トップページ/ニュース 大学院総合学術研究科の秋季コアプログラムで
樹木医の伊藤悟さんが特別講演
演題は「尾張徳川の大名庭園文化を受け継ぐ名園たち」 約30人が聴講
本学大学院総合学術研究科の「秋季コアプログラム」が9月19日、天白キャンパスで開催され、元名古屋市東山植物園長で樹木医や環境カウンセラーとして活動する伊藤悟さんが「尾張徳川の大名庭園文化を受け継ぐ名園たち~名古屋城二之丸庭園・徳川園から東山植物園への系譜」と題して特別講演を行い、尾張徳川家の庭園文化や自然観が東山植物園へどのように受け継がれてきたのかを解説しました。
名古屋城二ノ丸庭園、徳川園から東山植物園へと続く庭園文化や自然観を解説
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講演する伊藤さん
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講演の様子
尾張藩の初代藩主・徳川義直の時代の1620年頃から造営が始まった名古屋城二之丸庭園は、巨石を用いた豪快な石組みが特徴で、武将の剛健な精神性や政治権力を象徴するとともに、中国の水墨画の影響も受けているとされます。伊藤さんは本学の丸山宏名誉教授ら専門家の意見を踏まえ、文化庁との調整を重ねながら、庭園の修復・復元や区域拡大に関する申請に携わりました。
特別講演で伊藤さんは、庭園の整備や復元に携わった経験を交えて、1953年に5,137平方メートルだった区域に、2018年には新たに25,326平方メートルが加わり、全国最大規模の庭園として整備されたことを説明。また、徳川園については、尾張藩二代藩主・徳川光友の隠居所に造営された庭園から、戦後に市民の憩いの場である葵公園となり、愛・地球博に向けて再整備されるまでの歩みを概説しました。
伊藤さんによると、再整備にあたっては当時の庭園の復元ではなく、新たな大名庭園をつくることを目指して、公募型プロポーザルで設計チームを選定して基本計画から実施設計まで進めるとともに、徳川園シンポジウムも開催しました。また、徳川光友が造営した江戸下屋敷・戸山荘の「竜門の滝」の石組みが早稲田大学文学部の学生会館建設地で発見され、徳川園の「竜門の滝」には譲り受けたその石が用いられたことも紹介しました。
東山植物園については、伊藤さんは「尾張藩の御薬園や尾張本草学の精神を受け継ぎ、近代植物園として開園したと捉えることができる」と指摘。尾張徳川家の御薬園に根づいた植物文化は、徳川邸内の植物園や鶴舞公園の植物園を経て、東山植物園へとつながっており、伊藤さんは「庭園文化と植物を学ぶ文化が結びつき、時代を超えて継承されてきた」と強調しました。
総合学術研究科の「総合コアプログラム」は春季と秋季の年2回開催され、専任教員による講演や学生の発表、修了生や外部講師による講演などを行っています。今回は大学院生約15人のほか、教職員、特任教授、NGOの理事やボランティアリーダー、校友会員など約30人が聴講しました。受講者からは「この講義を聞いて、名古屋城、徳川園、東山植物園をもう一度訪れてみたくなりました」という感想が寄せられました。


