トップページ/ニュース 外国語学部の宮下ゼミが「食」と「対話」で国際協力を考える「M4R・国際協力CAFE」を開催

「M4R・国際協力CAFE」を成功させ、講師の杉山氏を笑顔で囲む、宮下准教授と宮下ゼミの4年生 「M4R・国際協力CAFE」を成功させ、講師の杉山氏を笑顔で囲む、宮下准教授と宮下ゼミの4年生

外国語学部の宮下大夢准教授(国際協力論・平和学)のゼミと独立行政法人国際協力機構(JICA)中部センターの共催イベント「M4R・国際協力CAFE」が、10月22日に本学ナゴヤドーム前キャンパス学内食堂「M-Patio」で開催されました。

本イベントは、JICA中部センター市民参加協力課で現在長期インターン生として活動している宮下ゼミ4年生の2人が企画・運営の中心となり、ワークショップ形式で実施しました。

宮下ゼミでは2024年から、深刻化する「世界の難民問題について知り・伝え・行動する社会連携実践演習」に取り組んでいます。その一環として、学生食堂「M-Patio」の協力を得て、「Meal for Refugees(M4R)」を実施しています。「M4R」は学生が主体となり、認定NPO法人難民支援会(JAR)と共同で行う、「食」を通じて難民を知る・支える活動です。

イベントではロヒンギャ風牛肉カレーの提供に加え、国際協力を考えるワークショップ、株式会社豆乃木代表・杉山世子氏による講演、ミャンマー産フェアトレードコーヒーの試飲などが盛り込まれました。本イベントは学生や地域住民の方が「国際協力」を身近なものと捉え、行動を起こすきっかけをつくることを目指して開催されました。

「食」を通して難民問題を知り、国際協力について考える

はじめに宮下ゼミの3年生から、「M4R」「難民支援協会」、提供カレー「ゴル・グスト・サロン」、そして「ロヒンギャ」について説明がありました。

ロヒンギャとは、ミャンマー西部ラカイン州を故郷とするイスラム系少数民族で、現在日本にも推定400人が暮らしています。2017年8月にはミャンマー軍による大規模攻撃を受け約75万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れており、世界で最も迫害されている少数民族の一つともいわれています。

イベントには62名が参加しました。ロヒンギャの伝統的な牛肉カレー「ゴル・グスト・サロン」(イベント参加費700円のうちカレー代650円、難民支援寄付金50円)は、イベント参加者だけでなく一般のお客様にも提供され、用意した80食が1時間半で完売しました。

ゼミ生がカレーを配ると、参加者が食べながら和やかな雰囲気の中でイントロダクション開始。各自が国際協力についての考えをスマートフォンに打ち込み全体で共有されると、「募金」「フェアトレード商品の購入」「世界のことを知ること」などが挙がり、「日本国内にいてもできることがたくさんある」ことが確認されました。

  • 提供されたロヒンギャ風牛肉カレー「ゴル・グスト・サロン」 提供されたロヒンギャ風牛肉カレー「ゴル・グスト・サロン」
  • 学内食堂「M-Patio」で80食を用意 学内食堂「M-Patio」で80食を用意
  • テーブルごとに自己紹介をしてワークショップ開始 テーブルごとに自己紹介をしてワークショップ開始
  • おいしいカレーを食べながら国際協力について考える おいしいカレーを食べながら国際協力について考える

杉山世子氏 「フェアトレードとは見ず知らずの人や国を“思う”気持ち」

講演の講師を務める杉山氏は20代のころJICA海外協力隊として活動し、現在はフェアトレード事業を手がける株式会社豆乃木の代表です。杉山氏は「国際協力について考えよう!」をテーマに、海外での活動経験を通した自身の生き方や手掛ける事業について語りました。

