トップページ/ニュース 飯島澄男終身教授がカーボンナノチューブを発見した電子顕微鏡が第1回「日本物理遺産」に認定

カーボンナノチューブを発見した電子顕微鏡の前で(提供:NEC) カーボンナノチューブを発見した電子顕微鏡の前で(提供:NEC)
  • カーボンナノチューブを発見した透過型電子顕微鏡(提供:NEC) カーボンナノチューブを発見した透過型電子顕微鏡(提供:NEC)
  • 左からNEC 弓削亮太主幹研究員、飯島澄男名城大学終身教授・NEC特別主席研究員、日本物理学会 宮下精二会長、NEC 山田昭雄 執行役 Corporate EVP 兼 CAIO(提供:NEC) 左からNEC 弓削亮太主幹研究員、飯島澄男名城大学終身教授・NEC特別主席研究員、日本物理学会 宮下精二会長、NEC 山田昭雄 執行役 Corporate EVP 兼 CAIO(提供:NEC)

飯島澄男終身教授がカーボンナノチューブ(CNT)を発見した際に使用され、日本電気株式会社(NEC)が保有する電子顕微鏡が、一般社団法人日本物理学会の創設した「日本物理遺産」の第1回(第1期)に認定されました。

飯島終身教授は、1981年に新技術開発事業団(現 科学技術振興機構・JST)のERATO第1号事業である「林超微粒子プロジェクト」に参画し、名城大学を拠点に研究を進めていました。その後NECへ移籍し、研究を継続しながら1991年4月からは名城大学で物理実験の非常勤講師を担当。同じく物理実験を担当していた名城大学理工学部の安藤義則教授(現 名誉教授)らが取り組んでいたフラーレン研究に着目し、研究で使用された炭素棒電極に付着した物質を持ち帰りました。それをNEC基礎研究所(現 セキュアシステムプラットフォーム研究所)の電子顕微鏡(高分解能透過型電子顕微鏡:Topcon EM-002B)で観察・分析した結果、1991年にカーボンナノチューブを発見しました。

CNTは、炭素原子が網目状に並んだ薄いシートが丸まり、筒状になった構造体。直径は数ナノメートル(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)、長さは数マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1,000分の1)程度しかありません。また、アルミニウムの約半分の軽さでありながら鋼鉄の約100倍の強度を誇り、製法によって金属にも半導体にも変化します。まさに「夢の新材料」として、あらゆる産業分野で応用研究が進められています。

このCNTの発見は、その後のナノサイエンスやナノテクノロジーの発展にも大きく貢献しました。発見に使用された電子顕微鏡は、その起点となった歴史的・学術的価値が高く評価され、今回創設された「日本物理遺産」に認定されました。

【日本物理遺産とは】

物理学に関連する歴史資料の保存と継承を図り、物理学の社会的貢献の広報や先人の業績に対する誇りの醸成を目的として、日本物理学会が認定する制度。最初(第1回第1期)の認定として以下の5件が認定されました。
●寺田寅彦資料群と関連史跡(寺田寅彦邸跡と居室)
●湯川秀樹史料
●日本における冶金物理学・磁性材料研究の発祥地である東北大学金属材料研究所および本多記念館に所蔵する資料群
●カーボンナノチューブを発見した電子顕微鏡
●理化学研究所3号サイクロトロン

【日本物理学会HP】

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