在学生・教職員/ニュース 2021年ノーベル化学賞の業績を薬学部の西川泰弘助教が記者に解説

有機合成化学が専門

合成化学の分厚い本と取材に答える西川泰弘助教 合成化学の分厚い本と取材に答える西川泰弘助教
10月6日夕、記者会見場としてセットされた部屋でノーベル化学賞の受賞発表に見入る学生たちと報道カメラマン(手前) 10月6日夕、記者会見場としてセットされた部屋でノーベル化学賞の受賞発表に見入る学生たちと報道カメラマン(手前)

10月4日から2021年ノーベル賞の発表が相次ぎ、5日は物理学賞、6日は化学賞の受賞者が決まりました。本学には、カーボンナノチューブ(CNT)の発見でノーベル物理学賞または化学賞の候補とされる飯島澄男終身教授がいます。2019年に吉野彰終身教授・特別栄誉教授が化学賞を受賞したため、本学には、「2年ぶり」を期待した報道陣が、受賞記者会見に備えて多数訪れ、会見場となる天白キャンパス共通講義棟ⅡのR261多目的室で発表の模様を映す中継を見守りましたが、飯島終身教授の受賞の報はありませんでした。

新型コロナウイルス感染防止のため会見場に入れる人数を絞り、5日は16社・46人、6日は15社・38人が出席しました。両日とも一部のテレビ局が、発表を待つまでをリポートし、ノーベル賞候補のいる大学として発信されました。

西川助教「環境にも優しく、安全、安価に化合物を作れる」

2021年の化学賞は、「不斉有機触媒の開発」で米独の研究機関の研究者に贈られます。2研究者の業績について10月6日、一部の記者から、学内の教員にコメントを求められました。薬学部薬学科機能分子化学研究室の西川泰弘助教が八事キャンパスの研究室で記者に解説しました。

西川助教は有機合成化学が専門で、シカゴ大学化学科博士研究員を務めました。

化学物質を合成する際、反応を促進するために触媒が欠かせません。従来は、パラジウムなどの重金属が多用されていましたが、2研究者は炭素や窒素などを組み合わせた有機物の触媒を研究し、2000年に成果を発表しました。重金属の触媒だと、高価だったり、毒性のあるものが混入したり環境への影響の問題がありますが、有機物を触媒にすることで、環境にも優しく、安全、安価に化合物を作ることができるといいます。

医薬品などの生体関連化合物では、右手と左手の関係にある二つの分子があります。たとえば,片方は薬になり、もう片方は毒になるという関係です。その中の、狙った片方だけを作るのが「不斉合成」です。この不斉合成を有機分子触媒によって達成する研究が近年活発に行われており、2研究者の研究成果はこの潮流を作り出したとして高く評価されています。2研究者は現在でもこの分野の最先端を走っていますので、ますますの研究の発展を通して、医薬品開発など物質を扱うさまざまな分野への貢献が期待されています。

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