大学概要【2017年度実施分】地域のまちづくり活動に取り組む研究室への活動費補助・地域の地震時減災活動支援に関する活動費補助

理工学部

地域のまちづくり活動に取り組む研究室への活動費補助・地域の地震時減災活動支援に関する活動費補助
実施責任者:武藤 厚

自然災害に対する防災・減災活動に関する地域(自治体・ボランティア団体・学区・企業等)の関心が高まる中、本学の研究教育活動に寄せられる期待も年々高まりつつある。
H26年度までは建築学科関連教員を窓口にして対応していた種々の取組について、新たに学生の主体的な活動として、本学が主体となって地域の各種団体や企業との協働による教育プログラムを実施し発信することを目的とし、学生による自主的な活動も活発化させる。
具体的には、下記の取組について極力学生の主体的な取り組みとして実施する。
① 大地震時の室内の安全に関する検証実験と学外活動との連動
② 近年の繰り返し震度7の事例に関する(主として)文教施設の安全対策の分析と地域との連動
③ 地域での地震時の減災に関する開発企業との連携と学生教育の連動
④ 近隣の自治体や学校および学生の地震防災・減災に関する啓発活動と学生教育の連動

ACTIVITY

地域への啓発活動と社会貢献の観点からの活動

2018/01/24

防災・減災活動に関する地域の関心が高まる中、本学の研究教育活動に寄せられる期待も年々高まりつつある(自治体・ボランティア団体・学区・企業等)。10年ほど前より、3次元地震波震動台等の研究装置の実験切り替え時間を用い、ボランティア活動で地域の各種団体との協働による情報発信を実施して来た。本年度も継続して実施したが、その様子のみ示す(写真-1)。この活動は、内容を拡充して継続しており、学外への情報発信も進めて行きたい。

写真-1 窓直下型地震体験に関する活動の様子(兵庫県南部地震、熊本地震) (学生+NPO;あいち防災リーダー会)+関連学会(日本建築学会)+市民

次いで、本年度は、主として2016年・熊本地震後の今後の建築対応等に関して、近隣の団体等より3件の講演依頼があり、直結した情報を整理して啓発活動の一貫として対応した(岡崎市歴史的建造物マイスター養成講座(文化庁支援事業; 2017年12月9日、春日井市議会講演会; 2017年12月20日、愛知県建築士会講演会; 2018年2月4日)。
主な項目としては、研究開発の現状に加え、大震法(大規模地震対策特別措置法; 1978)の見直しで、変化した気象庁からの情報や、消防法改正の動き、2008年5月まで住宅で実施された火災報知器設置から約10年で取り組むべきことなどを説明した。

技術開発支援や教育活動の観点からの活動

2018/01/24

近年、様々な状況により耐震補強の実施が困難な戸建て住宅を対象とした「耐震シェルター」に関して多くのニーズがあるが、従来のものでは高コストで設置に伴う工事が煩雑・小型のタイプでは部屋全体を守れない・・などの声が寄せられていた。
 本年度は、企業のボランティア活動と学生研究のジョイントとして、高性能な耐震シェルターの開発を開始し(全体崩落に耐えられる高耐力+局所的な重量物落下にも対処可能)、多くの問合せが来ている。状況のみ写真を示す。

図-1 開発コンセプトイメージ

写真-1 メディアへの公開実験の様子

写真-2 学生グループによる実験実施の様子

写真-3 サンプル設置の状況(江南市内)

本件については複数の取材申し込みがあり、活動に関する社会の関心の高さが伝わった(日本経済新聞;2017年8月26日、中日新聞;2017年10月17日、ゆうがたサテライト2017年8月25日、キャッチ2017年8月25日)

文教施設の安全性や社会貢献の観点からの活動

2018/01/24

前述の熊本地震では住宅を始めとして大きな建物被害の発生に加えて、室内の各種の被害も大きく見受けられた。同県の高校内の教育施設の図書館にも書架の転倒・倒壊が多数発生し(写真-3)、研究室では依頼により分析と対策を実施中である。さて、前述の平成28年4月の熊本地震であるが、発生時刻は前震が14日21時26分(最大震度7・M6.5)、本震が16日01時25分(最大震度7・M7.3)と、前震・本震ともに利用時間外に発生した為、幸いに人的被害はなかったが、利用時間内の発生では書架の転倒等により負傷者が出ていた可能性も大きい。改めて書架等の地震対策の推進が望まれ、また、その手法については検証中である。

本プロジェクトの共同実施先; 熊本県高教研図書館部会事務局

写真-3 図書館の被害事例(2016年)

図-2 分析対象の施設(熊本市内)

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