大学概要【2017年度実施分】学生に他研究機関での実験等を体験させることにより、コミュニケーション力を養成

理工学部

学生に他研究機関での実験等を体験させることにより、コミュニケーション力を養成
実施責任者:上山 智

本学科・本専攻では2015年度に20を超える国内外の研究機関と共同研究や研究交流を行っている実績を有している。MS-26の予算を活用して2015年・2016年度に本学科・本専攻では、大学院生および卒業研究生を派遣し国内外の研究機関での実験やプレゼンテーション等を行った。本取り組みでは、これらの取り組みの有効性が確認できたため、継続的に実施する。具体的には、各研究室に所属する学生を、教員の共同研究先や連携先に派遣し実験等を実施することによって学生のコミュニケーション力や能動的に学ぶ意欲を醸成することを目的とする。

ACTIVITY

大型放射光施設 Spring-8への派遣

2017/04/26

■派遣先:大型放射光施設 Spring-8

■実施日:2017年4月17・18日

■実施内容:
本派遣では、兵庫県にある大型放射光施設Spring-8内のビームライン(BL11XU-QST)に備え付けられている装置の加熱機能を用いてグラフェンの成長実験を行いました。また、今後の研究計画について量子科学技術研究開発機構の高橋先生たちとディスカッションを行いました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣では、Spring-8の装置を使用してグラフェンの成長実験を行い、今後の研究に役立つ、貴重なデータを得ることができた。普段とは違う装置・環境で実験を行うことは、非常に刺激的でした。また、今後の研究計画について量子科学技術研究開発機構の方々とディスカッションすることによって、自身では気付かなかった課題や新たな知見を得ることができ、勉強になりました。今後も、継続的に同施設を用いた研究を続けていく予定であり、グラフェン研究分野において重要な知見を得ていきたいと思う。

本派遣で使用したビームラインの実験ハッチ3。奥の部屋に見える装置が本実験で使用した装置である。最先端の測定が行える装置であり、興味深い機能を沢山有していました。

実験中の操作画面の写真。放射光施設の装置は、強力な放射線を使用するためビームライン稼働中は実験ハッチに入れないようになっている。全て外部のパソコンから装置の操作が行えるようになっていた。

パソコンを使用して装置内にセットしたサンプルを加熱しているところです。徐々に温度を上げていき、900℃まで上昇させることができます。普段と違う装置・環境で実験できて、新鮮で楽しかったです。

三重大学への派遣

2017/05/22

■派遣先:三重大学

■実施日:2017年5月15日

■実施内容:
名城大学と共同研究を行っている三重大学、九州大学との現在の研究状況の確認・今後の方針の決定について打ち合わせを行った。この共同研究の目的は世界最短波長の電流注入型深紫外レーザを作製することである。そのため、三重大学では、作製予定のレーザの下地結晶であるAlN、AlGaNの高品質化を担当し、名城大学ではAlNより上から結晶成長を行いデバイス構造の作製、プロセスにより基板を加工まで担当している。今回は、両大学での研究成果や今後取り組む研究課題に関して進め方を決めた。

■写真①:
名城大学ではデバイスの結晶成長やプロセスを担当している。レーザ発振するために必要な構造の検討や電流注入法によるレーザ発振を目指している。今回、どの程度まで目標に達成できたかを報告した。また、今後結晶品質とレーザ発振特性の比較を行い、結晶成長技術の確立や構造検討を行う予定である。

■写真②:打ち合わせ後に三重大学の実験装置の見学を実施した。写真はクリーンルームを外から見ている様子である。名城大学と比較すると敷地面積が広く、広々とした印象を受けた。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
・三重大学が作製した表面結晶性が良好なAlN基板を貰い受け、今後の研究に使用する。今後の方針として新しいMOVPE装置を導入し、大量にMgを添加しても補償しないような結晶成長技術の確立等を目指す。次回は8月21日にミーティングの実施を予定しており、研究のスピードを加速し世界最短波長の電流注入型深紫外レーザの作製を目指す。そのプログラムに卒業研究として参画していくことは極めて有意義だと思われるので頑張りたいと思います。
・三重大学の研究室の状況や、他大学の学生との交流を通して、研究に対するモチベーションが向上した。
・研究の進め方の議論などを通して、自分がどのように研究を進めて行けば良いかなどの意識が向上した。

