移行用/ニュース 赤﨑勇教授に文化勲章 半導体電子工学研究者では初

  • 文化勲章受章の喜びを語る赤﨑教授と共同記者会見 文化勲章受章の喜びを語る赤﨑教授と共同記者会見

青色発光ダイオード(青色LED)や青色レーザーの開発に貢献した半導体電子工学研究者である理工学研究科の赤勇教授が2011年度の文化勲章受章者に選ばれ、10月25日、政府から発表されました。受章者は5人で、赤教授のほか作家の丸谷才一氏、陶芸家の大樋年朗氏、日本政治外交史の三谷太一郎氏、分子遺伝・分子生理学の柳田充弘氏。半導体電子工学、日本政治外交史、分子遺伝・分子生理学の分野での受章は初めてとなります。親授式は11月3日に皇居で行われます。赤教授は「20世紀中の実現は困難」とされた青色LEDの研究を20年以上も続け、素子の材料に窒化ガリウムを使って1989年に世界で初めて開発に成功しました。青色LED製作は豊田合成との共同研究が進められ、1995年から量産が開始され、LED照明器具、携帯電話やPCの液晶パネルのバックライトなどに幅広く使われています。




不屈の精神での研究人生

教授は大学本部での共同記者会見に臨み、「文化勲章は身に余る光栄です。受章はたくさんの研究仲間の協力と、先輩のご理解、良き同僚や優秀な学生に恵まれたこと、さらに名城大学からも物心両面の大きなサポートをいただき、支えていただいたことが何よりも大きく、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語りました。
教授は、今年、世界最大の学術団体である米国電気電子学会(IEEE)からエジソン賞(エジソンメダル)を贈られています。会見では、8月に米国サンフランシスコで行われた授賞式に臨んだ際、「persistent researcher」( パーシステントリサーチャー、不屈の研究者)という表現で紹介された体験に触れ、「パーシステントには、持続性とか、諦めない、不変のとかいろいろな意 味があるが、私は不屈という言葉をあてている。その言葉で紹介されたこと、また、今年のIEEE栄誉賞授賞式のテーマが『Power of Persistence』であったことにも何かの縁を感じて、自分の心が読み込まれた気がして驚いた」と語り、文字通り、不屈の精神で歩んできた研究人生 を振り返りました。

教授は1929年1月30日生まれ。鹿児島県出身。京都大学理学部卒。工学博士(名古屋大学)。神戸工業(現・富士通)、名古屋大学助教授を経て松下 電器産業東京研究所基礎第四研究室長などを歴任。1981年名古屋大学工学部教授、92年名城大学理工学部教授。青色発光ダイオードの基礎技術を開発し、 1989年に世界初の発光に成功。C&C賞、東レ科学技術賞、朝日賞、藤原賞、ジョン・バーディン賞、京都賞、エジソン賞などを受賞。2004年 文化功労者。
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