大学概要【2025年度実施分】行動変容を促すための学外活動を活用した学修プログラム
薬学部
薬学分野を選択してきた学生にとって、医薬品の研究というワードは、学生誰しもが憧れを持つ言葉ではないか。しかし、大学生活を過ごす中、実用的な研究開発や基礎研究との大きな隔たりを感じ、現在の自分とは結びつかない感覚を持つようである。このような感覚を払拭するためには、実用的な研究現場の研究者から、直接、話を聞く機会や交流を持つ機会を作ることで、薬学の知識や基礎研究の重要性の裏付けが得られ、普段の行動がより積極的な取り組みに変わることが期待される。本プログラムでは、その経験の一端を担う意味で創薬人育成スクールや学会参加・発表などのプログラムを通して、自らの可能性を信じ、挑戦する気持ちを養ってもらい、主体的に行動が出来る人材の育成を目指すものです。
ACTIVITY
医薬品製造と薬学部・薬剤師
2025/07/30
今年度、本学での創薬人育成スクールビギナーコースを兼ねて、名城大学薬学部4年生を対象に令和7年7月3日(木)に学びのコミュニティ事業講演会を開催した。本学の4年生は、4年次に医薬品化学を必須科目としており、高血圧、糖尿病、感染症などの疾患に対する医薬品の構造と治療の関係を作用機序から学び、その一貫として創薬関連の講演会を実施しているが、実際の医薬品製造やその上での薬剤師の役割などについては、ほとんど知る機会がない状況である。そこで今回の学びのコミュニティの講師として(株)パーマケム・アジア 北畠道和博士を招き、「医薬品製造と薬学部・薬剤師」を講演テーマに講演を行っていただいた。パーマケム・アジアでは、一般防腐剤や殺菌剤などのほか、ジェネリック医薬品の原薬製造を行っており、学生に取ってはあまりなじみのない分野である。しかしその業務としては、医薬品原薬の合成法の開発、原薬の不純物の分析・解析をはじめとする医薬品製造にかかる業務だけでなく、様々な製造に関する申請業務が存在していることが説明された。そのすべてにおいて、薬学の知識が必要不可欠であり、また申請だけでなく、製造に関する管理者として、薬剤師が望ましいことが示された。学生に取っては、初めての内容で新鮮であったのか、興味深く講演を聴いていた。
講演後には、いくつか質問を受けつけたが、時間の関係から、あまり多くの質問が受けられなかったこともあり、学生へのアンケートを取った。そのアンケートからも、学生達にとってジェネリック医薬品の開発内容は、新鮮であったように受け取れる。本学は、私立大学であることから、学生達はどちらかというと薬剤師として勤務することが目的となっているが、今後も創薬人育成事業や創薬に関する様々な分野の講師の話を聞く機会を増やすことで、将来に向け学生達の行動や考え方に変化が生まれることを期待している。