大学概要【2022年度実施分】杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム

都市情報学部

杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム
実施責任者:稲葉 千晴

杉原千畝は「命のヴィザ」を発給して、1940年夏数千名の難民を救いました。しかし、ヴィザだけでは彼らを救えません。在米300万人のユダヤ移民が「募金」をして、チケット代金を送ったのです。「募金」で難民の命が救われました。2022年2月ロシアがウクライナに侵攻し、現在周辺国に500万人の難民が逃れています。ですが数が多すぎて支援する周辺国の地方自治体にも限界が来ています。
 本プログラムでは、ウクライナ難民を支援するリトアニア北部シャウレイ広域市に日本で募った募金を届ける取り組みを始めます。後日ボランティア・ガイドも育成します。

ACTIVITY

「杉原千畝ウクライナ難民募金」 23日(土)、24日(日)11:00~14:00

2022/12/23

都市情報学部生がナゴヤドーム前矢田駅近くで

ウクライナ避難民への思いを込めたTシャツ姿の稲葉ゼミ生

地図

日時

4月23日(土) 24日(日) 11:00~14:00

場所

大幸南南北ペデストリアンデッキ(ナゴヤドーム前矢田駅近く、名古屋市東図書館前)

大幸一丁目交差点近くの公道 地図参照

参加者

都市情報学部 稲葉千晴教授ゼミ 3、4年生 15人

備考

新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用、大声を出さない、密を避ける)を徹底する。荒天が予想される場合や、新型コロナウイルス感染症の拡大状況(緊急事態宣言発出など)によっては中止する。

本学「学びのコミュニティ創出支援事業」の一環。稲葉教授は、名古屋市瑞穂区の愛知県立瑞陵高校前の「杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル」の案内表示の監修を行い、同所で活動する杉原千畝ボランティア・ガイドを養成しています。

参考サイト

4月20日付中日新聞朝刊に掲載

稲葉教授の募金活動開始のニュースは4月20日付中日新聞朝刊に大きく掲載されました。

歴史的背景と、ウクライナ避難民に対するリトアニアの支援などを講演会で概説

講演会の受付をする稲葉ゼミ生たち

のぼりを用意

講演する稲葉教授

講演を聞く学生や市民

「杉原千畝ウクライナ難民募金」に491万円集まる 近くリトアニアに送金

2022/12/23

街頭募金、特設口座への振り込み、募金箱への浄財など

都市情報学部生が6 月1 日にリトアニアの国旗を振って街頭募金

法学部卒業生も快く

「杉原千畝ウクライナ難民募金」にご協力くださった皆様へ
 
 「杉原千畝ウクライナ難民募金」への多大なご協力、本当にありがとうございます。2022年4月20日に本募金を設立し、1か月半ほどが経過しました。4月20日に『中日新聞』および『東京新聞』に「難民支援:千畝精神再び」という記事が掲載されて以降、6月初めまでの間に募金口座に以下の通り入金がございました。また名城大学の学生20数名を中心として、募金箱やのぼりを手作りして、街頭募金を名古屋市内で6回行いました。さらに、ホテルやレストランのご厚意で設置してもらいました募金箱にも多くの善意が集まりました。名城大学内でも協力してもらいました。6月2日現在の募金口座(十六銀行天白支店普通口座1085736)の内訳を暫定的に報告させていただきます。

口座振り込み:187件(4月20日から6月2日まで)       3,743,916円
 
街頭募金:
 
 ナゴヤ・ドーム前ペデストリアンデッキ上(4月23日)      419,036円
    同    上          (4月24日)      405,987円
 JR名古屋駅西口噴水前(雨天)     (4月29日)       10,341円
 JR名古屋駅西口噴水前&名城大学ドーム前キャンパス(4月30日) 49,358円
 名城大学ドーム前キャンパス(雨天)(5月1日)         5,050円
 ナゴヤ・ドーム前ペデストリアンデッキ上(6月1日)    175,402円
 
募金箱設置:
 
 下呂温泉睦館(4月末から5月末まで)             14,696円
 犬山市大衆割烹せと路(4月末から5月末まで)         38,350円
 
募金協力:
 
