理工学部/数学科学科長からのメッセージ

MESSAGE

学科長 大西 良博

数学科といふのは, 数学といふ学問を極めることに主軸があるのはもちろんで,
そこで学んでゐる時期は, 数学を学ぶ理由などきちんと考へたことがありませんでした.
数学の研究は楽しいからやるといふのがその理由でした.

しかし, 実際に教育する立場に立つてみると「数学とは何か」を語れなければならないと痛感します.
一般的には, 数・量・図形に関する学問とされますが, それだけでは数学は特徴づけられません.

私が最近出合つた答の中に「再現性を持つ内的な対象についての研究を数学と呼ぶ」といふのがあります.
(その少し前から引用すると
''In the realm of ideas, of mental objects, those ideas whose properties are reproducible are called mathematical objects, and (italic) the study of mental objects with reproducible properties is called mathematics''
(The Mathematical Experience, Study Edition by Philip Davis, Reuben Hersh、Elena Anne Marchisott (p.441, 6 行目))
ここで mental は physical の対義語として使はれてゐると思はれます. )

しかるに「数学を学ぶ意義」については Socrates を始めとして古くから多くの指摘がなされてきました.
それは哲学への入門であり, 人生を良く生きるためにすべての人々に遍く重要であるといふものです.
Goethe は(「数学なしで自然を理解したいと熱望」しつつも)数学や自然科学の重要性を訴へました.
私はこの意味での数学を学ぶ意義を「数学は《理解するとは何如なることか》を追求する学問である」と申し上げたい.
これは, 数学科で学ぶすべての学生のみなさんに訴へたいことであり,
どんな仕事に就く方にも, このことをいくら強調してもし過ぎることにはなりません.
数学をきちんと学んでおけば, どんな仕事においても「つぶしがきく」様になります.
また, 人生そのものを充実させるのに最も効果的な学問だと思ひます.

若い時に鍛へた体が一生において大切なものである様に,
若い時に数学で鍛へた頭脳は一生において大切なものになることは間違ひありません.
それは, 豊かな communication の力の源泉であると思ひます.

学科長 大西 良博

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