大学概要【2018年度実施分】地域企業と連携(魅力施設の構想・提案)

理工学部

地域企業と連携(魅力施設の構想・提案)
実施責任者:生田 京子

本プログラムは地域的組織とともに新しい価値を持った魅力的な施設を構想するもので、状況に応じて調査研究やワークショップ、提案の製作などを実施する。2018年度も2017年に引き続き、愛知県新城市門谷において構想・提案を行う。「新城市門谷のこども塾」は、複数の団体が集まり、こどもが自然に触れ合う経験をする場所として、旧黒谷家住宅とそれを取り巻く自然環境を活用して運営されてきた。対象地は鳳来寺参道の街並みを形成する重要なエリアでもあり、宮大工の技術指導を受けながら、学生ワークショップ形式による空間構成を継続的に行っていく。

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ACTIVITY

忌門と蔵の修復に向けて定例会議

2018/08/06

旧黒谷家住宅は、鳳来寺参道の街並みを形成する重要な建物でもあり、現在は「こども塾」の場として利用されています。その建物群を地域の方々と協働して保存修理し活用することで、地域活性化に繋げます。文化財調査では「忌門」と「蔵」が中でも貴重な文化財と診断されたため、本年はその保存に向けて修復・再生に取り掛かかります。昨年より毎月関連団体が集まる定例会議に参加して、実現にむけて教育家・宮大工など多様な関係者とのやりとりを行っています。

5月には、修復対象の蔵について、内部の調査を行いました。今後の修復作業や活用のスケジュールを話し合っています。

蔵の実測

旧黒谷住宅にて、定例会を行う。こども塾主催者の中島氏を含め名城大学生田研究室・豊橋技科大学・名古屋工業大学学生とともに議論。

名城大から蔵の内部活用案を説明。

蔵内部の調査の様子。構法や破損状態を確認。

蔵の実測と構法確認

2018/08/20

「蔵」の修復・再生に向けて、内部の片付けを行いながら、実測、構法確認を行いました。地下が終わり、一階が半分ほど終わりました。二階への着手と、解体してから捨てるものへの着手が残っています。定例会では宮大工の望月氏と、今後の作業(蔵の修繕、門の復元)にかかる日数を相談させていただきました。具体的なスケジュールの詰めなども学生が中心に多様な関係者とのやりとりを行っています。

蔵の片付け

全貌が明らかになった蔵内部1階。ここをどのように活用して行くか、楽しみです。

全貌が明らかになった蔵内部1階。ここをどのように活用して行くか、楽しみです。

蔵内部2階

忌門の再建に使用する土壁を練る

2018/08/27

望月工務店にて、忌門の再建に使用する土壁の土を練る作業を行いました。当日は望月社長のご指導のもと、土壁の伝統的な造りを教えていただくことから始まり、混ぜ込んだ藁が土の中で発酵して細く柔らかくなる頃合いを調節することなどを学び、終始楽しく実習させていただきました。学生達は「未経験のことが多く、土を足で踏んだ感触や独特な匂いなどは大変貴重に感じた。」と感想を述べていました。自分たちで土を練ることで学ぶことも多く、知識でしか知らなかったことについて実際の体験を経て、より理解を深めることができた様子です。

土壁について説明を受ける。

土練りを体験

土練りを体験

土の中で発酵して藁がだんだん細く柔らかくなる

蔵の改修に向けた庇の解体

2018/10/23

9/16と9/17に蔵の改修に向けて、作業を行いました。後の時代に付加された庇が傾き、瓦が崩れ始めているので、手作業で瓦を下ろして解体しました。
初日は瓦下ろし、次に土を崩し、最後に杉皮を剥がすところまで進みました。瓦や土の重さを実感しながら、大変ではあるものの良いチームワークで進めました。
2日目は杉板の取り外しから行いました。新しい材と古い材が混在しており、修復の跡だと考えられます。次に、垂木の取り外しを行いました。次に垂木受け、軒桁の順に解体しました。最後に柱を手で抜きました。この二日間を通して、長年耐えられる構造を生み出した先人たちの知恵を理解できたことと思います。

瓦を外してみると、土の下地が出てくる。

杉皮の防水を剥がして行く。

垂木の取り外し。

庇が解体された後の蔵の外観。

蔵の改修に向けた鎧壁材料の加工

2018/10/31

10/27に蔵の鎧壁の作成に向けて、望月工務店で作業を行いました。
午前中から横板をひたすら切り続け、1面の壁を覆う壁の板をほぼ切り出し終わりました。
午後から、鎧張りをかけていく溝を、鉋で掘って行きました。学生は、鉋を持つのも初めての状態でしたが、緩やかなカーブを描く鎧張りの傾きに合わせて、丁寧に桟を掘る作業を行いました。掘り終わった溝を見て充実感を得た様子です。伝統的工法がプレカットなどの工場加工に置きかわる現代において、改めて手仕事のもつ豊かな表情を実感できた作業でした。

鎧張りの横板を切り出していく。

丁寧に桟を掘る加工を行う。

並んで加工を行う学生達。

出来てきた立桟。

蔵の外壁鎧張りの完成 もみじ祭りでのお披露目

2018/12/07

11/23に新城市で行われた「もみじ祭り」に合わせて、これまで製作を続けてきた蔵の外壁鎧張りが完成しました。
事前に工務店では、切断した木材に塗装をして乾かし、その後組み立てて行きました。工務店で組み立てたものが現地に運ばれ取り付けられ、とうとう蔵の壁面を修復するに至り、学生達も感無量であった様子です。本建物が鳳来寺参道沿いにあることから、「もみじ祭り」では多くの参拝客に修復の過程をパネル展示をして説明しました。

鎧張りの完成

完成した鎧張りに感無量

もみじ祭りでの展示パネル1

もみじ祭りでの展示パネル2

昨年のロープ作品が キッズデザイン賞 受賞 

2018/12/25

昨年、本MS26にて取り組んだ、ロープを使った遊具「わくわくロープ」がキッズデザイン賞を受賞いたしました。この活動は、仮設的な遊具を森に展開することで、失われつつある「身体的動作を鍛える遊び」の機会を創出しようとする提案です。
活動の様子: https://www.meijo-u.ac.jp/about/ms26/manabi/activity/No2017-20.html

子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門で受賞し、審査員から下記のコメントをいただきました。
「三次元の空間把握・運動能力やバランス感覚を養えるのが、ロープ遊具の長所である。子どもたちが手を加えられるアレンジロープの採用により、創造性を育みつつ、森の中というロケーションがさらにその感動を増幅させている。」(受賞サイトより引用: http://www.kidsdesignaward.jp/search/detail_180424

わくわくロープ全景

わくわくロープで遊ぶ子ども達

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