 名城大学(4月末から5月末まで)                 50,151円
 
                         合計: 4,912,287円

本募金口座の全額を6月第2週に電子送金でリトアニアのシャウレイ広域市社会福祉協議会の銀行口座に振り込みます。同地に滞在するウクライナ難民約6000名の生活支援に充てられます。使途の詳細は、募金代表者が6月末に現地を視察し、7月半ばまでに報告させていただきます。
 
 まだ募金口座は閉じておりません。難民が増え続けているうちは、募金を継続したいと考えております。これまで募金にご協力くださった皆様に心から感謝申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 
杉原千畝ウクライナ難民募金 代表 稲葉千晴
連絡先(chiuneguide@yahoo.co.jp)

バンテリンドームの中日ー楽天戦に向かう人たちに呼びかける

在日リトアニア大使を招き 特別講演会と「杉原千畝ウクライナ難民募金」目録贈呈式を開催

2022/12/23

「リトアニアと杉原千畝」と題して日本語で講演

講演会でリトアニアの位置を示すジーカス大使

在日リトアニア大使館のオーレリウス・ジーカス特命全権大使による本学学生を対象にした特別講演会が7月19日、ナゴヤドーム前キャンパス南館で開催されました。ジーカス大使は2022年5月に大使に就任したばかりで、日本の大学で講演するのは初めてです。学生ら約70人が聴講しました。
 
講演会は、第二次世界大戦下のリトアニアでユダヤ人難民に「命のビザ」を発給した外交官、杉原千畝(1900~1986年)を研究する本学都市情報学部の稲葉千晴教授(国際関係論)が、「杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」の一環として、ジーカス大使を招いて企画しました。

「『命のビザ』は世界をつなぐ力を持っている」

講演会ではロシアのウクライナ侵攻にも触れたジーカス大使

金沢大学と早稲田大学で学び、リトアニア第二の都市で杉原記念館(旧日本領事館)があるカウナスの大学で東アジア研究センター長を務めていたジーカス大使は、「リトアニアと杉原千畝」と題して日本語で講演しました。
 
講演でジーカス大使は、杉原記念館や杉原がビザを発給し続けたホテル・メトロポリス、カウナス鉄道駅などカウナスの杉原ゆかりの地や、杉原の功績が縁となって日本とリトアニアの自治体間や教育・文化、政治・経済の交流が広がったことなどを紹介。「『命のビザ』の物語は国と国をつなぐ力、世界をつなぐ力を持っている」と強調しました。
 
講演会の後半では、稲葉教授が「ユダヤ人難民を救ったのは杉原だけではない。リトアニアが受け入れてアパートや食料、衣類や薬を提供したことで、ユダヤ人難民は生活することができた」と解説。ジーカス大使はロシアのウクライナ侵攻に触れて「今、当時と同じことが起こっている。人口約300万人のリトアニアはウクライナ難民6万人を受け入れている。この戦争が終わるまで支援を続けていく」と力を込めました。

集まった募金は約500万円 

ジーカス大使らと記念撮影に臨む稲葉ゼミの学生たち

ジーカス大使は翌20日もナゴヤドーム前キャンパスを訪問。ロシアのウクライナ侵攻でリトアニアに逃れたウクライナ難民を支援するため、稲葉教授とゼミ生らが今年4月から取り組んでいる「杉原千畝ウクライナ難民募金」に寄せられた約500万円の目録贈呈式に臨みました。

「募金は就業支援に役立てたい」

西館で行われた贈呈式には小原章裕学長も同席し、メディア3社も取材に訪れました。冒頭、稲葉教授が募金活動の経緯や集まった募金を6月にリトアニアに送金したことなどを報告し、「ウクライナ難民は衣食住は足りているが、自立した生活ができることを望んでいる。募金は言語の習得など就業支援に役立てたい」と語りました。続いて、ゼミ生を代表して安藤桃花さん(4年)と山田拓斗さん(3年)がジーカス大使に目録を手渡しました。

募金活動の経過を報告する稲葉教授

(左から)ジーカス大使、目録を手渡した安藤桃花さんと山田拓斗さん、稲葉教授

ジーカス大使は「市民からの支援が最も喜ばしい。『命のビザ』で日本とリトアニアが強い絆で結ばれたが、今回の寄付が再び日本とリトアニアをつないだ」と感謝の言葉を述べました。小原学長は「今、できることを精いっぱい考えて募金活動に取り組んだ経験は、これからの人生の糧になる。ご苦労さまでした」と学生たちを労いました。
 
