トップページ/ニュース ナゴヤドーム前キャンパスでグローバル人材育成教育学会を開催 全国各地から延べ374人が参加
外国語学部と附属高校が連携
グローバル人材育成教育学会第6回全国大会が10月20、21日の両日、ナゴヤドーム前キャンパスで開催され、全国各地から延べ374人が参加しました。実行委員長は外国語学部のアーナンダ・クマーラ学部長が務め、同学部の教員、学生、附属高校生らが運営に尽力しました。
「グローバル人材教育のこれまで、そしてこれから~連携する高大、産官学からグローバル人材へ~」をテーマに掲げ、研究者から学生、生徒までがグローバル人材育成について横断的な視点で報告や議論を繰り広げました。
20日は、豊田工業大学の榊裕之学長の基調講演で始まりました。シンポジウムは「産学・高大接続連携から見るグローバル人材育成」と「企業のグローバル化対応」の2題が用意されました。「企業のグローバル化対応」では、クマーラ学部長をコーディネーターに、株式会社アバンセコーポレーション社長、三菱商事株式会社中部支社総務部総務・人事・情報チームリーダー、LEGOLAND Japan株式会社ヒューマンリソースディレクター、株式会社地球の歩き方T&E社長が意見を交わしました。
21日は、各種シンポジウムや口頭発表、今回の目玉である、名古屋外国語大学の亀山郁夫学長と秋田県にある国際教養大学の勝又美智雄名誉教授によるトークショーなどが濃密に組み込まれました。
「高大連携の理想モデルを探る」と題したシンポジウムでは、附属高校の伊藤高司教諭が登壇。外国語学部の3年生2人を「学校インターンシップ」として受け入れた実践報告をしました。学校インターンシップは同学部が始め、教職を目指す学生に学校現場で体験的な活動を提供する取り組みです。伊藤教諭は「まだ始めたばかりだが、学生には校内の学習ルームで活動してもらい、学校の生の姿を見てもらった」と語りました。
「学生たちが考えるグローバル化」と題したシンポジウムでは、外国語学部3年の松下あかねさんを総合司会に、同学部生と附属高校生の混成グループでグローバル化をめぐる調査をした結果を3グループが発表しました。大学生は高校へ、高校生は大学のキャンパスへそれぞれ足を運んで同じ目線で考察し、5人ずつで息の合った報告を披露。本学ならではの高大連携としてアピールすることができました。
外国語学部のグローバル人材育成の取り組みを報告
- 外国語学部の事例報告をするクマーラ学部長(左端)ら
- 実践報告するボイズ特任講師
外国語学部のグローバル人材育成については、クマーラ学部長ら5人の教員が報告しました。柳沢秀郎准教授は、学生一人一人の学修カルテ(ポートフォリオ)を学部教員全員で共有できる体制を具体的に説明しました。ニコラス・ボイズ特任講師はコメントカードと名付けた交換カルテを導入し、学生からは授業への反応を引き出し、教員は学生一人一人にコメントを与えて学修状況の認識を合わせる実践を英語で報告しました。
SGHの附属高校の実践も紹介
- 亀山学長(左)と勝又名誉教授のトークショー
亀山学長と勝又名誉教授のトークショーは「人材」をより突っ込んで「人財」と規定し、グローバルに活躍する「人財」の育成について縦横に語り合いました。亀山学長はロシア文学研究の第一人者として著名ですが、「英語の重要性は今後もっともっと高まる。できるだけ早く英語を克服して英語圏の人たちと同レベルになった上で、精神的なものを積み上げる方がいい」とコメントしました。
最後は、高校でのグローバル人材育成の取り組みに関するセッションがもたれ、附属高校からは羽石優子教諭が解説しました。同校は文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定され、羽石教諭はその中心的役割を担っています。羽石教諭は課題探究や海外研修について報告し、注目を集めました。生徒によるSGHグローバルフィールドワーク報告もありました。
盛況のうちに閉幕
閉会式では、大会運営での活躍が目覚ましかった学生ボランティアたちに惜しみない賞賛の声が上がりました。参加者の多くがその丁寧な対応に感銘を受けたと、その驚きをあらわにしていました。最後に、この分野の重鎮たちと次世代を担う若者たちで肩を並べて記念写真に納まり、大会は盛況のうちに閉幕しました。
- 外国語学部のジェイムス・ロジャース准教授(中央)の報告
- 柳沢秀郎准教授の報告
- 外国語学部のポール・ウィキン准教授の報告
- ボイズ特任講師の報告