トップページ/受賞 農学研究科の森玲香さんが日本農芸化学会中部支部例会で学術奨励賞を受賞

受賞者 森 玲香さん (農学研究科農学専攻博士課程3年、加藤雅士教授・志水元亨准教授研究室)
受賞名

日本農芸化学会 中部支部 第205回例会 学術奨励賞

受賞日 2026年 9月 26日
受賞テーマ

白色腐朽菌由来リグニン断片脱炭酸酵素の機能・構造解析とその機能改変

農芸化学に携わる幅広い分野の研究者が成果を発表する日本農芸化学会中部支部第205回例会にて、農学研究科博士課程 3 年生の森さんが「学術奨励賞」を受賞しました。

近年、化石資源に代わる再生可能な資源として木質バイオマスが注目されていますが、木質バイオマスには「リグニン」と呼ばれる難分解性の高分子ポリマーが含まれています。森さんは、リグニンを完全に分解できる「白色腐朽菌」に着目し、そのリグニン分解メカニズムの一端を解明しました。

白色腐朽菌は菌体外に分泌する酵素によって高分子のリグニンを低分子化した後、リグニンの断片を菌体内に取り込み分解すると考えられています。しかしながら、リグニンの断片がどのように分解されるのかは、明らかになっていません。森さんは、白色腐朽菌から、数種類のリグニンの断片をハイドロキノンという化合物へと変換する新規の酵素を発見しました。この発見により、リグニンの断片はハイドロキノンを経由して代謝経路に取り込まれることを明らかにしました。

さらに、見出した新規酵素の機能を改変することで、リグニン断片をハイドロキノンへと変換する活性を大幅に向上させることに成功しました。

ハイドロキノンは医薬・化粧品原料や抗酸化剤として利用されている化合物です。現在、これらは化石資源を原料として生産されています。今回の研究成果を応用することで、将来的にリグニンを原料としたハイドロキノン生産につながる可能性があり、脱炭素社会の実現に大きく貢献することが期待されます。

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