写真①:三重大学での打ち合わせを行う直前の様子

写真②:三重大学の実験装置の見学の様子

大型放射光施設 Spring-8への派遣

2017/09/05

■派遣先:Spring-8 XAFS講習会

■実施日:2017年8月3日

■実施内容:
放射光施設であるSpring-8にて元素分析手法であるXAFSの解析方法、特に解析ソフトであるであるAthena,Artemisを実習形式で学んだ。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣では、物質にX線を照射することで得られるXAFSをソフトによって解析しました。その情報からX線が入射している元素の同定や価数などの化学状態を決めるプロセスを丁寧に教えていただけました。このような解析ソフトを自在に扱えることは自らの研究を進めていく上で非常に強力な武器となると考えています。本派遣で得られた知識を今後、自らのものとできるように練習していきたいと考えています。

XAFS講習会が開催されたSPring-8構内の施設の外観。

講習会の会場内の様子。学生はほとんどおらず、大多数が会社員の方でした。

データ解析中の様子。慣れない作業で分からないこともたくさんあったが、講師の方が丁寧に対応してくだっさった。

講習会が行われた施設にあるモニュメントと共に撮った写真。

立命館大学への派遣

2017/10/11

■派遣先:立命館大学
■実施日:2017年9月11~12日
■実施内容:
立命館大学の荒木・毛利研究室を訪問し、透過電子顕微鏡(TEM)の観察方法、試料作製方法の実習を行った。

■写真①:収束イオンビーム装置(FIB)を用いたTEM観察用試料作製中の様子。荒木先生が使用手順だけでなく、装置の原理についても非常に丁寧に教えて下さり、大変勉強になりました。

■写真②:透過電子顕微鏡(TEM)で試料を観察している様子。荒木先生と同教授研究室の博士課程の方に観察方法のコツやデータの解釈の仕方などを教え頂きながら観察を行いました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
私は修士論文の研究テーマを遂行する上で透過電子顕微鏡を使用したいと考えております。今回の派遣ではTEMを用いた観察技術や試料作製技術を学ぶことが出来ました。装置の使い方だけでなく、原理や得られた画像の解釈の仕方、綺麗な画像を撮るためのテクニックなどを非常に丁寧に教えて下さりました。本派遣で得られた知識や技術を自分の実験に落とし込み、今後の研究に役立てたいと考えております。

■写真①:収束イオンビーム装置(FIB)を用いたTEM観察用試料作製中の様子

写真②:透過電子顕微鏡(TEM)で試料を観察している様子

東京工業大学への派遣

2017/11/14

■派遣先:東京工業大学
■実施日:2017年11月8~9日
■実施内容:
名城大学であらかじめ真空蒸着法によりTiO2超微粒子を作製し、これを派遣先にあるTEMR005(球面収差補正電子顕微鏡)を使用して高分解能で試料観察をする。

■写真①:使用した装置(TEMR005)の写真です。装置は地下1階にあり、周囲の磁場を打ち消す部屋に設置されています。TEMR005の仕様は加速電圧が300kVで、分解能は1Å以下まで観察可能な装置です。

■写真②:これは、TEMR005に、試料ホルダを挿入している写真です。試料ホルダは、強力2軸ホルダです。ホルダには、GaInN/GaNトンネル接合

写真①:使用した装置(TEMR005)

写真②:TEMR005に、試料ホルダを挿入

■写真③:試料観察をしている写真です。観察を行う前に、高さ(Z軸)や電圧軸をしっかり調整しました。その後、非点収差を取って像をはっきり観察できる状態にしました。

■写真④:TEMR005で撮影したTEM像です。(倍率:×1M、電流密度:32pA/cm2)今回の目的であったTiO2超微粒子の高分解能の観察を行いました。縦、横の格子縞がはっきり撮れていることが観察できました。

