学部・大学院学部長メッセージ

MESSAGE

鎌田 繁則

都市情報学とは人々の直観(主観)を科学する学問です。「美しい」まち並みや「安心できる」社会といった場合の「美しい」とか「安心できる」はすべて個人の主観です。これに対して、従来からあった学問は基本的に客観的な科学でした。両者の違いを「安全」VS「安心」の概念の違いで説明してみましょう。

「安全」とは何らかの基準に照らして用いる言葉のことです。例えば、水道法第4条の規定にもとづく「水質基準に関する省令」で規定する水質基準というものがあります。ヒ素は水1リットル当たり0.01ミリグラム以下、水銀は0.0005ミリグラム以下、等々のように客観的な尺度で規定されています。しかし、この基準に合致した水道水を高価な家庭用浄水器でろ過して使用している人もいます。「安心」できないと思っているからです。こうした浄水器を付けている人は、水質を保つために使っている塩素がトリハロメタンという物質を生成することを心配しているようです。因みに上記の基準では、総トリハロメタン0.01ミリグラム以下と定められています。

この例から分かるように、客観的に「安全」と判定されたとしても「安心」できないと考える相当数の人が出てくるのが都市生活です。都市情報学部では、「ゆたかで住みやすいまちづくり」を理念に掲げて教育研究活動を行ってきました。その「ゆたかさ」も「住みやすさ」も人が感じる主観です。都市情報学部は、都市問題を主観的に科学してきたのです。

では主観的に科学することができるのでしょうか。その答えは、客観が主観の対立概念ではなく一部である、別の言い方をすれば、人々の主観の共通項が客観に過ぎないということを知れば分かるはずです。今、人工知能が発達し、深層学習(deep learning)という手法が開発されています。本学部が都市問題を情報と結び付けた理由もここにあります。私たちは必ずしも人工知能や情報ツールそのものを研究している訳ではありませんが、それらの成果を活用して人々の主観を科学し、都市問題の解決に役立てる方法を探求しています。

学部長 鎌田 繁則

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