大学概要【2019年度実施分】企業連携・教員のつながりを活用した短期派遣プログラム

理工学部

企業連携・教員のつながりを活用した短期派遣プログラム
実施責任者:六田 英治

学生の企業実習はインターン等のシステムが広く活用されているが、学生の多くは受動的な実習体験になることが多く社会人基礎力を養成するという観点から見ると不十分であることが多い。そこで、本学科では、2016年度からMS-26の事業として民間企業との共同研究を発展させる形で、学生の短期派遣プログラムを実施し、学生が能動的に学ぶ機会を整えてきた。本取り組みでは、これまで各研究室レベルで構築してきたリソースを活用し、それらの企業へ学生を派遣し様々な取り組みを実施させる。そして、主体を大学側が持つことによって、学生が能動的に取り組むことが可能になり、それによって学生の社会人基礎力を養うことを目的とする。これまでの取り組みとして、東芝、堀場エステック、SONY、日立工機など多くの企業との連携できるための下地は構築してきたことから、このネットワークの拡大を目指す。

ACTIVITY

ウシオセミコンダクターにおける共同研究を通じた半導体レーザプロセスの実施

2019/09/17

名城大学・理工学部・材料機能工学科の半導体工学研究室では、LEDに次ぐ次世代光デバイスとして半導体レーザの研究開発を進めています。特に企業レベルの半導体レーザのプロセスを用いた、低閾値電流で動作するデバイスの開発は極めて重要な課題です。本取り組みでは、研究室と共同研究を実施しているウシオオプトロニクスの関連会社であるウシオセミコンダクターに学生を派遣し、デバイスプロセス開発およびそのプロセスを用いた新しい発光デバイスの研究開発を行いました。
なお、実験中の風景は機密情報が多々あるため撮影は行っておりません。

ウシオセミコンダクターの会社の前で記念撮影 今回の派遣では2名の大学院生を派遣しました。

CEATECにおいて学生に企業が行っている研究開発の状況を調査させた

2019/10/23

あらゆる産業・業種による「CPS/IoT」と「共創」をテーマとした展示会であるCEATECに参加しました。本年度のCEATECは10月15日に幕張メッセで行われました。広い会場に様々な分野の企業のブースが展示されており、中には実際に最先端の技術を体験できるものもありました。実際の社会で使用されているような最先端の技術を自分の目で見て、体で体験することができ、学内での教科書やスライドを用いた講義だけでは得ることができない素晴らしい経験となりました。今回のCEATECで得られた経験を今後の卒業研究や将来の進路選択などに生かしていきたいです。

VRを用いたシューティングゲームを体験している様子。ゲームと同時に脳波が測定できるようになっており、集中すると後ろの画面の立方体の色が変わるそうです。

CEATECの会場となった幕張メッセの様子。多数の企業が出展しており、とてもにぎわっていました。

スイスのパビリオンで空を飛ぶ鳥の体験をしている様子。下から風がでる仕組みもあり体全身で鳥のような飛行体験ができました。

最後に一緒に見学したメンバーで記念写真を撮りました。いろいろな体験ができて楽しかったです。

東京モーターショーにおいて学生に企業が行っている研究開発の状況を調査させた

2019/11/11

 材料機能工学科・材料機能工学専攻18名の学生が東京モーターショーに参加しました。学生の中には大学院・修士課程を修了したらデンソーに就職する学生や自動車メーカとの共同研究を実施している学生もおり、最新の技術の展示をしている東京モーターショーに学生を派遣した。
学生の感想等は以下の通りです。
[学生の感想]
*初めて東京モーターショーを見学して多くの自動車メーカや企業が出展しており、最先端の技術を肌で感じることができた。自動車メーカのコンセプトカーのほとんどが自動運転などの技術が用いられていた。また、ランボルギーニなどの外国の自動車も少なかったが見ることができた。外の会場では実際に自動車が走っており、動いている自動車は迫力があった。
*部品ではブリジストンが展示していた月面を走ったタイヤがあり、自動車のタイヤとはまったく異なる形状をしており、技術の高さを感じた。また、会場には生で見たことのないものも多くあり、貴重な経験となった。
*展示されている自動車を観賞したり乗り込むだけでなく、電気自動車の動力を伝える過程をVRで体験できたり、動いている自動車の中身を実際に観察することができたりと普段の講義や生活の中ではできない貴重な経験ができ、これからの進路選択や企業選択に生かしていける体験となりました。展示されている自動車やその技術は環境や福祉など人々の未来に貢献するものが多く、未来への自動車の可能性を感じさせました。
*毎回人気の東京モーターショーですが本派遣を機に行くことが出来ました。車やバイクは見た目だけが進化しているのではなく、タイヤやエンジンなど環境や効率化を図った製品がたくさん展示してあり、自動車産業の未来の一部を感じることが出来ました。実際のブースでは最先端の技術を体験出来たり働いている人のお話を聞いたりすることによって、今後の製品の開発にすごく興味が湧きました。また、大学の講義で学んでいる分野があり、実際にこういうところで生かされているのだなと感じることが出来ました。