写真③:試料観察

写真④:TEMR005で撮影したTEM像

写真⑤:GaInN/GaNトンネル接合素子の表面

■写真⑤:これは、GaInN/GaNトンネル接合素子の表面を撮影した写真です。倍率は5000倍で撮影しました。今回、高分解能の写真は撮れませんでした。これは試料が厚いためと考えられます。また、GaN/GaNトンネル接合素子は、観察部分にごみのような物が付着しており、今回は観察することが出来ませんでした。しかし、名城のTEMよりも性能が良いTEMで観察出来たため、低い倍率でも転位や層の様子を観察することが出来ました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
・本派遣を通して、真空蒸着法により作製したTiO2超微粒子の構造解析を行うことができました。従来は孤立粒子だと考えていたものが実際は集合体である可能性があることがわかってきました。このデータをもとに試料作製条件を見直し、触媒のその場観察に適した試料作りに繋げていきたいと考えています。(堀)

・本派遣では、卒業研究を進めるにあたり、非常に充実したものでした。自分の作製したサンプルが、どのような様子なのかを鮮明に見ることが出来、今後の研究に役に立つと思いました。また、本派遣で、より卒業研究に意欲が沸きました。引き続き、卒業研究に頑張って取り組んでいきたいです。(水野)

九州大学大学院 水野研究室への派遣

2017/12/13

■派遣先:九州大学大学院 水野研究室
■実施日:2017年9月4~7日
■実施内容:
派遣先では、六硼化ランタン(LaB6)(111)面の表面構造解析のための低速電子回折(LEED)の実験を行いました。水野教授と私の指導教員は、交流が非常に長く、高輝度電子源材料の開発における同志です。私は低速電子線を用いて、ソフトマテリアル観察を実施していますが、電子線の輝度がソフトマテリアルを電子顕微鏡観察する際の照射量を決めることを学び、すでに確立した高輝度電子源材料であるLaB6の表面物性に興味を持ちました。試料は、六田研究室に未研磨の単結晶LaB6(111)がありましたので、学部4年の渡邉さんがLEED の電圧-強度(I-V)測定に耐えうる面出し作業を実施しました。研磨作業は、都合、60時間(延べ日数は約20日)にも及び、これらの作業は名城で行いました。こちらで可能な表面平坦性の検証を済ませた後に、派遣先に宅配便にて送付し、九州大学にて超高真空槽内での清浄化処理を事前に始めていただきました。9月4日15:00に九州大学に到着し、早速、水野教授、学部生の野口さんにご指導いただきながら、真空中1350℃の最終清浄化処理をして頂き、LEED実験を実施しました。緑色蛍光スクリーンに、正六角形の電子回折斑点を確認した後、回折点の輝度を視認しながら、サンプルに電子線に垂直入射するよう調整を行いました。この調整は私が使用しているLV-SEMの電子線調節機構、つまり、電子線を微調整し、理想的な位置を目指すことに類似していると感じました。論文や教科書でしか見たことの無い低速電子線回折像を生で目にすることができ、心が躍ったことを覚えています。2日目と3日目は、真空中1350℃加熱からのLEED観察・回折斑点強度-電圧(IV)特性を繰り返し、測定させて頂きました。4日目、IV特性のデータの再現性を確かめ、先方の方々と今後の解析の進め方等について打ち合わせを行いました。

■写真①:
九州大学筑紫キャンパスに到着したときの写真です。キャンパスは広大で、少し道に迷いながらも、なんとか研究室に到着することが出来ました。

■写真②:
試料は、研究室の試料保管庫に、未研磨の状態でころりと転がっていたものを使用。先生の話では、当時の無機質材料研究所で育成された世界一良質な単結晶とのこと。お金では手に入らないレベルの結晶。そんな高価な試料をジョリジョリと研磨粉で磨いて、表面を出します。結構、手荒な作業で、これで表面を準備して、原子レベルで構造を調べるとは、、、、九大の共同研究の先生方も驚かれていました。

