大学概要【2026年度実施分】多様性への認識・理解促進のための取り組み
経営学部
本事業は、多様性とその包摂への認識と理解を深め、それらの推進に積極的・主体的に関わることのできる学生の育成を目的にしています。具体的には、多様性に関する理解を深めるための各種講演会、ダイバーシティ&インクルージョンに意欲的に取り組む企業、地域、教育機関等への訪問・聞き取り調査を実施します。そのうえで、名城大学における多様化とその尊重、包摂をどのように進展・拡充していくべきなのかを考えていきます。
ACTIVITY
あたたかな雰囲気とDXが支えるDEIの実践:株式会社テルミックに学ぶ「自分らしく働ける職場」
2026/06/15
学びのコミュニティ創出支援事業「多様性への認識・理解促進のための取り組み」の一環として、経営学部の学生が刈谷市に本社を構える株式会社テルミックのりんくう常滑オフィスを訪問しました。同社は金属加工業を営む鉄工所ですが、DEI(多様性・公平性・包摂)に関する取り組みに力を入れており、女性従業員比率は約7割、女性管理職比率は4割に達します。愛知県から「あいち女性輝きカンパニー」の優良企業として表彰されるなど、これまでに多方面で表彰や認定を受けています。
DEIの推進においては、制度の整備だけでなく、それを機能させる組織風土が不可欠であるといわれます。テルミックでは、多様な働き方を支える社内制度を整備する一方で、社員にとっても、そうした制度が使いやすくなるような雰囲気を醸成する様々な仕組みが導入されています。さらに近年は、DXの推進により業務の効率化が進められており、社員にとって働きやすい環境の整備が進められています。学生たちは、同社の工場とオフィスの見学を通して、風通しの良い職場環境を現場で体感するとともに、最新のデジタル技術が業務の効率化に寄与している様子を実際に目にすることによって、いかにして多様な働き方を実現させるかについて理解を深めました。
訪問後のアンケートからは、学生たちがテルミックの取り組みを、単なる福利厚生の充実や最先端設備の活用にとどまるのではなく、誰もが働きやすく自分らしく活躍できる環境づくり、すなわちDEIの実践として受け止めている様子がうかがえます。加えて、今回の訪問は製造業に対する従来の固定観念を見直す機会となり、就職活動においても多様な働き方への配慮に目を向けることの重要性を改めて認識したとの感想も寄せられています。今回の訪問は、DEIへの理解促進だけでなく、学生自身の就業観・企業観の変化を促す貴重な機会にもなったといえるでしょう。
体験と歴史から学ぶ多様性:経営学部生がダイバーシティミュージアムとアドミュージアム東京を訪問
2026/10/13
学びのコミュニティ創出支援事業「多様性への認識・理解促進のための取り組み」の一環として、経営学部の学生がダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」とアドミュージアム東京を訪問しました。多様性を扱う異なるタイプの2つの施設を組み合わせ、体験と歴史の両面から多様性に関する理解を深めることが狙いです。
ダイバーシティミュージアム「対話の森」で学生たちが挑んだのは、視覚障がいのあるアテンドとともに歩く純度100%の暗闇のプログラム「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」です。明かりを消した瞬間、どこに誰がいるのかも分からない感覚に、参加学生たちは思わず足を止めました。しかし、声をかけ合い、白杖で地面の質感や段差を確かめるうちに、会話は自然に増えていきました。「見えないからこそ分かる視点がある」、「声を聞くこと、触って確かめることの大切さを知った」など、アンケートには、恐怖が気づきへ変わる過程がつづられています。知識ではなく、身体と感情を通じて他者と向き合う時間となりました。
アドミュージアム東京では、江戸時代から現代までの広告資料とテレビCMの映像を鑑賞しました。広告は社会を映す鏡ともいえます。現在では非常識とも捉えられそうな往年のキャッチコピーに、時代による価値観の違いを実感した学生が多くいました。まさに多様性の理解に関する社会の変容を広告の歴史が物語っています。「何が描かれていて、何が描かれていないかという視点でみると、昔と今とでは価値観が大きく異なる」と感じ、「これからは多様性の観点からも広告を見ていきたい」と語った学生もいました。今の感覚が過去とどう違っていたのか、資料を通して確かめる時間となりました。
以上の2つの体験は、別々の学びではありません。暗闇で「自分とは違う世界に立つ人」と出会い、広告で「社会の当たり前は時代とともに変わってきた」と知る。この2つが重なると、多様性は思いやりの言葉ではなく、社会が誰を包み込み、誰を排除してきたかの歴史として見えてきます。
普段は当たり前に頼っている視覚、見過ごしてきた広告。その前提を問い直した今回の訪問は、学生が多様性を自分事として捉える深い学びの機会となりました。






