大学概要【2026年度実施分】多職種連携によるアドバンス・ケア・プランニングの実践

薬学部

多職種連携によるアドバンス・ケア・プランニングの実践
実施責任者:野田 幸裕

本取組では、医療系学部を有さない本学の薬学生が、将来チーム医療で活躍できる薬剤師を目指して、他大学の医療系学部(他職種)の学生と共に「チーム医療」を学びます。低学年では「多職種の役割」「病いを有することの意味や医療者として患者への共感」について学びます。高学年では病院や在宅での実臨床を想定した症例と模擬患者・家族を活用して他職種の学生と「チーム医療の重要性」を実践します。患者が希望する将来の医療やケアについて考え、家族や他職種と話し合う取り組みです(アドバンス・ケア・プランニングの実践)。

ACTIVITY

模擬患者・家族参加型多職種連携教育 in 名古屋大学[地域における専門職連携教育“つるまい・名城 IPE(多職種連携教育)”:アドバンスケアプランニングIPE](活動報告1)

2026/07/09

 2026年度InterProfessional Education(IPE:多職種連携教育=専門職連携教育)は、5月22日(金)から開始されました[12月18日(金)まで、全15回中10回に名城生44名、5回に他大学30名参加予定]。本IPEは、2016年度から5年次の単位認定として実施しています。
 医療現場で患者中心の質の高い医療を提供するためには、専門職連携を実践できる能力は不可欠です。そのため、①各専門職の役割や視点を理解する、②チームコミュニケーションに必要な態度とスキルを身に付ける、③患者中心医療の重要性を理解することを本学習目標としています。さらに、2024年度から④ACP(アドバンスケアプランニング)の概念を踏まえて、医療ケアを実践することを学習目標に加えました。 ACPとは人生の最終段階で受ける医療やケアなどについて、患者本人と家族などの身近な人、医療従事者などが事前に繰り返し話し合う取り組みのことです。討論する症例は「認知症と糖尿病に加え、誤嚥性肺炎を繰り返す患者」であり、現代の高齢化社会での問題となっている認知症と糖尿病を取り上げ、認知症の患者が誤嚥性肺炎となったときのACPについて考えることができるシナリオを用いています。
 効率よくグループワークを行なってもらうため、5月6日にはIPEについての導入講義を行い、自己学習として、①今回使用するシナリオを配信し、②IPEについての動画と解説、③認知症に関する各医療職用の3種類の動画、 ④ACPや誤嚥性肺炎の成因と予防に関する動画を視聴してもらいました(名城大学のホームページ名城IPE:https://yyipe.meijo-u.ac.jp)。当日は、薬学生、医学生と看護学生、あるいは歯科衛生学生は5~10名程度で1グループとなり、他の専門職種に対する心理的障壁を如何に解決するかを涵養します。以下のスケジュールで、各職種の専門的視点からの議論と相互理解のもと、患者自身でなく、患者家族にアプローチするという取組で行いました。

【IPEスケジュール:患者の療養指導とご家族に対する療養生活支援計画を作成】

全体へのオリエンテーション・自己紹介・チーム医療の説明 ⇒ グループに分かれて①ミニレクチャー(各職種)⇒ ②シナリオの問題点抽出(写真1) ⇒ ③薬・医・看護学生別々に医療面談(写真2) ⇒ ④情報を共有・統合・療養計画作成 ⇒ グループごとに⑤医療面談での療養計画について説明(写真3)、患者家族からのフィードバック(写真4)や教員からのコメント。

②④でのグループワーク(写真1)や③での模擬患者家族への医療面接(写真2)においては隣室のブリーフィングルームに設置されているモニターと音声から学生の様子、活発に討論がされているかを医・看護・歯科衛生の学部教員と観察しました。
 終了後の薬学生のアンケートでは、①多職種で情報共有を行いながら患者中心の医療を考えることができた、②ACPを意識して療養計画を考えることができた、③家族が服薬管理で困っていることが理解できた、④患者・家族からのフィードバックでは何気なく使用している用語が専門的であったことが認識できた、⑤1つ1つの言葉を理解してもらえるようにわかりやすく説明しないといけないことが理解できた、などの回答が多くありました。一方で、時間が短かったという意見も多数ありましたが、本活動目標が達成できたことを強く感じました。

①グループワーク(写真1)

②患者家族と薬学生との面談(写真2)

③療養計画について医療面談(写真3)

④患者家族からのフィードバック(写真4)

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