写真①:九州大学筑紫キャンパス

写真②:試料

■写真③:
九大・水野研究室の極高真空LEED IV測定装置。ステンレス製の真空容器に高性能真空ポンプがいくつも取り付けられています。設計から組み立てまで全て自作の装置。電子ビームスポットを自動で追尾する計測システムも全て自作で作っています。名城で所属した研究室でも装置は全て自作です。この分野の人は、ほぼ何でも作っちゃうらしい。私も、自分の実験に必要な超高真空用の液体窒素タンクを設計し、自作しました。工作会社の情報交換はマストです。

■写真④:
実験風景。真ん中に座っているのが、今回、水野研で実験のお世話になった野口さん(4回生)です。ひたすら加熱で試料面を清浄化し、LEEDのIV測定を繰り返して頂きました。2日目からは液体窒素を補充する役を任じられ、装置に触れることができました。詳しいことは分りませんでしたが、位置調整の概要を理解しました。再現あるデータを計測するために、試料位置と電子ビームの入射アライメント条件を調整し、データを収束させていました。お陰様で、論文化に耐えうる再現性が保障されたデータを獲ることができました。

写真③:極高真空LEED IV測定装置

写真⑤: 九州大学の同期と交流しました。研究以外にも就活のことや学生生活について話しました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
・MS-26の援助を頂き、九州大学水野研究室にて六硼化ランタン(LaB6)(111)面の低速電子回折を行いました。低速電子線を用いることにより、サンプルの損傷を軽減するのみならず、表面の微細な構造を定量的に理解することが可能となることを学びました。今後、学部生の渡邉さんが今回の結果を表面科学会支部学生講演退会にて発表予定です。また、他大学の学生との交流を通して、新たな人間関係をつくることができました。本派遣を通して、普段の学生生活では体験できないことを数多く経験させていただきました。ありがとうございます。

・本派遣では、九州大学水野研究室で六硼化ランタン(111)表面のLEED IV測定を実施しました。これから、シミュレーションを通して、わずかな表面緩和を定量的に明らかにします。現在は、今回の結果を表面科学会支部学生講演大会で発表するべく、基礎知識を学んでいます。3年生までは表面物性など考えたこともなかったですが、表面構造は固体表面の安定性をつかさどり、腐食性・化学的性質に密に関係します。企業への就職が決まっていますが、今回の支援で、好きな化学の研究を体験させて頂き、とても満足です。研究でも、仕事でも、人と人のつながりは最も大事な要素のひとつです。今回、未知の人たちと楽しく実験し成果を得たことはとても自信になりました。ありがとうございます。

SPring-8への派遣

2017/12/26

■派遣先:SPring-8
■実施日:2017年12月4~7日
■実施内容:
大型放射光施設SPring-8のビームラインを用いてAl(1-x)In(x)N中のAl原子の占有位置について調査した。手法としては解析ソフトAthenaおよびArtemisを用いたXAFS法によって動径分布関数を導出し、占有位置について調査した。

■写真①:サンプルにX線を照射して電子収量および蛍光でデータを取っている様子。どのエネルギー帯の分解能高くし、積算時間を増やすかなどといった効率的な実験方法を学ぶことができました。

■写真②:本実験で用いた測定系の様子。サセプタに貼り付けたサンプルに対してX線を入射し、蛍光と電子収量の2つの検出器で結果を観察しました。X線回折実験よりは極小の調整は必要なく、比較的容易に実験が可能でした。

写真①:サンプルにX線を照射して電子収量および蛍光でデータを取っている様子

写真②:本実験で用いた測定系の様子

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣では、実験におけるチームワークの重要性を学ぶことができました。ビームラインの使用時間には制限があり、一度の測定に関しても多くの時間を必要としました。そこでより時間を有効活用するために分担作業が可能な工程では各自が準備等を行い、実験条件やデータの解釈に関してはみんなで意見を出し合い、より良い実験が行えるように努力しました。このような体験は今後、非常に役立つと思います。

