トップページ/ニュース 総合研究所公開講演会で中路・弘前大学特任教授が実践報告

大学をハブに地域貢献しながら健康データを収集

講演する中路重之特任教授 講演する中路重之特任教授
講演に聞き入る教職員、学生ら 講演に聞き入る教職員、学生ら

総合研究所は11月27日、天白キャンパスのタワー75で、公開講演会を開催しました。講師は、弘前大学大学院医学研究科の中路(なかじ)重之特任教授で、「弘前大学COIにおける地域保健活動の研究、地域貢献、産官学連携への応用と成果 岩木健康増進プロジェクトを基礎として」の題で、同大学の実践報告をしました。中路教授のユーモアを交えた分かりやすい語り口に教職員、学生ら約50人が聞き入りました。

COI(センター・オブ・イノベーション)は文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム」で、10年後を見通した革新的な研究開発課題を特定した上で、既存分野・組織の壁を取り払い、企業だけでは実現できない革新的なイノベーションを実現するプログラムです。今回の講演は、本学が弘前大学COI事業に共同研究機関として正式参画することを記念して開催されました。

中路教授は弘前大学COI拠点長。薬学部の梅田孝教授や法学部応用実務法学科の米田勝朗教授(女子駅伝部監督)の恩師でもあり、弘前大学側の代表として本学女子駅伝部のメディカルサポートも担っています。

中路教授は、青森県の平均寿命都道府県ランキング最下位の返上を目指して同県岩木町(現・弘前市岩木地区)で2005年、岩木健康増進プロジェクトを始めました。梅田教授は当時、同大学准教授でこのプロジェクトの創始者の一人です。弘前大学COIは2014年に採択され、同プロジェクトを基盤とし、「地域住民の健康づくり」をキーワードに活動するわが国を代表する事業の一つとして評価を上げています。

講演では、住民の採血や健診から得られる膨大な健康データを活用した研究について詳しく解説。行政や産業界、全国の主要大学を巻き込み連携を広げてきた経緯や、弘前大学がハブとなった独自の健康イノベーションプラットフォーム構築の取り組みを紹介しました。

中路教授が強調したのは、地域に貢献しながら住民の健康データを集め、「短命県」返上というゴールに向けて強力な推進体制を築いたことです。

講演後、中内達郎社会連携センター課長が、周囲を巻き込んだ方法について質問。中路教授は「それぞれの人のwin-winになるようにすること。プラットフォームをつくるのに大学は間に立ちやすい。私と梅田先生は自分たちが動くことで大学や地域社会を動かしたいと思って始めた」と、自分の経験をもとにアドバイスしました。

本学梅田教授と米田教授の恩師

  • 開会あいさつをする平松正行副学長(左) 開会あいさつをする平松正行副学長(左)
  • 閉会あいさつをする原脩総合研究所長(左手前) 閉会あいさつをする原脩総合研究所長(左手前)
  • 講師紹介をする梅田孝教授(左) 講師紹介をする梅田孝教授(左)
  • 質問する中内達郎社会連携センター課長 質問する中内達郎社会連携センター課長
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