大学概要【2020年度実施分】地域フィールドワークからグローバル社会を考えるプログラム
外国語学部
本プログラムは、学生の自律的なグループ学習、愛知県内を中心とした4つのフィールドワークを通して、地域に根差した視点からグローバル化について実践的に学習することを支援するためのプログラムである。「基礎演習II~IV」、「ゼミナールIおよびII」、「国際フィールドワーク(非英語圏)」といった7つの授業において、大学の学びを地域社会の知と連関することを体験的に感得し、その学びを継続させることを目指す。
ACTIVITY
知立市昭和地区の多文化共生について学ぶ
2020/09/30
2020年9月29日、授業「基礎演習Ⅱ」の2つのゼミ(津村・藤原)において、知立市・昭和地区の多文化共生の取り組みについて、知立市役所福祉課・佐藤浩二氏よりご講義をいただきました。
昨年度までは昭和地区・知立団地を実際に訪れて、知立団地のPR動画を作成する取り組みを行ってきましたが、新型コロナ感染症の広がりのなか、日常的な生活空間で学生がフィールドワークとインタビューを行うことはリスクが大きいため、今年度は遠隔形式で地域課題について考えることになりました。Zoomを使って、知立市役所福祉課とナゴヤドーム前キャンパスの2つの教室を接続することで、円滑にコミュニケーションを進めることができました。
知立市の地域福祉に尽力されている佐藤氏より、昭和地区の現状や、住民主体で活動されている昭和未来会議の様々な取り組みについてご説明をいただき、地域課題を発見し、それに取り組む人財を掘り起こす仕組み作りが重要であることを学びました。
さらに現在のコロナ禍において、「3密を避けながら、心を親密にする方策を考えなさい」という課題を与えていただき、学生はグループワークを通じて、それぞれのアイディアを検討し、プレゼンテーションを行う予定です。
知立市昭和地区の多文化共生について学ぶ:学生プレゼンテーション
2020/10/15
2020年10月13日、授業「基礎演習Ⅱ」の2つのゼミ(津村・藤原)において、知立市・昭和地区の多文化共生の取り組みをめぐって、学生がプレゼンテーションを行い、知立市役所福祉課・佐藤浩二氏よりご講評をいただきました。
知立市昭和地区は、日本人の高齢化率が約42%、外国人人口比率も約42%であり、知立市の外国人住民のうち約半数が昭和地区に在住しています。そのうち昭和地区の知立団地内では、外国人比率が約62%となっており、きわめて多文化的な状況が見られます。今回のプロジェクトでは、昭和地区での様々な取り組みに尽力されている知立市福祉課・佐藤浩二氏よりご講義(9月29日)をいただいたうえで、「3密を避けながら、心を親密にする方策を考えなさい」という地域課題に学生が取り組みました。なお、今年度は、知立市役所とZoomで接続して授業を進行しました。
3人または4人ごとの6チームに分かれて行われたプレゼンテーションでは、「団地の壁をスクリーンとして活用してドライブインシアターのように映像を楽しむ」、「高齢者や外国人住民が子どもに伝統遊びを教える」などの方策が示され、なかでも、「メッセージ布を使って団地交流を取り戻す3Dプロジェクト(団地・団らん・団結)」がもっとも多くの評価を集めました。
知立市・佐藤氏からは、自分自身が楽しいと思う気持ちを忘れずに、当事者として地域課題に取り組むことの大切さをご教示いただきました。
リトルワールドでのフィールドワーク実習
2020/10/26
2020年10月25日に、「ゼミナールⅡ」の学生12名が野外民族博物館リトルワールド(犬山市)でのフィールドワークに参加した。各グループ3名ずつ、4つのグループに分かれて課題についての情報を収集した。グループ課題は、「グループごとに設定したテーマ(門、窓、貧富と家屋etc.)についての地域間比較」で、11月11日の授業でプレゼンテーションを行う予定である。個人課題は「ある地域の物質文化(住居、衣服、食など)から考える地域の特徴」で、近日中にレポート提出を行う。これらの課題に加えて、11月4日の授業では、当日撮影した写真を、Google Photosを利用して共有し、ある文化の特徴を表現した写真コンテストを行う予定である。
これらの課題を通して、今回のフィールドワークでは、地域性と物質文化、マテリアリティのつながりについて多くの情報を収集することができた。
名古屋モスクでのフィールドワーク実習
2020/11/24
2020年11月21日に、「基礎演習Ⅳ」の学生6名が名古屋モスク(名古屋市)でのフィールドワークに参加した。正午過ぎの礼拝(ズフル)を見学させていただいたのち、名古屋イスラミックセンターのサラ・クレシ好美さんから講義をいただく。イスラームの歴史と教義、六信五行、日本・名古屋のイスラームについてわかりやすく紹介していただいた。特にイスラームの信仰と実践における、クルアーンとハディースの関係、平等と公正、日本におけるイスラーム報道などについて多く学ぶことができた。また学生からの質問には、ムスリムの大学生が答えてくださり、フィールドワークに参加した学生たちは、同年代のムスリムの語りを受けて、イスラーム観のみならず、自身の世界観そのものも大きく揺さぶられたようであった。