大学概要【2018年度実施分】低学年からプロフェッショナリズムを涵養する他施設協働による参加型多職種連携教育(IPE)の実践

薬学部

低学年からプロフェッショナリズムを涵養する他施設協働による参加型多職種連携教育(IPE)の実践
実施責任者:半谷 眞七子

本プログラムでは、チーム医療で活躍できる薬剤師の育成を目指し、1年次から体系的かつ、段階的に目標を設定して、薬学生が多職種の学生と共に「チーム医療」を学びます。すなわち体験学習を通して多職種の役割を理解しながら、お互いの専門知識や情報共有の仕方を習得します。今年度から開始する1年次の多職種連携教育(IPE)では、「医療」をテーマとした映画や動画を鑑賞後に、「病いの経験が持つ意味や患者への共感」について、医学生や看護学生とともに、医療人に求められる人間性や社会的責任について学習することを目標としています。

ACTIVITY

薬学部1年生全員が、名古屋大学医学部の学生と多職種連携教育に参加しました!

2018/11/06

10月10日(水)と17日(水)の2日間、本学薬学部1年生206名(10日139名、17日67名)は、本学部の多職種連携教育の一環として、医学部1年生107名との合同講義「医薬入門:地域医療」に参加しました。本講義は名古屋大学医学部(鶴舞キャンパス)で行われ、地域医療の中で医療人としての倫理観を涵養するための科目として位置づけられています。
 学生は9~10名(内、薬学生は4~6名)のグループとなって、グループワーク用の教室に分かれました。スケジュール、導入講義や最初にコミュニケーションがとりやすい雰囲気をつくるためのボードゲームiPEGの説明などは、iPadを用いて各教室にて動画で行いました(写真1)。iPEGは、スコットランドで開発された多職種を理解するためのゲームです。引いたカードに記載されている「○○する職種は?」とか、「医療をテーマとしたアニメは?」などの質問をグループで相談し合って回答できた数を点数化して、グループで対抗します。医療に関わる職種とその役割を十分に理解していない1年生にとって、ずいぶん手こずっていましたが、医学生と和気あいあいと楽しく進めていました(写真2)。
 ボードゲーム後、cinemeducation〔cinema(映画)+medical(医療)+education(教育)〕として、吉永小百合さんが薬剤師役を演じた終末期医療をテーマとした「おとうと」の映画を全員で鑑賞しました。これは、映画鑑賞から感じたことを討論する医学教育として使用されています。お昼休憩を挟んで、「地域における医療者のありかた」をテーマとして、KJ法を用いてグループで話し合いました(写真3)。KJ 法は、文殊カード(1枚の紙が3列に区切れるカード)に思いついたことを記載し、それをグループ化していくことで、考えをまとめ上げていく手法のことです。選定されたグループはプロダクトについて発表しました。「終末期医療の在り方」「病いが人生に与える影響」などについて分かりやすくまとめらており、医薬連携した素晴らしい発表でした(写真4)。
 事後アンケートからは、「チーム医療の必要性」「協働する必要性」の価値観を涵養できたという回答が多数あり、「他職種との連携によるチーム医療の実践の重要性」が理解できたものと思われます。一方で、「薬剤師としての専門的視点からの意見は出せなかった」という回答も多数ありました。本学部では段階的にIPEを実施しているので、専門的な知識を習得し、専門的な視点で連携できるようになることを期待したいと思います。

薬学部1年生全員が、藤田医科大学の学生と多職種連携教育に参加しました!

2018/11/07

 本年10月17日に藤田医科大学(10月10日付で藤田保健衛生大学から改名しました)にて、本学薬学部1年生63名が本学の多職種連携教育の一環として、医学部1年生120名との合同講義「プロフェッショナリズムⅠ」に参加しました。本講義は医療人としての倫理観を涵養するための科目として位置づけられています。学生は2つの教室に分かれ、1グループ5-6名(内薬学生は2名)、計32班で行いました。講義は、最初にアイスブレークとして、グループ対抗の輪っかゲームを行いました。その後、2つの症例ビデオを視聴し、グループ討議後、発表を行いました。
 グループ討議では症例の問題を整理するために4分割表を用い、1.医学的適応、2.患者の意向、3.QOL(生活の質)、4.周囲の状況において、それぞれ分析、検討しました。学生たちは医学的な検討だけでなく、患者さん自身の利益やリスク、患者さんをとりまく家族や環境、医療制度や経済的な問題まで、積極的に話し合いながら、いろいろな視点で症例の問題点を抽出しました。本講義に参加した薬学生は、最初はとまどいながらも医学生とともに患者さんの倫理的な問題に取り組み、いろいろな気付きを得たことから、大変有意義な講義となりました。この1年生の経験が高学年での臨床現場における多職種連携教育に繋がることを期待しています。

医学生とともに輪っかゲームを楽しんでいる様子

臨床倫理的な問題について討議を行っている様子

グループで討議した内容をまとめている様子

薬学部5年生による模擬患者・家族参加型多職種連携教育が、名古屋大学医学部にて開催されました!

2019/01/29

2016年度から5年次の単位認定として実施しています2018年度InterProfessional Education(IPE:多職種連携教育)が、名古屋大学医学部附属病院中央診療棟4階コントロール室にて実施されています[全11回60名参加予定:5月18日(金)5名、5月25日(金)6名、6月15日(金)5名、6月29日(金)5名、7月27日(金)10名、8月31日(金)5名、9月14日(金)5名、10月26日(金)6名、11月30日(金) 6名、2月8日(金)7名(予定)]。
 昨年度に引き続き高齢化社会の医療をテーマとして、医学生・薬学生・看護学生がグループで、各職種の専門的視点からの議論と相互理解のもと、患者介護者にアプローチするという取組になっています。討論する症例は「糖尿病を併発している認知症の疑いの患者」であり、まさに現代社会で問題を取り上げました。参加する学生は、事前に名城IPEのホームページから症例や動画教材を用いて、症例に関連する各職種の基礎知識を自己学習します。終了後には患者の家庭での生活ビデオにて振り返りを行います。ポリクリIPEを通じて他の専門職の心理的障壁を理解した上で、①他職種の職能・役割や②知識・情報共有の重要性について習得します。

名城IPEのホームページ

グループでのアプローチ

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