移行用/ニュース アジア研究センター設立10周年記念で明石康名誉センター長が講演
アジア研究センターは1月11日、元国連事務次長で、同センター名誉センター長の明石康氏を招き、天白キャンパス共通講義棟北で10周年記念講演会を開催しました。テーマは「国連加盟60年の時点に立ち、日本はどのような役割を果たせるのか-国連の実態、世界における日本の役割、国連で働くということ」。明石氏は学校法人名城大学元理事長の縁で本学と関わりができ、2011年から同センター名誉センター長を務めています。
センター長の佐土井有里教授が司会をし、冒頭、福島茂副学長が同センターの設立以来10年間の歩みを紹介しながら、「アジアの研究者が学び、本学と共同研究し、きずなを深める拠点にしてほしい」と今後の期待を述べました。
明石氏は日本が国連に加盟した1956年の翌57年、専門職以上で日本人初の国連職員になりました。広報担当事務次長や人道問題担当事務次長、旧ユーゴスラビア担当事務総長特別代表などを歴任しました。とりわけ、日本国民からは1992年のカンボジアでの平和維持活動(PKO)などで注目を浴びました。
講演で明石氏は、国連の活動に光と影があることを率直に認めた上で、「国連の置かれている現実を必要以上に美化したり、ロマンチックに考えたりするのは間違いだが、無力かというとそうでもない」、「80%は権力政治の場で利害が渦巻くが、20%は理想、平和の理念、価値、人権の思想が生きていると思う」と、内側からつぶさに見てきた国連の実態を語りました。
定員154人の講義室は、一般の聴講者を含めて満席となりました。講演後の質疑応答では、経済学部産業社会学科2年の田澤雅之さんが「国連ができることと、できないことがあると言われたが、その判断材料は」と質問。明石氏は「非常に難しいが、いい質問」と応じ、「紛争当事者が相手と手を結ぶ決意があるか」と答えました。さらに「日本で一番大事なのは、発信力より受信力。相手が何を求めているか、気持ちを想像すること」と、仲介者としての日本の役割を説きました。
2006年9月19日 | 開所式 アジア地域の理解とその持続可能な発展に貢献することを目的とする。所長に都市情報学部の福島茂教授(現副学長)が就任(~2010年)。明石康名誉所長による開所記念講演会「グローバル化の中のアジアと日本」 |
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2008年1月30日 | 明石氏懇話会「アジアにおける紛争の様々」 |
2009年12月16日 | 明石氏講演会「国連平和維持活動の変遷と展望:日本の参加はなぜ低調か」 |
2011年4月 | 組織再編に伴い名称を「アジア研究センター」と変更。総合大学の強みを生かしたプラットフォーム型の研究機関として、成長著しいアジアへの理解とその持続可能な発展に資する研究を行う拠点としての機能・役割の強化を図る。センター長に経営学部の田中武憲教授が就任(~2014年)、明石氏は名誉センター長に |
2013年1月22日 | 明石氏講演会「世界における日本の役割」 ※2011年度は、東日本大震災の影響により講演開催が見送られ、2012年度の開催となった |
2015年1月22日 | SGH(スーパーグローバルハイスクール)事業・高大連携講座「国際社会で活躍する人材育成」※センターと附属高等学校との共催講座 第1部:グローバルリーダー講座「21世紀の高校生に期待すること」講師:明石氏 第2部:附属高校生徒によるSGH成果報告発表、明石氏が講評 |
2015年4月 | センター長に経済学部の佐土井有里教授が就任 |
2017年1月11日 | 明石氏講演「アジア研究センター10周年記念講演会」 |