ゲート前にて:東京モーターショーのバルーン前

メルセデス・ベンツ ブース前:あの有名メーカー メルセデスベンツのコンセプトカーを見ることができた。先進的なデザインとAI技術、自動運転技術など盛りだくさんだった。

ホンダF1マシンの前にて:ホンダが今年からエンジンを提供しているF1マシンを間近で見ることができた。この距離でF1マシンを見る機会はなかなかないため貴重な経験となった。他にもアイルトン・セナの乗っていたマシンも展示されており、ホンダの歴史を感じた。

ジェイテクトブース前:今の自動車に搭載されているステアリングシステムや軸受けベアリングなどの展示がされており、普段は表に出ておらず、なかなか見ることのできない部品の仕組みを知ることができた。

会場となった東京ビッグサイト。休日ということもあってか、非常に人が多くにぎわっていました。また、展示は屋内だけではなく歩道や橋の上などにも及んでいました。

衝突体験をしている様子。衝突速度は時速5kmとはいえ、エアバックも飛び出しシートベルトがなければ顔から前面に激突しそうな衝撃でした。

Kawasakiのブースで実際のバイクに乗っている様子。ほとんどのブースでこのように自動車が展示してあり、中に乗り込むこともできました。

VRを用いて自動車の内燃機関の様子や電気自動車の動力の伝達過程を追う体験をしている様子。ゴーグルだけでなく、座っている椅子も連動しており、より臨場感のある体験ができました。

Kawasakiのブースで実際のバイクに乗っている様子。ほとんどのブースでこのように自動車が展示してあり、中に乗り込むこともできました。

MSTでの試料受け取り及び東京工業大学でのTEM観察とSTEM観察

2020/01/14

■派遣日時:令和2年1月8日~令和2年1月10日
■派遣場所:MST 分析支援センター(本部)、東京工業大学 大岡山キャンパス
■実施内容:
竹内研究室から提供して頂いたAlInN/GaN多層膜反射鏡試料をTEM観察とSTEM観察ができるようにMSTに伺い、FIB装置を用いて薄片化加工して頂いた。その試料をMSTにて受け取り、東京工業大学の大岡山キャンパスにある球面収差補正電子顕微鏡R005を用いて高分解能で試料観察を行った。
■学んだことに対する抱負:
MSTにおいて試料を薄片化加工したFIB装置とは、液体金属イオン源から放出されたGaイオンをアパーチャや集束レンズで数nm~数百nm径に集束してビームにし、対物レンズで試料表面に焦点を合わせ、偏向器によって試料表面を走査させ、エッチング加工を行っている。ビーム照射によって試料表面から発生する2次電子信号を検出器によって検出し、検出データをコンピュータ画面上に表示させ、加工状況を確認することができる。今回は、試料を80~90nmまで薄片化加工して頂いた。その試料を東京工業大学にある球面収差補正透過型電子顕微鏡R005を用いて観察した。球面収差補正を取り入れているため、名城大学にある透過型電子顕微鏡JEM-2010よりも分解能が良く、より細かい部分まで観察することができる。また、観察場所を記録することができ、現在どの部分を観察しているのか、また同じ位置に戻ることができ、観察をスムーズに行うことができる。実際、電圧軸調整や高さ調整や非点収差などを合わせることは難しかったが、うまく合わせると名城大学のTEMでは見ることができないくらい AlInN層とGaN層がきれいに観察することができた。低倍率でAlInN/GaN多層膜部分のV字型欠陥を観察し、高倍率で欠陥部分を見ることで格子縞の多少のずれを発見することができた。現在、東京工業大学で得たTEM像を解析中です。

MSTのFIB装置によって薄片化加工された AlInN/GaN多層膜反射鏡試料であり、試料は縦10µm、横20µm、厚さ80~90nm程度である。Mo製のメッシュに貼り付けられたカーボンの土台に固定されている。大きな振動を与えると試料が壊れてしまうため、気を付けて運んだ。

強化2軸ホルダーの写真であり、先端部に薄片化加工された試料を設置し、収差補正透過型電子顕微鏡R005に挿入することで試料の高分解能観察を行った。

東京工業大学にある球面収差補正電子顕微鏡R005を用いて高分解能TEM観察をしている様子。装置は地下1階にあり、部屋の周囲には磁場を打ち消す磁気シールドが施されていた。加速電圧は300kVであり、分解能は1Å以下まで観察可能。実際は、部屋を暗くして試料を観察した。

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