贈呈式の後、メディアの取材を受けた安藤さんは「募金を必要なところで使って一人でも多くの難民が救われれば」、山田さんは「仕事に就くために使ってもらい、早く元の生活に戻れるようになってほしい」と話していました。稲葉教授によると、募金活動はクラウドファンディングも活用しながら今後も継続していくそうです。

感謝の言葉を述べるジーカス大使

募金に取り組んだ学生たちを労った小原学長

2022年度杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム 参加者募集

2022/09/27

講演5回と実習1回

2018年10月18日、名古屋市瑞穂区の瑞陵高校横に「杉原千畝広場」が完成しました。杉原の母校(旧制愛知県立第五中学校)に立派な銅像とパネルができ、千畝の生い立ちから、1940年夏のリトアニアの首都(当時)カウナスでのユダヤ人救出劇、日本通過ビザを持って来日したユダヤ人の運命などがコンパクトに解説されています。

名城大学では「杉原千畝広場」の有効利用のため、ボランティア・ガイドを育成するプログラムを2018年に始めました。二年間コロナ禍で中断していましたが、2022年秋に再開します。杉原の人道的な救出劇を多くの見学者に理解してもらうため、ガイドの資格を取得されてはどうでしょうか。

日時:11月初旬から12月初旬の毎週水曜日18:30-19:45の講演5回と実習1回

場所:本学ナゴヤドーム前キャンパス DW207教室

募集人員:50人(受講・聴講無料、年齢不問。希望者多数の場合、名城大学生を優先します。講演だけの聴講希望者も受け入れます)

11月 9日  稲葉千晴(本学都市情報学部教授)「ボランティア・ガイド募集の趣旨と目的:ホロコーストからユダヤ人を救った人々」

11月16日 木畑和子(成城大学名誉教授) 「キンダートランスポート:子供を助けたイギリス市民」

11月23日 稲垣宏恭(愛知県教育委員会次長) 「杉原千畝とあいち:センポ・スギハラ・メモリアルに関わって」

11月30日 重松尚(東京大学助教) 「リトアニアのホロコースト:杉原が去った後何が起きたのか」

11月26日(土)10:30-12:00 瑞陵高校前の杉原千畝広場でガイド実習

12月 7日(水)「日本リトアニア修好百周年講演会」(逐次通訳付)

 17:00 シモナス・ストレルツォーヴァス(ヴィリニュス大学ドセント)「1940年夏の杉原千畝による難民救出:リトアニア・日本協力関係の結実」

 18:00 サルヴィユス・クレヴィチウス(ヴィリニュス大学歴史学部副学部長) 「杉原の善行を後世に伝えるための戦略と実践」

 19:00 杉原千畝ボランティア・ガイド認定証授与式

連絡先:名城大学都市情報学部 稲葉千晴 

〒461-8534 名古屋市東区矢田南四4丁目102番9

メール:chiuneguide@yahoo.co.jp

注1:参加希望者は、次の参加票に必要事項を記入して10月20日(木)までにインターネット経由、あるいは参加票を印刷して連絡先まで郵送でお申し込みください。メールやはがきでの申し込みも受け付けます。氏名(フリガナ)、住所、携帯電話番号、メールアドレスに加え、講演の聴講だけを希望する方はその旨も明記して送ってください。

参加票

10月末までに、受講できるかどうかをメールで返事させていただきます。電話でのお問い合わせには対応できません。よろしくお願いいたします。

注2:名城大学生には来年夏のリトアニア・ポーランド研修への支援制度があります。

杉原千畝広場

「杉原千畝ウクライナ難民募金」街頭募金 29万円余り集まる

2022/12/23

名古屋市東図書館近くで 豊川高校生も参加

街頭募金に協力を呼び掛ける学生や豊川高校生ら

第二次世界大戦下のリトアニアでユダヤ人難民に「命のビザ」を発給した外交官、杉原千畝(1900~1986年)を研究する都市情報学部の稲葉千晴教授と学生らが9月17日、ウクライナからリトアニアに逃れた避難民を支援する「杉原千畝ウクライナ難民募金」の活動の一環として、名古屋市東図書館近くの大幸南南北ペデストリアンデッキで街頭募金を行い、29万5851円が集まりました。
 