アフリカのジンバブエ、ケニア、マラウイの3か国で3年7カ月間活動した杉山氏は、「世の中には物事を諦めなければならない状況が存在する」ことを実感。帰国後、大学のゼミで「フェアトレード・プロジェクト」に参加し、進路を考えていた時に受けた言葉から、ボランティアでのコーヒー生産者支援からリスクを負う日本でのコーヒー販売者になることを決意したといいます。「16年を経てようやく真のパートナーとして現地の人たちに認められ、感謝されるようになった」「生産者に消費者が見える視点が大切」「フェアトレードとは、見ず知らずの人や国を“思う”気持ち、そして想像する力」「大切なのは継続すること」。杉山氏の言葉はどれも体験に裏打ちされた力強さがありました。

参加者は杉山氏から提供された、ナチュラル製法により果実の甘い香りが漂うミャンマーコーヒー「ウエットウォン ハイランド」を楽しみながら、話に聴き入っていました。

  • 講師を務めた株式会社豆乃木代表の杉山世子氏 講師を務めた株式会社豆乃木代表の杉山世子氏
  • ミャンマーコーヒーを楽しみながら講演に聴き入る参加者 ミャンマーコーヒーを楽しみながら講演に聴き入る参加者

ワークショップ 「“国際協力の木(コーヒーの木)” をつくろう!」

講演後、参加者は国際協力で「私にできる一歩」を考え、用意された「葉」に考えを書き出して全員の葉を回収。今井さんの「自分の考えが木の一部になります」の言葉とともに「国際協力の木」が完成し、会場は拍手に包まれました。

閉会式では、勝野さんは「自分にできることを一つずつ行動することが国際協力につながる。今日はみんなで楽しめ会場に一体感ができた」、今井さんは「インターンを経験したくさんの人と出会えた。今回もいろいろな人を巻き込みつながりを作ることができて達成感を味わえた。“一緒に”が国際協力のキーワード」と笑顔で語りました。

  • 「国際協力で私にできる一歩」を考えて「葉」に記入 「国際協力で私にできる一歩」を考えて「葉」に記入
  • 完成した「国際協力の木」を囲む、インターン生2人と宮下准教授(中央) 完成した「国際協力の木」を囲む、インターン生2人と宮下准教授(中央)

ゼミの3年生らによる募金活動も行われ、昼食を終えた一般の学生や職員が募金に応じていました。イベントの寄付金3,100円と当日の募金1,784円を合わせた計4,884円は、難民支援協会に寄付されます。

事後の振り返りで宮下准教授は、「リベラルな国際秩序が揺らぎ、国際協力に逆風が吹くなか、世代を越えた人々が国際協力について自由に対話し、自分たちに何ができるのかを考える貴重な機会になったのではないか」と話しました。

宮下ゼミでは11月28日(土)に天白キャンパスの名城ホールで難民映画祭を開催し、ロヒンギャ難民の姉弟が家族との再会を目指す過酷な旅路を描いた『LOST LAND』の上映と、藤元明緒監督を交えたトークセッションを行う予定です。

【Meal for Refugees(M4R)】
「M4R」は、日本に暮らす難民の故郷の味を学生食堂で提供し、「食」を通じて難民を知る・支える活動。難民支援協会が出版したレシピ本『海を渡った故郷の味』から生まれたプロジェクトで、学生が主体となり、難民支援協会と共同で実施している。
 URL: https://meal4ref.org/
 レシピ本『海を渡った故郷の味』: https://www.flavours-without-borders.jp/

【認定NPO法人難民支援協会(JAR)】
日本に逃れてきた難民が、新たな土地で安心して暮らせるように支え、共に生きられる社会の実現に向けて取り組んでいる認定NPO法人。専門スタッフが難民に対する法的支援、生活支援、就労支援を行っているほか、制度改善のための政策提言や調査・研究、情報発信など、日本の難民保護を目的として総合的に活動。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所のパートナー団体。
 URL: https://www.refugee.or.jp/refugee/#section01

  • ゼミの3年生による募金活動も実施 ゼミの3年生による募金活動も実施
  • 参加者にお礼を述べる宮下准教授 参加者にお礼を述べる宮下准教授
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