トップページ/ニュース 都市情報学部の稲葉教授が杉原千畝本を刊行 命を賭した救出劇を32話

杉原生誕120年、「命のビザ」発給80年の節目

ナゴヤドーム前キャンパスの研究室で新著を手にする稲葉千晴教授 ナゴヤドーム前キャンパスの研究室で新著を手にする稲葉千晴教授
ホロコーストの舞台の一つとなったポーランドのアウシュビッツ収容所。稲葉教授は何度も訪れている ホロコーストの舞台の一つとなったポーランドのアウシュビッツ収容所。稲葉教授は何度も訪れている

都市情報学部の稲葉千晴教授(国際関係論)が、命や職を賭してユダヤ人をホロコースト(大量虐殺)から救った人たちを概説した新著「ヤド・ヴァシェームの丘に ホロコーストからユダヤ人を救った人々」を刊行しました。第二次世界大戦中の1940年に「命のビザ」で多くのユダヤ人を助けた外交官、杉原千畝(1900~1986年)を含む32の事例に絞って著述。薄氷を踏むそれぞれの救出劇や露見しての惨殺劇が展開します。

成文社刊。四六判160ページ。1500円+税。

稲葉教授は、杉原の母校、名古屋市の旧制第五中学校(現愛知県立瑞陵高校)前に愛知県が整備した「杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル」に掲げられたパネルの文章を監修した専門家。イスラエルがエルサレムにあるホロコースト記念館「ヤド・ヴァシェーム」で、ユダヤ人を救った各国の非ユダヤ人を厳選して「諸国民の中の正義の人」と呼んで顕彰していることに着目。これに「有徳の人」という新訳を充て、2万7000人を超える受賞者の中から、映画「シンドラーのリスト」で有名なオスカー・シンドラーなどを選んでそれぞれの人道的行為と略歴を簡潔に紹介しています。

今年は杉原の生誕120年、「命のビザ」発給80年。稲葉教授は「自分一人でも生きていくのが難しい時代に、多くの人が死の瀬戸際に追い込まれて苦しんでいるユダヤ人を救おうと尽力した。杉原は1985年、日本人で唯一、有徳の人を受賞したが、本書では最新の研究成果を踏まえながら、通説とは違った面にも光を当てている」と話しています。

7月26日付中日新聞愛知県内版で紹介されました

岐阜県八百津町生まれの杉原の胸像と同町杉原千畝記念館 岐阜県八百津町生まれの杉原の胸像と同町杉原千畝記念館
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