東京工業大学への派遣

2018/01/23

■派遣先:東京工業大学
■実施日:2018年1月15~17日
■実施内容:
名城大学であらかじめ真空蒸着法によりTiO2超微粒子を作製し、これを派遣先にあるR005(球面収差補正電子顕微鏡)を使用して高分解能で試料観察をする。前回はTiの膜厚が大きかったため孤立粒子の観察ができなかったので、今回は膜厚量を約1.5Åとした試料の観察を行った。

■写真①:今回、高分解能TEM観察に使用した球面収差補正電子顕微鏡(R005)に挿入する強化2軸ホルダーの写真です。ホルダーの先端に試料を入れる所があり、セットしている場面です。試料が確実に固定されないと観察に影響があるので正確に行いました。

■写真②:R005で試料を観察している写真です。一般的なTEMの分解能が2Åに対して、R005は1Åという高分解能なTEMです。高さ、電圧軸を調節し、非点収差補正を行いました。非点収差補正は写真にあるパソコンの画面を見ながら行いました。

■写真③:非点収差補正を行ったパソコンの画面です。電圧軸まで正確に調節したあと、カーボン膜上でFFTを取りながら、アンダーフォーカス、オーバーフォーカスでFFTが円になるように調整しました。そして、パソコンの画面でさらに細かく機械的に調整して収差を補正しました。これにより、像がはっきり観察できました。

■写真④:R005で撮影したTEM像です。(倍率:×400k、電流密度:30pA/cm2)TiO2超微粒子の高分解能の観察を行いました。今回はTiの平均膜厚量を減らしたものを観察しました。ルチル単結晶基板と、蒸着したTiO2超微粒子の境が見える写真が撮れました。格子縞を縦横はっきり見えました。

写真③:非点収差補正を行ったパソコンの画面

写真④:R005で撮影したTEM像

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣を通して、真空蒸着法により作製したTiO2超微粒子の格子縞を観察できました。Tiの平均膜厚量を減らした(5Åから1.5Å)ことからルチル単結晶とTiO2超微粒子の境界を見ることができました。今回撮影したTEM像をフーリエ変換することで逆格子点から面方位や、どのように基板とくっついているかなど解析を進めたいと思います。

立命館大学への派遣

2018/02/22

■派遣先:立命館大学
■実施日:2018年2月6~8日
■実施内容:
立命館大学の荒木・毛利研究室を訪問し、透過電子顕微鏡(TEM)観察を行った。1日目から2日目の前半にかけてはTEM観察用の試料作製を行い、2日目後半から3日目にかけてはTEM観察及び撮影した写真の現像を行った。

■写真①:透過電子顕微鏡観察用の試料作製の様子。試料作製には収束イオンビーム(FIB)装置を使用しました。荒木研究室の学生の方に装置の使い方を教わりながら、持ち込んだ試料を加工して、観察用試料の作製を行いました。名城大学でもほとんど同じ装置を使用していましたが、加工工程が異なるため、勉強になる点が多くありました。

■写真②:今回使用した電子顕微鏡。荒木研究室の学生の方から装置の原理や使用方法を丁寧に教えて頂きました。実際に自分で操作させて頂き、フォーカスの合わせ方やきれいな像を得るための工夫のの仕方を学びました。

写真①:透過電子顕微鏡観察用の試料作製の様子

写真②:今回使用した電子顕微鏡


■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣では立命館大学の荒木・毛利研究室に行き、透過電子顕微鏡(TEM)観察及び観察用試料作製を行いました。TEMは半導体結晶の品質を評価する上で非常に強力な手法ですが、扱うのが難しく、データの解釈にも経験を必要とします。今回、自分が持ち込んだ試料をTEM観察を行い、得られた写真を荒木先生や研究室の学生の方に見て頂き、像の解釈の仕方や間所を教えて頂きました。本派遣では、今後自分が名城大学でTEM観察を行う上で非常に役に立つ貴重な経験をすることが出来ました。

