移行用/ニュース 急性肺障害治療薬につながるたんぱく質発見で二改教授らが発表
薬学部の二改俊章教授(微生物学)は6月24日、国立病院機構東名古屋病院の小川賢二副院長(呼吸器内科)とともに天白キャンパスで記者会見し、肺炎や敗血症などを先行疾患として起きる急性肺障害を抑制することが期待されるたんぱく質をカビから発見し、その結晶構造解析に成功したと発表しました。研究は名古屋大学大学院理学研究科、大阪大学大学院理学研究科、長浜バイオ大学、および白鶴酒造との共同研究として行われました。二改教授は、X線結晶構造解析の結果、肺に自己障害的に作用する好中球エラスターゼとの結合様式が解明されたことから、「新規たんぱく質は治療に難渋している急性肺障害の効果的な治療薬につながる可能性がある」とし、現在、アスペルギルスによる急性肺障害モデルマウスに対して良好な治療効果が得られていると説明しました。
急性肺障害は肺炎や敗血症などをきっかけに起こり、死亡率は50%と言われます。二改教授らは今後、他の急性肺障害モデル動物を用いた実験を行い、治療効果の検討を実施する予定です。研究成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版に掲載されました。
二改教授らの研究グループの発表は、6月26日付中日新聞で報道されました。
【写真】新規たんぱく質発見で記者発表する二改教授と小川副院長(タワー75の1002室で)