大学概要【2016年度実施分】実習・体験を基盤とした産官コーオプ教育プログラムによる能動学修の推進

農学部

実習・体験を基盤とした産官コーオプ教育プログラムによる能動学修の推進
実施責任者:林 利哉

MS-26で掲げている価値観、すなわち“多様な経験”、“学びを楽しむ”の実現において、実習教育は極めて重要です。本取組は、今春竣工したばかりの附属農場 教育研究館一階にリニューアルされたプラントを活用した食品加工実習を中心に据えた実践的プログラムです。最新かつ衛生的環境下で食品製造の理論と実際を学ぶことができるだけでなく、これに民間工場(産)あるいは農学関連行政(官)との交流を組み合わせることで厚く肉づけされた、現場に立脚した課題発見・解決力の醸成を志向する実践的能動学修推進プログラムです。

ACTIVITY

「食と社会」をコンセプトとしたリレー講義(12/8更新)

2016/12/08

農学関連行政(官)とのコラボレーション企画の一つとして「食と社会」をコンセプトとした農林水産省東海農政局の局長、局員様によるリレー講義(世話人:小原章裕先生)を、5月9日、16日、23日および30日に計4回実施した。主として応用生物化学科1年生を対象に行った本講義にはほぼ全員にあたるおよそ100名の学生が受講した。日本の食糧事情、日本農業の課題、農薬の適正使用、食の6次産業化等、これからの農学関連産業の維持・発展において極めて重要かつ多岐にわたる充実した内容の講義が履行された。

【参考】
〈食と社会(1)〉
我が国の食料事情について(農林水産省東海農政局の局長様(或いは次長様)に講義をお願いしています。) 
昭和40年度には73%であった我が国の食料自給率は、現在39%と先進国の中でも最低の水準となっています。本講義では食料自給率を通して我が国の食料事情を考えるとともに、27年3月に策定された食料・農業・農村基本計画における自給率目標についても解説します。
〈食と社会(2)〉
野菜を社会に安定的に供給するために(農林水産省東海農政局の方に講義をお願いしています。)
野菜は、天候によって作柄が変動しやすく保存性も乏しいため、短期間に価格が大きく変動するという特性を持っており、その需給や価格の動向は、生産・消費の双方に大きな影響を及ぼしています。本講義では、国産野菜を安定的に供給するための制度や対策事業について解説します。
〈食と社会(3)〉
農薬の適正使用について(農林水産省東海農政局の方に講義をお願いしています。)
農作物を生産する際に用いられる農薬について、我が国における食の安全を確保する基本的な考え方、仕組み、そして、農薬の必要性、適正使用を確保するために行っている取り組みを説明します。
〈食と社会(4)〉
食の6次産業化と輸出戦略(農林水産省東海農政局の方に講義をお願いしています。)
6次産業化・地産地消法に基づく、農山漁村の所得向上、雇用の確保等に向けた取り組みに関する施策及び農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略に基づき、農林水産物・食品の輸出促進を目的に進められている施策等について説明します。

食品加工施設の見学と食品加工実習(1/18更新)

2017/01/18

他機関食品加工施設の見学(7月7,8日)
実験実習を主体とした実践教育の充実をはかるため、某大手乳業会社の開発・研究用ミニプラントと、麻布大学獣医学部の食肉加工施設の見学を行った。いずれも食品衛生法に準拠した施設であり、多くの示唆が得られた。また、9月5日には食品加工実習の一環で地元の大手飲料会社の工場見学も行った。

食品加工実習(8月3日:事前講義、8月4~6日:畜肉加工、8月19、20日:醸造、9月5日:工場見学、9月6~8日:畜肉加工、9月9、10日:醸造)
およそ50名の応用生物化学科2年生に対して、食の安全・安心に関する事前講義、工場見学を1日、3日間の畜肉加工、2日間の醸造実習を行った。工場見学は森永乳業株式会社中京工場と、アサヒビール名古屋工場株式会社を見学した。畜肉加工実習では、豚ももブロック肉を原料に、ソーセージ、プレスハム、ロースハム等の加工品を製造した。醸造実習では、大豆、麹を用いて、味噌製造を行った。学生にとっては、机上で学ぶ理論と実際が結びつく貴重な機会になったとともに、製造工程における安全確保の大変さと大切さも同時に実感できたのではないかと考える。

食肉製品製造演習(10月25日~28日)・食の安全(BSE関連)意識調査(12月下旬)(3/22更新)

2017/03/22

応用生物化学科 食品機能学研究室3、4年生に対して、加熱食肉製品ならびに非加熱食肉製品の製造演習を行った。実際に小規模工場等で行う製法を実践し、製品の最終チェック、真空包装まで行った。また、食肉関連の講義の中で、食品加工実習受講者と非受講者に対して、食の安全・安心に関わる代表的題材と言える牛海綿状脳症(BSE)に関するVTRをみせ、2000年代初頭に世界的パニックを引き起こしたBSE問題に関する自由記述による意識調査を行った。その結果、食品加工実習受講者の方が若干ではあるが、食の安全に関する知識の定着の程度が高い傾向が伺えた。このことは、そもそも実習受講者の方が食への関心が高いことに起因する可能性もあるため、単純に事業の効果とは言い難いが、興味深い結果であることは確かである。次年度より、新しく食品安全・衛生学(必修)が開講されるため、本講義を活用したアクティブラーニングの導入やアンケート調査の充実も含め、より効果的な事業展開をはかりたい。

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