋書店であったので、多くの家族連れが来店されていました。アンケ-トからも、幼稚園で英語を始めている子供たちもいるように、特に乳幼児や幼稚園児の保護者の方が英語教育に熱心に取り組まれている様子が伺えます。英語や絵本が好きで、また英語絵本が面白かったという感想が92%でした。さらに、今後も英語の絵本よみきかせに参加したいとの回答者全員(100%)が回答しており、好評であったことがわかります。

  • 英語絵本「The Very Hungry Caterpillar」を読んでいる様子。 英語絵本「The Very Hungry Caterpillar」を読んでいる様子。
  • ゲームをしている様子。 ゲームをしている様子。

「わくわく英語絵本よみきかせ会」の実施を通して、全体のまとめ

2019/01/25

 本プロジェクトは、当初紀伊國屋書店での連携プロジェクトとして活動をスタートしましたが、ナゴヤドーム前キャンパス近郊にある東図書館から夏休みの子供たちのイベントを考えてほしいという依頼を受け、小学生を対象とした「わくわく絵本よみきかせ会」の実施となりました。
 学生たちは、絵本の選択から、プログラムの立案、運営、実施をすべて考え、絵本読み係、ゲーム係、司会などの担当を決め自主的に行動していました。東図書館及び紀伊国屋書店の皆様の多大なるご尽力を頂き、参加されました子供たち及び大人の皆様にも大変満足度の高い「英語絵本よみきかせ会」となりました。また、それぞれの活動が中日新聞でも取り上げられ、今後もより多くの皆様からの関心を持っていただけるような活動になることを期待しています。

アンケート結果などからのまとめ
① 子供たちとご家庭での英語学習の関心度の高さ
 東図書館での実施では、幼稚園・小学1・2年生までに英語を英会話塾などの学習している子供たちが6割で、その参加理由は、おうちの人から進められていう場合が9割であることから、家庭で英語教育に熱心な様子がうかがえます。また、紀伊國屋書店では、親子で書店にきて、英語が好き、絵本が好きという理由から参加される場合が全17回答(複数回答可)のうち14回答と82%を占めることから、家庭内で、英語や絵本に積極的に取り組んでいる様子がわかります。
② 年齢や理解度に応じた絵本の選択が大切
 紀伊國屋書店では、参加者の76%が乳幼児、幼稚園児であったため、Brown bear やHungry Caterpillar など絵が大きく、文字が少なく、繰り返しの表現の多い絵本を使ったため、約70%が英語がわかったとのことでした。東図書館では、英語がわかることが、絵本の面白さにつながることが推測されました。
③ 地域での絵本の読み聞かせの必要性
 今後の読み聞かせの参加希望は、東図書館は6割であるが、紀伊國屋書店では、10名回答のうち10名が参加したいとの希望でした。地域での図書館や書店での絵本の読み聞かせ会などに興味をもたれており、機会があれば積極的に参加されたいと思っていることが明らかにされました。

地域での絵本の読み聞かせ会の必要性について
 UNESCO(2005)によると、経済格差が子供の文字習得に大きく影響すると報告しています。日本においても、6人に一人は貧困であるといわれ、子供の教育において、家庭での経済力に左右され、それが将来の子供の職業選択にも影響を与えることも想定されます。従って、負の連鎖が世代を超え引き継がれる可能性があります。現在、英語教育は、塾や英会話学校に通い学ぶということがいまだに一般化しており、今後小学校での英語活動が3年生からの開始となったとしても、さらに経済力のある家庭では、英語会話教室などに通わせ、英語教育をプラスアルファで行わせることになると推測されます。そこで、子供への英語教育の格差を埋めるためにも、学校教育また図書館での学び、さらには地域での書店での学びなどが大きいと考えられます。


引用文献
Lazarus, E. (2014). Developing reading and writing skills in a foreign language. In N. Pachler, & A, Redondo (Eds.), A practical guide to teaching foreign languages in the secondary school (pp. 58-64). NY: Routledge.
UNESCO, (2005). Education for all: Global monitoring report 2006. Retrieved from http://unesco.org/new/en/education/themes/leading-the-international-agenda/efareport/reports/2006-literacy/
What Works Clearinghouse(2018)https://eric.ed.gov/?q=the+tips+of+reading+of 
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