トップページ/ニュース 世界最小しきい値電流密度「トンネル接合GaN レーザー」を開発
~高効率GaN 青色レーザー基盤技術のひとつを実証〜

竹内哲也教授「さらに高効率なレーザーを作りたい」

ガッツポーズする竹内哲也教授(左端)、天野浩特別栄誉教授(右端)ら ガッツポーズする竹内哲也教授(左端)、天野浩特別栄誉教授(右端)ら
トンネル接合GaNレーザーができる過程を示す展示物 トンネル接合GaNレーザーができる過程を示す展示物

理工学部材料機能工学科の竹内哲也教授(光デバイス研究センター長)らの研究グループは、青色LEDを発展させた、安全・安心な社会実現に寄与する新しい光デバイス(半導体レーザー)の開発を目指しており、このたび、トンネル接合を有する窒化ガリウム(GaN)青色レーザーとして世界最小しきい値電流密度を実現しました。

この研究グループは、前年度に「低抵抗・低コストGaNトンネル接合」を実現しています(2018年5月16日に成果発表)。
今回、このトンネル接合を用いて、波長450nmで動作する青色GaNレーザーを開発しました。
レーザー動作に必要な電流密度は1.6kA/cm2であり、これまでに報告されたトンネル接合GaNレーザーとして最も低い値を実現しました。このトンネル接合GaNレーザー層構造は、生産性が高い有機金属化合物成長装置(MOVPE 装置)1種類のみで形成されており、将来的な低コスト化も可能です。本成果により、高効率GaNレーザー開発が大きく加速することが期待されます。

成果を発表する竹内哲也教授(左から2人目) 成果を発表する竹内哲也教授(左から2人目)
竹内哲也教授(中央) 竹内哲也教授(中央)

本研究は、文部科学省の「省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発」の一環として行われました。同研究開発は2016年度から5カ年で進められています。
研究成果の記者発表が5月22日に東京・霞が関の文部科学省で開かれ、同研究開発(中核拠点)代表の天野浩名古屋大学未来材料・システム研究所教授(本学特別栄誉教授)らが出席しました。

竹内教授はレーザーデバイス・システム領域代表として発表し、「トンネル接合を用いたレーザーとして、世界で一番少ない電流で動作させることに成功しました。今後は高品質な活性層を組み込むことでさらに高効率なレーザーを作りたい」と意欲を示しました。

*本研究成果(トンネル接合)は、特許出願(特願2017-239235)済みです。
また、Applied Physics Express(February 2019)に発表し、Spotlight article として選出されています。

詳細はプレスリリースをご覧ください。

世界最小しきい値電流密度「トンネル接合 GaN レーザー」を開発(PDF)
「省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発」主な報告内容(PDF)

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