理工学部/メカトロニクス工学科科目 Pick Up
メカトロニクス実験I・II
メカトロニクスの分野では様々な領域を統合する能力が問われます。しかし、基礎科目の講義によって得た知識が実際のシステムでどのように使われているのか理解するのは容易ではありません。
メカトロニクス実験I・IIでは熱や流体をはじめとする機械系科目、電気・電子や電磁気学といった電気系科目の基礎を体感するための実験装置を用意しています。
実験は基礎科目を体感するとともに、繰り返すことで実力をつけることを目的としています。また、チームで実験を行うことでディスカッション能力やコミュニケーション能力を養います。
バイオメカニクス
バイオメカニクスとは、bio(生物)と mechanics(力学)から成る合成語で、細胞やその組織をシステムとしてとらえた学問です。また、それらをメカトロニクスと組み合わせる場合、例えばロボットの手足を動かすための、モータの機能を持つアクチュエータ(アクションさせるもの)、および手足の動きを測定するためのセンサー(感じるもの)を組み込みます。最近の医療技術において人体に対するロボット技術には目を見張るものがあります。たとえば、体内で活躍するマイクロロボットを創るために、アクチュエータとして筋肉細胞を用い、センサーとして各種感覚細胞を用いることが考えられます。このような応用技術の修得には、細胞を個別に扱い、細胞に対する操作が求められるため、マイクロロボティクス、マイクロナノシステム、マイクロバイオ研究が必要となります。授業では、これら諸概念を理解するためにバイオメカニクスの基礎となる細胞システム、そして、その関連研究を紹介し、それに関連したマイクロナノシステムやマイクロバイオ研究の紹介と解説も行います。自らの意図を的確に伝えるプレゼンテーション能力を磨いていきます。
制御工学I・II
コントロールという言葉は日常生活でよく用いられている。たとえば、部屋を快適な温度に保つため、必要な時に暖房あるいは冷房の動作を自動制御する。野球投手がバッターに投げる球をコントロールする。自分の心を良い状態にするためセルフ・コントロールする等々。
このようにコントロールとは、制御したいもの(制御対象)を望ましい状態に持っていく為の方策を考え、それを実行することである。工学においては、例えばロボットハンドで物を掴み、別の場所へ物体を移動させる。水洗トイレなど注水タンクにおいては、随時水が取り出され、それを補うためポンプで注水を行ない、必要な時に注水を止め、水位を一定に保つ為の自動制御を行う。これら全ての制御の例において、共通して重要な概念として、「センサなどを用いて現状を知る」、「状態のフィードバック」、「適切な制御方策」があります。そして、制御方策を開発するため、数理モデルに対して主に数学を応用する制御理論と、それを実モデルに適用していく制御応用があります。応用分野は機械系、電気系などが中心であるが、ものを操ることに関する問題が含まれれば制御工学の対象となるため、広範な分野と関連があります。
制御工学Iでは、上記問題の基礎として、制御系のモデル化、伝達関数とその基本的特性、フィードバック制御と安定判別など、s領域におけるPID制御系の設計法を学びます。
制御工学IIでは、周波数領域におけるPID制御、および制御系の安定性について学びます。数式モデリング、物理科学、電気・機械の知識を融合するにより、基本的な制御手法および最新的な制御手法を学び、メカトロニクス工学に活用できる能力を養います。