移行用/ニュース 700人が参加し赤﨑終身教授と天野名大教授のノーベル賞受賞記念式典

  • 700人が参加して華やかに行われた記念式典で謝辞を述べる赤﨑終身教授(1月30日、名古屋観光ホテル曙の間で) 700人が参加して華やかに行われた記念式典で謝辞を述べる赤﨑終身教授(1月30日、名古屋観光ホテル曙の間で)
赤﨑勇終身教授と天野浩名古屋大学大学院教授(元名城大学教授)の2014年ノーベル物理学賞受賞を祝う記念式典と祝典が1月30日、名古屋市中区の名古屋観光ホテルで開かれました。赤﨑終身教授、天野教授の研究活動の舞台となった名城大学、名古屋大学、豊田合成株式会社の主催で開催されたもので、ビデオメッセージを寄せた安倍晋三総理大臣をはじめ、政界、地元自治体、学界、産業界などから約700人が参加し、祝賀ムードに包まれた会場ではあらためて2人の受賞に対する賛辞が相次ぎました。

小笠原理事長ら3氏が主催者あいさつ

  • 主催者の一人としてあいさつをする小笠原理事長
  • 主催者の一人としてあいさつをする小笠原理事長
「曙の間」で行われた記念式典で主催者を代表してあいさつしたのは名古屋大学の濱口道成総長、名城大学の小笠原日出男理事長、豊田合成の荒島正社長。濱口総長は12月にストックホルムで行われたノーベル賞授賞式に参加し、2人の記念講演に感動した思い出を語り、「赤﨑先生は『不屈』を天野先生は『社会での貢献』を語った。これからの世界を担う若い世代に引き継ぐべき大きな志だと私たちは考えております」と述べました。
小笠原理事長は、「赤﨑先生、天野先生の共同受賞は、厳しい環境にある大学にこのうえなく力強いエールを与えてくれました。目標に向かいコツコツとやり遂げる精神こそは、教育、研究の現場で心強い心の支えとなります」と強調。荒島社長は、「ノーベル賞に企業が関わることは極めて異例で大変光栄に思います。世界中が注目するストックホルムでの授賞式に参列させていただき、あらためて両先生の研究成果の偉大さを感じるとともに、LEDメーカーのパイオニアとして、今後も誇りと責任を持って、事業に取り組む決意を新たにしました」と祝辞を述べました。

安倍総理大臣がビデオメーセージで賛辞

  • 安倍総理大臣のビデオメッセージに見入る参加者たち
  • 安倍総理大臣のビデオメッセージに見入る参加者たち
ビデオメッセージを寄せた安倍総理大臣は「お二人が掲げたLEDの青い光により、まだ電化されていない地域の子供たちは暗い夜でも勉強でき、未来を手に入れることができる。日本で生まれ育った技術が世界を変えようとしています」「何度失敗してもくじけない、夢を絶対にあきらめない赤﨑先生の研究者としての誇り高き信念こそが、私たち人類の地球を変えました」と賛辞を送りました。
各界からの祝辞に対して赤﨑終身教授は、「受賞は同じ研究分野の学会、あるいは産業界の方々の多くのご支援のたまもの。あらためて、衷心より深謝の意を表しますとともに、このたびの栄誉を皆さまと分かち合いたいと存じております」と謝辞を述べました。天野教授も「これからやるべきことは、新しい産業をどんどん起こすということと、夢を持った若い人たちを応援すること。若者の応援団として精進していきたいと思っています」と謝意とともに、今後の決意を語りました。

野依客員教授が乾杯あいさつ

  • 乾杯あいさつで赤﨑終身教授、天野教授の快挙をたたえる野依客員教授
  • 乾杯あいさつで赤﨑終身教授、天野教授の快挙をたたえる野依客員教授
記念式典に引き続き、「那古の間」では祝典が華やかに行われ、2001年ノーベル化学賞を受賞し、名城大学客員教授、名古屋大学特別教授でもある野依良治理化学研究所理事長が乾杯発声のあいさつ。赤﨑終身教授らの受賞を、「青色LEDは科学技術立国の日本、知を愛する『愛知』にふさわしい受賞」と祝福しました。祝宴が繰り広げられる中、赤﨑終身教授夫妻、天野教授夫妻の席には、直接お祝いの言葉を伝えようという参加者たちの列が続きました。この日は赤﨑終身教授の86歳の誕生日。祝典では長女、二女のお二人から花束が贈られる“サプライズ”もありました。
  • 赤﨑終身教授に直接あいさつしようと行列をつくる参加者たち
    赤﨑終身教授に直接あいさつしようと行列をつくる参加者たち
  • 祝典参加者へお礼のあいさつをした主催者たち。左から中根敏晴学長、小笠原理事長、赤﨑終身教授、天野教授、荒島社長
    祝典参加者へお礼のあいさつをした主催者たち。左から中根敏晴学長、小笠原理事長、赤﨑終身教授、天野教授、荒島社長
受賞は教育、研究現場で心強い心の支えに
小笠原日出男理事長のあいさつ(要旨)
20世紀は白熱灯が照らし、21世紀はLEDが照らすといわれるように、LEDは社会に計りしれない変化と貢献をもたらし、日本の科学技術の水準の高さを世界に示しました。ノーベル賞受賞者を輩出する私学は、中部地方を含めた東日本では本学が初めてとなりました。
少子化の荒波の中で、大学は大変厳しい環境にありますが、そうした中で赤﨑先生、天野先生の共同受賞はこのうえなく力強いエールを与えてくれました。目標に向かって、コツコツとやり遂げる精神こそは、教育、研究の現場で心強い心の支えとなるものと思います。両教授の志を全学でしっかりと受け止め、赤﨑研究室の教員を筆頭に、他の分野の教員も交えて、幅広い研究体制を整え、産業界の技術開発に貢献できる大学に成長させていきたいと思います。今回の栄誉を起爆剤とし、名古屋大学様、豊田合成様との連携をさらに強固にし、日本の学術のさらなる発展に寄与できる大学づくりをめざしていきます。

栄誉を皆さまと分かち合いたい
赤﨑終身教授の謝辞(要旨)
私は30歳代後半から、コバルトブルーの光に魅せられ、窒化ガリウムによるpn接合による高性能の青色発光素子の実現を志してまいりました。このたびの受賞は、本日ご臨席の皆さまをはじめとして、名古屋大学、名城大学の先生方の大変あたたかいご理解とご指導、そして豊田合成株式会社、ならびに豊田中央研究所の皆さまの大変なご尽力と、さらに文部科学省、経済産業省、科学技術振興機構ならびに日本学術振興会の関係各位の永年にわたる物心両面にわたるご支援があったからです。
そして、私が仕事をしてまいりました1回目の名古屋大学時代、それに続く松下電器東京研究所の時代、そして2回目の名古屋大学での仕事、それに引き続く名城大学での多くの優秀で元気な学生さんと強力な共同研究者の貢献があったからにほかなりません。また、同じ研究分野の学会、あるいは産業界の方々の多くのご支援のたまものだと思っています。あらためて、衷心より深謝の意を表しますとともに、このたびの栄誉を、皆さまと分かち合いたいと存じております。
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