九州大学への派遣

2018/03/16

■派遣先:九州大学
■実施日:2018年3月8日~14日
■実施内容:
以前に九州大学水野研究室で行われたLEEDによるLaB6(110)表面のI-V測定の結果を用い、シミュレーションによる構造解析を行った。また、LEEDの測定について説明を受け、測定と解析の結果から測定値の信頼性について議論した。

■写真①:LaB6(110)の測定に用いたLEED装置について説明を受けた。訪問中は実験を行っていなかったので、LEED機構を知るにとどまった。

■写真②:LEED測定で得た回折パターンを見た。等価な回折スポットに対して、I-V特性が一致していることを確認した。

写真①:LEED装置

写真②:LEED測定

■写真③:LaB6(110)の表面構造について、論文や過去の(100)や(111)の構造解析結果を参考にしながらモデルを考え、シミュレーションを走らせた。訪問中にシミュレーションしたモデルは約60程度である。

■写真④:シミュレーションに用いた構造モデルが正しいかどうかの確認を行った。シミュレーションが走らない原因を考える際に役立った。

写真③:シミュレーション

写真④:構造モデルの確認

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣ではLaB6の表面構造解析の方法を習得し、同様の方法で今後も最適な構造モデルの検討を続けていく。また訪問先の研究室でのゼミに参加させていただき、留学生を含めた訪問先の研究室の学生と交流した。コミュニケーションをとるには英語は必須であることを実感したので、今後はコミュニケーションをとることを念頭に英語の勉強に励みたい。

平成28年度 プログラム実施後のアンケート調査

2018/03/31

MS-26で行った「学生に他研究機関での実験等を体験させることにより、コミュニケーション力を養成」のプログラムを実施した(Do)学生に対してアンケートを実施し、当初予定したPlanが妥当かということをCheckした。結果として満足度は95%を超えており、自由意見を読むと引き続き学生を中心に実施していくことが良いと思われることが確認できた(A)。平成29年度は平成27年度・平成28年度に実施した内容を基に学科の教育改善WGを中心に次のPlanをたて、現在学生を中心に案を作成中である。

派遣先:
・半田工業高校 ・埼玉大学 ・大阪大学 ・三重大学 ・立命館大学 ・京都大学 ・早稲田大学
・レーザーEXPO ・Sring-8 ・同志社琵琶湖リトリートセンター ・ソニー厚木テクノロジーセンター
派遣は満足できましたか?
大いに満足した 25人
満足できた 13人
普通 2人
少し不満である 0人
大いに不満である 0人
自分の将来に役に立つと考えるか?
大いに役立つ 23人
役立つ 16人
普通 1人
あまり役に立たない 0人
全く役に立たない 0人
また派遣を希望するか?
積極的に希望する 24人
希望する 13人
わからない 2人
おそらく希望しない 1人
絶対に希望しない 0人


代表的な自由意見:

  • MS-26では派遣回数に制限がないため、前年度に引き続き貴重な経験を得ることができた。前年度に比べ専門的な知識も増え、将来に対する考えも具体化しているため今回はより自分の将来の役に立つ派遣になった。(渡邉)
  • MS-26を利用したことで自発的に“学びのコミュニティ”に参加することができた。今後もMS-26を利用してコミュニティの輪を広げていきたいと考えている。(清水)
  • 大学の講義では触れていない内容であり、自分の今後に役立ちそうな感覚を得ることができた。今後このような自分の興味が湧きそうなプログラムがあれば積極的に参加し、色んなものを経験し吸収したい。(佐野)
  • 派遣先の選定の自由度が高く、とても良い制度だと思う。他の研究機関の現場を体験することができた。機会があれば積極的に利用したい。(浅井)
  • MS-26を利用して3度も学びのコミュニティを創ることができた。こういった機会が普通はないからとても嬉しい。また機会があれば申請したい。(山路)
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