移行用/ニュース 農学部道山教授が第13回国際ソバシンポジウムで優秀口頭発表賞
9月7日から11日まで韓国の清洲市(忠北大学)と平昌郡で開催された第13回国際ソバシンポジウムで、農学部生物資源学科の道山弘康教授が優秀口頭発表賞に選ばれました。
受賞題目は「Effect of Day Length and Temperature on the Growth, Flowering and Seed-setting in a Rice-Tartary Buckwheat Line」で、作物学研究室の平野達也教授と農研機構北海道農業研究センターとの共同研究によるものです。ソバ属植物は、血糖値やコレステロールを低下させて糖尿病や高血圧などの血管障害を防ぐ効果を持つルチンを含んでいます。ダッタンソバは普通ソバの約100倍のルチンを含んでいるために近年注目され、日本だけでなく世界で栽培が増えています。しかし、その栽培特性はあまりはっきりとしておらず、栽培に失敗しても理由が不明な状況です。そこで、道山教授らはダッタンソバの生長、開花および結実に及ぼす日長時間と気温の影響を詳細に解析。普通ソバの夏型品種に似てはいますが、極めて高温に弱く、昼27℃夜20℃の中程度の高温でも結実が著しく悪くなること、昼30℃夜23℃の高温ではつぼみができても開花せず、結実もしなくなることを明らかにしました。
同シンポジウムは1980年から3年に1度ずつ開催され、研究報告と情報交換を行っています。ソバの栽培、育種、遺伝資源の探索、バイオテクノロジー、品質、栄養、調理、食文化などさまざまな分野の研究者だけでなく、農家、食品関連業者、教員などが世界から集まり、みずからをBuckwheat Family(buckwheatは「そば」のこと)と呼ぶほど強固な関係を作ってきました。今回は、北欧と東ヨーロッパ各国、ロシア、北アメリカ、オーストラリア、インド、東アジアなど13カ国から約150人の参加があり、日本からも大学、試験場、ソバ関連食品業者、ソバ製粉業者が参加しました。