研究・産官学連携研究代表者メッセージ

研究代表者 近藤 敦

研究代表者 法学部教授 近藤 敦

 ダイバーシティ・リサーチ・センターは、「ダイバーシティ法学」の聖地といえる。ダイバーシティ法学とは、国籍や民族、性別や性的指向、年齢や障害の有無などの異なる人々が、互いのちがいを認め、対等な関係を築こうとしながら、共に生きていくダイバーシティ社会を築くために不可欠な法制度のあり方を検討する学問研究を意味する。本研究は、日本と諸外国における国、自治体、企業のダイバーシティ政策の異同を比較分析し、外国人、民族的少数者、女性、性的少数者、障害者および高齢者の権利保障と社会参加のあり方を具体的に検討する。

 本研究を通じて、日本の法制度の国際比較に見る課題とそれへの処方箋を見出すことが期待される。研究代表者は、法務省の全国調査、総務省・愛知県・名古屋市・可児市・安城市・春日井市・田原市・小牧市・西尾市の多文化共生推進プランの策定に参加し、実際の国や自治体の施策のあり方を検討している。自治体の条例やプラン、国の差別禁止法など、本研究の成果を実際の政策や法制度に活かすことをめざしている。また、これまで、Migrant Integration Policy Index、Global Citizenshipなどの国際的な比較研究に参加しながら、日本の法制度の特徴を国際的に発信してきた。

 ダイバーシティ・リサーチ・センターの研究は、研究代表者や研究分担者が取り組んできた研究を発展させるものである。本研究は、より広い視野から、女性、性的少数者、障害者、高齢者の社会参加の問題との異同を考察しながら、具体的な差別禁止法およびダイバーシティ社会の実現に向けた法制度のあり方を検討する。憲法学、労働法学、国際人権法学に限らず、移民政策学、多文化共生学、障害法学、ジェンダー法学などを踏まえた最先端の学際的研究によるこうした幅広いダイバーシティの多角的な研究は、国内外においてない。とりわけ、伝統的に多様性の乏しい日本にあっては、今後のダイバーシティ社会の形成に向けて本研究センターの裨益するところは大きいものと思われる。