移行用/ニュース 「現代社会と科学」でノーベル物理学賞受賞の益川敏英さんが特別講演

理工学部の理工談話会主催の特別講演会が9月8日、益川敏英・名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長を講師に迎え、共通講義棟北の名城ホールで開かれました。

理 工談話会は理工学部の9学科と教養教育が持ち回りで外部から講師を招き、年10回開催している理工学部内での講演会です。教養教育担当の今回は通算397 回目ですが、2008年ノーベル物理学賞受賞者である益川さんが講師を務めることになり、対象を全学部、一般市民にオープンにし、特別講演会として開催さ れました。

益川さんは約400人を前に「現代社会と科学」のテーマで講演。最初に、コンビニに並んでいる商品が、各コンビニから上がってく るデータをもとに、どういう具合に並べたら最も売れるかが決められている例を紹介しながら「現代社会は科学的行為を無視しては生きられない」と指摘しまし た。そして、「若者たちも科学的アプローチとはどんなものか、一つひな形を覚えて勉強することが必要。ありとあらゆるものを身につける必要はないが、もう 一つ違った性質のものを学んでみると大体のものに適応できる。学問にはいろんな性質があり、その違いがどうなっているかが分かるだけの判断力がいる」と、 益川さんが名づけているという「井の中の蛙(かわず)の定理」について解説。細菌学者のパスツールがカイコの知識がないのにカイコの病気の流行を防いだこ とを例に、「科学は研究が基本的であればあるほど、多くの分野で適応性が高い」などと述べました。講演終了後の益川さんの前には質問や一緒に記念撮影を求 める学生たちの行列ができました。

【写真】「現代社会と科学」をテーマに講演する益川さん(名城ホールで)

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