大学概要【2026年度実施分】災害医療・福祉の共通教材を活用した4大学協働による多職種連携教育の実践

薬学部

災害医療・福祉の共通教材を活用した4大学協働による多職種連携教育の実践
実施責任者:亀井 浩行

学生が主体となって、地域の医療・福祉系大学との連携による大規模なプロジェクトベースの教育プログラムを実践します。本取り組みでは、多種の学部・学科の医療系・福祉系学生が垣根を越え、グループワークを介して「学びのコミュニティ」を構築することを目的としています。質の高いグループワークをより円滑に行うためには、災害時における医療・福祉や患者中心の各々の専門職の役割を理解しやすく、災害医療・福祉で抱えている課題の基盤となる情報を容易に各学科が共有できる教材を構築し、これを実践的に活用する必要があります。今回は、災害時における医療・福祉の役割を理解しやすい、患者を中心とした討論資材・教材等を構築します。

ACTIVITY

藤田医科大学での4大学協働による多職種連携教育: 第1日目が開催されました!

2026/06/10

多職種連携教育の第1日目が6月3日(水)に豊明市の藤田医科大学にて行われました。本学からは薬学4年生が4年次科目である「薬物治療マネジメント」の講義の一環として、7台の貸し切りバスに分乗して藤田医科大学のキャンパスに向かいました。台風の影響が心配されましたが、当日の警報が解除されたことから、無事実施されました。参加学生は全体としては台風の影響があっため、欠席者も散見されましたが、1,000名近い学生が参加することができました。参加大学・学科は、藤田医科大学医学部3年生、医療科学部(医療検査学科・放射線学科)3年生、保健衛生学部(看護学科、リハビリテーション学科)3年生、日本福祉大学社会福祉学部3年生、愛知学院大学歯学部3年生、健康栄養学科4年生、名城大学薬学部4年生263名でした。169チーム(1チーム6名の混成チーム)に分かれて9教室で行う国際的にも類のない大規模な多職種連携教育のプログラムとなりました。主催者である藤田医科大学の教職員の皆様方におかれましては多大なご尽力に深謝申し上げます。本学の教職員も21名が本プログラムの準備・運営に携わりました。バス到着後、各教室に分かれ、薬学生はそれぞれ1または2名が多職種の混成チーム(6名で1チーム)に加わりました。最初に各自予習してきた内容の確認課題を解き(iRAT)、アイスブレイクを挟んで、確認課題をチームで解く作業(tRAT)を行いました(TBL:チーム基盤型学習)。その後、各チームで1日目の応用課題に取り組みました。今回は、標題の災害医療・福祉に係る事例ではなく、患者のQOL(生活の質)を主テーマとして取り組み、1日目は「シナリオ事例(糖尿病性腎症)の情報を見える化してみよう」をテーマとして、事例の症状だけでなく、当事者の考え、不安、期待などを含めて捉えられているか?どんな職種の視点が必要か?をチーム内で意見交換しながら、KJ法でまとめ、その後、数チームの代表者が発表しました。参加した薬学生からは、「他学部の学生さんと関わる機会がなく、他の職種の考え方や意見に触れられて新鮮だった。」「多職種連について知る良い機会になった。」などの感想が聞かれ、次回に向けた意欲的な意見が多く聞かれました。次回(第2日目)は、応用課題「シナリオ事例の心情や治療選択肢」まで踏み込んで各チームが討論・発表を行います。

薬学生がアイスブレイクで自己紹介をしている様子

薬学生がチーム内で積極的に意見を交わしている様子

藤田医科大学での4大学協働による多職種連携教育の第2日目が開催されました!

