大学概要【2018年度実施分】学年横断の実践体感型の建築設計教育プログラムの実施

理工学部

学年横断の実践体感型の建築設計教育プログラムの実施
実施責任者:寺西 浩司

建築設計課題で優秀な成績をおさめた学生が主体となり、複数学年横断型で行う建築設計教育プログラム。実社会で必要な課題解決能力の涵養を目的に、第一線で活躍する建築家・技術者と協働する形で、次の2つを実施する。
(1)学生が主体となった特別講義(2回)
選抜学生グループ(2年~修士)が、講師の工房や設計事務所を訪れ実践の場と活動を体感、かつ講師より作品等解説を得る。そして後日、講師とテーマを企画し、100名規模の特別講義を開催する。
(2)全学年の建築設計作品(優秀作)の特別講評会(1回)

ACTIVITY

全学年の建築設計作品(優秀作)の特別講評会(1) 門脇耕三先生の建築作品の視 察・レクチャー

2018/11/15

11/3に、2年生から大学院生までの学年横断メンバーで、建築家として活躍されている門脇耕三先生を迎えて「建築作品の視察」と「都市の読解について街の中で講義」していただく機会を持ちました。
当日は仙川駅から出発し、仙川の街の成り立ちについて、歩きながら講義をしていただきました。駅前商圏から少し離れたところに発生しているSNS時代の新しい街の在り方や、崖線の建物の様子など、都市を建築家としてどのように読解しているのかを解説していただき大変勉強になりました。その後、門脇先生の建築作品である「つつじヶ丘の家」「門脇邸」を中に入って視察させていただきました。学生達は改築作品と新築作品の違いや、通底する考え方などを理解したり、実作品において絶妙な寸法感覚を感じたりと、建築設計にまつわる多角的な視点を感じ取れた様子です。

街を歩きながら理解する

建築作品について解説いただく1

建築作品について解説いただく2

建築作品について解説いただく3

全学年の建築設計作品(優秀作)の特別講評会(2) 門脇耕三先生を迎えて

2018/12/03

11/11に、門脇耕三先生を迎えて「学年横断型講評会」を開催しました。
各学年から選抜された作品を、社会で活躍する建築家に公開で講評していただく教育プログラムです。
前半では、門脇先生より自作に関する御講演をいただきました。当日は100人近い学生が熱心に講演を聞いていました。建築を考える上での論の組み立て方や、建築史観、建築と映像と音楽の関係性など、様々な話題に触れながらも一貫した設計の思想が良く理解できる内容で、学生は大いに刺激を受けたことと思います。
続いて後半では、全員が巡回する方式で「選抜された2年・3年生の設計課題」の作品講評と、現在4年生が取り組んでいる卒業制作に対するアドバイスをいただきました。学生の様々なテーマの発表に対して、瞬時に内容を捉えて的確なアドバイスをもらうことができ、大変勉強になる機会でした。学生たちには、著名な建築家の前で自分の作品について発表し伝える機会を得て、今後に繋がっていく良い経験となったことと思います。

学年横断型講評会のポスター

取り組んでいる卒業制作にアドバイスをいただく

3年生の設計作品に対するクリティーク

門脇先生によるレクチャー

学生が主体となった特別講義(1) 髙﨑正治氏「MONOBITO」 その1

2019/01/15

世界でご活躍されている建築家である髙﨑正治氏をお招きし、特別講義を行っていただいた。髙﨑氏は、1975年に「物人建築」を創流し、翌年の名城大学建築学科卒業後にヨーロッパを拠点に活動を開始され、建築家・ピーター・クック卿に師事した後、1982年にTAKASAKI物人研究所を設立。1990年に髙﨑正治都市建築設計事務所を開設される。2001年には王立英国建築家協会名誉フェローを授与された経歴をお持ちで、近年では、2011年に東日本大震災復興建築プロジェクト「こころシェルタープロジェクト・KOKORO SHELTER Project」を開始されたり、第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で作品を発表されたりと、設計活動、教育活動、個展活動、の三つを主軸に活動されている。

この第1段階として、特別講演に向け、高崎先生の指導、および建築作品視察を行ったので、以下に報告する。
(開催日:2018年11月30日~12月1日)

学生の代表である5名が鹿児島にある髙﨑氏の事務所を訪問し、講演会のテーマなどの打ち合わせや、髙﨑氏が設計された建築物の見学を行った。打ち合わせにて、講演会のテーマは髙﨑氏が建築を創造する根幹になっている思想である『MONOBITO』について、実作を通して説明していただくことに決まった。
『MONOBITO』という考えはヨーロッパの方では広く広まっているようで、将来的に海外で活躍したいと考えている学生にとって、貴重な講義になるのではないかと考えた。建築物見学では『ゼロのいえ』、『輝北天球館』、『なのはな館』に行った。どの建築も写真で見るよりも、人のスケールに合っている感じがした。また、非対称な部分などが多く、様々なことを連想させられた。髙﨑氏に質問すると、揺らぎを作っていると答えてくださった。解釈の余地を残すことで、建築を超えた芸術作品としての存在になっているのではないかと思った。(建築学科4年生 市川和樹)

鹿児島の歴史、文化を解説していただく

「ゼロのいえ」の外観について解説していただく

「輝北天球館」の見学の様子

「なのはな館」の見学の様子

学生が主体となった特別講義(1) 髙﨑正治氏「MONOBITO」 その2

2019/01/22

世界でご活躍されている建築家である髙﨑正治氏をお招きし、特別講義を行っていただいた。
今回は、引き続き第2段階として行った「特別講義」を報告する。
(開催日:2018年12月14日)

特別講義は、前半の20分間で学生が打ち合わせの様子や、建築見学で感じたことを発表した。発表は現地に行かないと分からない空気感や色、質感などを写真を通して伝えることを心がけて行った。その後、髙﨑氏の講義が1時間行われた。内容は髙﨑氏が14歳の時に彫刻に穴を開けた時に建築というものの存在を発見した話で始まり、髙﨑氏の哲学「1)生きること 2)自分であること 3)作品であること」について、学生の頃どんな生活をしていたのか、墨で和紙に図面を書くということの意味、環境生命体について、建築は第二の自然であること、平面曲線の意味、機能を超えていくということ、ゼロについてといった、興味深く濃密なものであった。
講義後は参加者からの質疑応答が行われ、次の時代の建築についての質問や、心とは何か、髙﨑氏のエネルギーの源は何か、といった幅広い質問が出、髙﨑氏は一つ一つに丁寧な回答をして下さった。
参加者は、学内外100名程来ており、髙﨑氏の話を聞いてみたいという学生が多いように思われた。髙﨑氏ほど海外で活躍している日本人の建築家は少なく、話す内容のスケールが大きく、考えの幅が広がった人が多いのではないかと思うと同時に、これまでにない貴重な機会だったと感じる。(建築学科4年生 市川和樹)

作成したポスター

学生発表の様子

講義の様子

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