今年4月から始めた「杉原千畝ウクライナ難民募金」には、学生たちが取り組んだ名古屋市内での街頭募金などで約500万円が集まり、7月20日には在日リトアニア大使館のオーレリウス・ジーカス特命全権大使をナゴヤドーム前キャンパスに招いて、募金目録の贈呈式も行われました。ウクライナでの戦闘は依然として続いており、大幸南南北ペデストリアンデッキでは3回目の街頭募金を行うことにしました。

街頭募金には本学の学生3人に加え、稲葉教授が講師を務めた今年7月の「愛知サマーセミナー」で「杉原千畝ウクライナ難民募金」の活動を知った私立豊川高校(愛知県豊川市)の2年生7人も参加し、午前11時から午後2時まで協力を呼びかけました。活動中、多くの本学と豊川高校の卒業生から声を掛けられ、励まされました。

日本とリトアニアの修好100周年を記念 講演会を開催

2022/12/23

リトアニアの歴史学者が「命のビザ」杉原千畝の功績を語る

杉原千畝の功績などが語られた講演会

日本とリトアニアの修好100周年を記念した講演会が12月7日、ナゴヤドーム前キャンパスで開かれました。ヴィリニュス大学の歴史学の教員らリトアニアの歴史学者2人が講演し、第二次世界大戦下のリトアニアでユダヤ人難民に「命のビザ」を発給した外交官、杉原千畝の功績や今に続く日本とリトアニアの交流に果たしている役割などを紹介しました。
 
今年は両国が外交関係を樹立して100周年の節目の年に当たることから、各地で記念の行事が開かれています。講演会は、杉原千畝を研究する本学都市情報学部の稲葉千晴教授が責任者を務める「名城大学杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」の最終回として企画されました。
 
初めに、在日リトアニア大使館のユスティナ・クルトリテ参事官が「杉原の行動を理解し、記憶しておくことが将来につながります」とあいさつ。ボランティア・ガイド育成プログラムの受講者や学生ら約40人を前に、ヴィリニュス・ユダヤ史博物館のシナモス・ストレルツォーヴァス館長とヴィリニュス大学歴史学部のサルヴィユス・クレヴィチウス副学部長が登壇しました。

杉原は「日本とリトアニアを結ぶ橋」「今も外交官として働いている」

ストレルツォーヴァス館長は「杉原千畝による難民救出とその後:日本リトアニア協力関係の結実」と題して講演し、杉原が命のビザを発給するに至った当時のリトアニアの状況や杉原がリトアニアでも偉人として扱われていることなどを解説し、「一人の人物が二つの国で偉人として称えられているのは珍しい。そんな杉原は日本とリトアニアを結ぶ橋のような役割を果たしている」と語りました。
 
続いて、「杉原千畝の善行を後世に伝える戦略と実践」と題した講演でクレヴィチウス副学部長は、リトアニアでは銅像や記念館、市民による顕彰事業などで杉原の功績が脈々と伝えられていることを紹介。「杉原はもういないが、功績はまだ生きていて今も人道的な概念を広め、日本とリトアニアの友好関係を深めており、いまだに外交官として働いている」と強調しました。
 
講演後には、バウムクーヘンに似たリトアニアのケーキ「シャコティス」を参加者全員で味わいました。さらに、11月9日から毎週水曜日にボランティア・ガイド育成プログラムの講座で杉原千畝の功績などを学んできた受講生24人に認定証が渡されました。山口ひかりさん(経営学部1年)は「講座では加害者側の視点でも歴史を学ぶことができたので、ガイドの時にはそうした視点も生かしたいです」と話していました。

シナモス・ストレルツォーヴァス館長

サルヴィユス・クレヴィチウス副学部長

あいさつするユスティナ・クルトリテ参事官

杉原をたたえるモニュメントなども紹介

シャコティスを切り分けるクルトリテ参事官ら

稲葉千晴教授(右)からボランティア・ガイドの認定証を受け取る山口ひかりさん

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