2026/07/10

多職種連携教育の第2日目は、6月12日(金)に行われました。最初に各自予習してきた医療・福祉専門職に関する確認課題を解き(iRAT)、その後、個人で回答した確認課題をチームで解く作業(tRAT)を行いました(TBL:チーム基盤型学習)。その後、各チームで、想定された症例に関する課題に取り組みました。課題症例は「腎移植や透析を直近の問題として考えなければいけない、糖尿病性腎症の男性」であり、患者のどう生きたいかという願いに思いをめぐらせ、患者の願いにどう寄り添うかを考えることが課題でした。最初にその症例のシナリオから作製された動画を視聴した後、個人で、チーム内で課題症例の心情を中心に、家族の心情についても意見を共有しました。最後に各教室でチーム内で決めた意見を発表し、質疑応答を行いました。さらに、課題症例の治療選択において、移植か透析のそれぞれのメリット、デメリットについて議論を深め、チーム間で意見交換を行いました。参加した薬学生からは、「多職種がそれぞれの視点から症例を捉え、状況整理や治療方針について議論することで、より多角的に患者さんを理解する重要性を実感しました。」、「自分が普段関わることのない他大学の他職種の方達とそれぞれの立場からの意見交換を行うことで、自分自身の役割や薬剤師としての役割や立場をとても自覚することができ刺激的でした。」などの感想が聞かれました。次回(第3日目)は、本日の議論から、情報収集し、「課題症例の治療選択について」さらに討論を行います。

薬学生が症例の課題・支援についてチーム内で積極的に意見を出し合っている様子

薬学生が症例の課題・支援について積極的、他チームとの間で討論している様子

藤田医科大学での4大学協働による多職種連携教育の第3日目(最終日)が開催されました!

2026/07/10

多職種連携教育の第3日目(最終日)は、6月19日(金)に行われました。最終日は応用課題として、課題症例について、腎移植か透析かの治療選択について2日目の討論からさらに検討を行いました。さらに、課題症例とその家族、周囲の人たちに自分(自職種)は何ができるか、を考える」課題について、意見交換・討議を行いました。
グループ討議で、薬学生からは、「他職種の学生(歯科医師、看護師、理学療法士、放射線技師、管理栄養士)から、それぞれ透析前後での口腔環境の改善と保持、感染予防と全身状態の観察、運動耐容能の向上とサルコペニア・フレイルの予防、画像による透析の安全管理と異常の早期発見、患者に適した栄養管理といった視点から患者の治療に関ることができることを知った。」との意見が聞かれた。さらに、自職種では何ができるかについては、「課題症例は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など様々な症状が生じていたため適切な薬剤処方を行うことで、より症状を改善することができる。また、本症例ではアドヒアランスが不良であるため、適切な改善指導を行うことで、より効果的な薬物治療を行えるように指導する。」といった意見も聞かれた。最後に、各チーム内で感想を述べ合い、プログラムを終了しました。3日間の活動を終えて、参加した薬学生からは、「今回、様々な医療系を学ぶ学生と関わることができてよかった。実際の臨床現場に出る前に関わることができたことは、他の職種の職務内容や患者への接し方に対する理解にもつながった。」、「多くの職種の学生と一人の患者についての治療方法について話し合うことができ、大変貴重な経験となった。また、自身の職種がチーム連携において何をするべきなのか改めて知るとともに、薬剤師の職種の重要性を再認識することができた。」などの感想が聞かれ、本プログラムの教育目標に沿った成果が得られていることが確認できました。
今回、総勢1,000名以上の学生が169チームに分かれ、今後の日本の最重要課題のひとつである患者のQOL(生活の質)を主テーマとして取り組みました。本プログラムの学生目標として掲げられた、「患者・家族・コミュニティの課題に焦点を当て、共通の目標を設定できる。」、「他職種の役割を理解するとともにチームで協力して課題に取り組み、最適解を提案することができる。」ことが達成できたものと思われます。各医療・福祉の分野の学生たちがいろいろな視点から意見を出し合い、非常に有益な成果をあげることができたと強く感じました。また、今回、本学からは21名の教職員が本プログラムの運営に携わり、教職員間の単なる交流ではなく、共に創り上げる教育をお互いの立場で学ぶことができ、教職員にとっても非常に有意義な3日間となりました。
今後、今回参加した医療・福祉系の専門分野の学生たちがそれぞれの専門職に就いた時、この学科の枠を超えたチームが協働して医療に貢献されることを切望します。最後になりましたが、今回、名城大学から藤田医科大学での多職種連携教育(アセンブリⅢ)に参加できましたこと、また、このような機会を与えていただきました大槻アセンブリセンター長、中村副センター長をはじめ多大なご尽力いただきました藤田医科大学の教職員の皆様方に心より感謝申し上げたいと思います。

薬学生が課題症例の支援について検討している様子①

薬学生が課題症例の支援について発表している様子②

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