トップページ/ニュース 「名城大学 新型コロナウイルス対策研究プロジェクト」 2021年度も薬学部の2件が選ばれる
独自の変異株識別法の発展、粉末製剤の治療薬開発で社会実装目指す
新型コロナウイルス感染症との闘いが世界中で続いていますが、2020年度に創設された「名城大学 新型コロナウイルス対策研究プロジェクト」に、2021年度も薬学部の2件が選定されました。
神野透人教授(衛生化学)が代表の「新型コロナウイルスSARS-CoV-2の変異株スクリーニングの検査方法としての実用化に向けた高解像度融解曲線分析を利用した試験法の開発」と、奥田知将准教授(薬物動態制御学)が代表を務める「在宅COVID-19治療を実現する吸入siRNA粉末製剤の開発」です。研究期間は2021年9月17日から2022年3月15日まで。研究費助成金は各200万円です。9月17日に天白キャンパス本部棟で研究費助成金の伝達式が行われました。
小原章裕学長はあいさつで、「研究成果が社会に貢献することと、名城大学の研究レベルを社会に発信する大きな機会となることを期待する」と述べました。
神野透人教授「新型コロナウイルスSARS-CoV-2の変異株スクリーニングの検査方法としての実用化に向けた高解像度融解曲線分析を利用した試験法の開発」
- 研究費助成金の伝達書を受け取る神野透人教授
神野教授は2年連続の選定です。高解像度融解曲線(HRM: high resolution melting)分析という、全国的に注目される新型コロナウイルス変異株の識別法を総合的なシステムとして確立させることを目指しています。今年度は、学術研究支援センター URA(University Research Administrator)のマッチングで、米澤弘毅理工学部情報工学科准教授との共同研究が加わりました。同准教授は、機械学習を利用したHRM法の精緻な解析手法の開発を担当します。伝達式では「総合大学としての強みを発揮し、これまでのプロジェクトをさらに発展させたい。新型コロナウイルス感染症流行の第6波を抑えたい」と意気込みを語りました。
奥田知将准教授「在宅COVID-19治療を実現する吸入siRNA粉末製剤の開発」
- 名城発・日本初への意欲を示す奥田知将准教授(右)
奥田准教授は、薬を必要最低限の量で、必要な時間、必要な場所へ、狙い通りに届ける技術であるドラッグデリバリーシステム(DDS :Drug Delivery System)を研究してきました。同感染症に対する在宅治療の確立に向けて、核酸医薬品のsmall interfering RNA(siRNA)に着目し、吸入剤としての臨床応用に適した物性・機能を有するsiRNA粉末製剤の開発を目指します。伝達式では「この粉末製剤が開発できれば、患者は軽症の段階で在宅のまま使える。名城発・日本初の新薬開発につなげたい」と意欲を示しました。