大学概要【2025年度実施分】多様性への認識・理解促進のための取り組み
経営学部
本事業は、多様性とその包摂(ダイバーシティ&インクルージョン)への認識と理解を深め、それらの推進に積極的・主体的に関わることのできる学生の育成を目的にしています。具体的には、多様性に関する理解を深めるための各種講演会、ダイバーシティ&インクルージョンに意欲的に取り組む企業、あるいは地域共生社会実現に向けた先進的な取り組みを実施している地域、多様な背景を有する学生の受入れや就学支援を積極的に進めている教育機関等への訪問・聞き取り調査を実施します。そのうえで、名城大学における多様化とその尊重、包摂をどのように進展・拡充していくべきなのかを考えていきます。
ACTIVITY
連続セミナー 第1回/多様な働き方、多様な職場を考える
「ともに働く、生きる、学ぶ〜労働法をつかいこなそう」
2025/06/18
多様な職場のあり方、多様化する働き方について知り、労働法の観点から自分の働き方について考えることを目的としたセミナーを実施した。講師には、労働法およびジェンダーの専門家で、NPO法人参画プラネット代表理事を務める渋谷典子氏を招き、有償労働のしくみや、さまざまな働き方の形態、また、実際に働く上で知っておくべき基本的な法律のいくつかを、具体例を交えて解説していただいた。参加者は約50名で、経営学部学生のほか法学部の学生も参加した。学生が身近な事として考えられるよう、アルバイトの例やハラスメント対策、育児休業などのトピックも交えた解説は学生にも理解しやすかったようで、実施後のアンケートでは、ほぼ全員が職場における多様性や働き方の多様性についての理解が深まったと回答している。記述式の回答には、自分の労働経験だけにとどまらず、定年年齢の引き上げや少子高齢化という変化する社会情勢に結びつけて考えたコメントもみられた。
英語と異文化コミュニケーション強化する6 日間
2025/09/26
本事業は、2025年9月1日から6日までの6日間、静岡県のランゲッジ・ヴィレッジにて開催されました。名城大学経営学部の学生を対象に、英語のみの環境で英語力と異文化コミュニケーション能力を磨き、多様性への理解を深めることを目的としました。
本英語合宿は、参加学生にとって英語を「教科」ではなく「生活の道具」ととらえる意識改革の貴重な機会となりました。学生たちは、この6日間で英語力の向上に加え、多様な価値観や文化に触れることで、ものの見方を広げることができました。英語学習においては、授業で学んだ表現が実際の会話では通じない場面を経験し、身振り手振りで補うなどの工夫を学びました。常に英語だけで生活する環境に身を置くことで、自然と英語で考える力が身につき、リスニング能力も向上しました。
また、多様性や異文化理解についても多くの学びがありました。参加学生は、異なる価値観を持つ人々との交流を通して、相手を理解しようと努めることが信頼関係の構築につながることを実感しました。他国の先生と食文化や生活について語り合うことは、異文化を肌で感じる良い機会となり、自分自身の固定観念や先入観にとらわれない柔軟な考え方を身につけるきっかけとなりました。
この事業を通して、学生たちは実践的な英語力だけでなく、多様なバックグラウンドを持つ人々とのコミュニケーションの楽しさや、異文化を尊重する重要性を学びました。
連続セミナー 第2回/「愛知県の多文化コミュニケーション最前線:日本語教育の現場のこれまでとこれから」
2025/12/01
愛知県は全国でも外国籍住民の割合が非常に高いにもかかわらず、生活支援体制は十分とはいえず、共生社会の実現には依然として多くの課題がある。そこで、地域の日本語教室という異文化交流の場を入り口に現実を知り、日本社会の課題として学生とともに考える機会を設けた。講師には、県内で共生社会づくりに取り組む重原厚子氏(NPO法人愛知夜間中学を語る会)、マリアム戸谷玲子氏(日本語教室主宰)、伊東浄江氏(NPO法人トルシーダ)を迎えた。参加学生は他学部を含め約50名で、アンケート回答者44名のうち8割以上が「日本語教育や多様性への理解が深まった」と回答した。講義では、夜間中学の取り組み、イスラム教のハラール子ども食堂や女性就労支援、外国にルーツを持つ子どもが多く暮らす保見団地の実践などが紹介され、学生の理解を後押しした。「ボランティアに参加したくなった」「寄り添う姿勢に感銘を受けた」といった声も寄せられ、外国人をめぐる課題が語られる今日、一人の人間として向き合う重要性を再認識する機会となった。






