トップページ/ニュース 理工学部がインドの大学とウェブで国際シンポジウム ノーベル化学賞の吉野彰教授が基調講演
吉野教授はノーベル・レクチャーを再現
- オンラインで基調講演する吉野彰教授
- 基調講演の演題
理工学部は8月26、27日の2日間、国際的な学部間協定を結んでいるデンプ人文科学大学などとオンライン会議形式のシンポジウムを開きました。天白キャンパスと、同大学があるインド西海岸のゴアとをオンラインでつなぎ、カーボンナノチューブなどの研究発表と質疑応答が活発に繰り広げられました。
「材料科学と持続可能な社会への革新に向けた国際シンポジウム」と名付けられ、本学ナノマテリアル研究センターとデンプ人文科学大学、ゴア大学間研究クラスター(化学領域)が主催しました。
初日の基調講演は、2019年ノーベル化学賞受賞者の吉野彰大学院理工学研究科教授が務めました。演題は「リチウムイオン電池の経緯とこれから」。吉野教授は2019年12月にスウェーデンのストックホルムで行われたノーベル・レクチャーと同じ内容を講演。自ら開発したリチウムイオン電池が、AI、IoT、5Gといった新規技術との結びつきにより、経済性、環境、利便性のバランスがとれた持続可能な社会を実現させる重要な役割を担うという展望を示しました。
日本、インド、ネパールから2日間で延べ300人がオンライン参加
理工学部応用化学科からは初日、飯島澄男終身教授の研究協力者でカーボンナノチューブなどを研究する坂東俊治教授が「グラフェンへの窒素ドーピングとナノワイヤー内包カーボンナノチューブの合成と評価」という演題で天白キャンパス研究実験棟Ⅱから発表しました。坂東教授は、グラフェン中の窒素のドーピング位置と導電性との関係、およびカーボンナノチューブ内への硫化モリブデンナノワイヤーの形成の2つの研究内容について講演を行いました。
2日目は、本学で博士研究員を務める、ネパール出身のカマル・シャルマ博士が研究実験棟Ⅱから遠隔参加しました。「白金族元素を触媒とした単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の合成」と題した報告では、プラチナ、ロジウムやイリジウムを触媒とすることで、SWCNTの細径成長や低温成長が実現できる」ことを解説しました。このほか、本学からは学生と研究員の2人が発表しました。
日本、インド、ネパールから多くの講演がなされ,2日間でオンラインだけで延べ約300人が参加し、これ以外にもYou Tubeで視聴した参加者もいました。
- 坂東俊治教授
- カマル・シャルマ博士
丸山隆浩教授「デンプ大学との協力関係を発展させたい」
飯島終身教授の研究協力者で、シンポジウムを共同運営したナノマテリアル研究センター長の丸山隆浩教授(理工学部応用化学科)は「両大学間の協定を基に、今後も共同研究などお互いの協力関係を発展させていきたい」と総括しました。
- 丸山隆浩教授(左端上から3人目)