在学生・教職員/ニュース 日本薬学会第142年会(名古屋)市民公開講座で池上彰教授が講演

演題は「アフターコロナの日本と世界はどこへ行く」

講演する池上彰教授 講演する池上彰教授
会場の様子 会場の様子

日本薬学会第142年会組織委員会は2022年3月27日、同学会第142回年会の市民公開講座として、ジャーナリストの池上彰本学教授の講演会を対面で開きました。会場の名古屋駅前のウインクあいち(愛知県産業労働センター)には高校生を含む285人が参加し、活発な質疑応答も交わされました。

東海地区での日本薬学会年会の開催は、東日本大震災のため紙上開催となった第131年会(2011年、静岡)以来11年ぶりとなります。

新型コロナウイルス感染症拡大のため、年会の学術発表はオンライン方式での開催となりましたが、一般向けの目玉行事として企画した市民公開講座は、先着400人の定員がすぐに埋まるほど関心を集めたため対面方式で実施しました。

池上教授「コロナ禍を逆手にとって創造的休暇に」

柳澤聖薬学部教授が司会を務め、年会組織委員長の森裕二薬学部教授のあいさつ、小原章裕学長の祝辞に続いて登壇した池上教授は「アフターコロナの日本と世界はどこへ行く」の演題で話しました。

池上教授は、ロシアによるウクライナ侵攻の最新情勢、新型コロナウイルス感染症やスペイン風邪、ペスト、天然痘の流行を軸に展開。「歴史に学ぶ」をキーワードに古今東西の事例や教訓をよどみなく紹介しました。ウクライナの首都キエフはロシア語に由来し、ウクライナ語では「キーウ」と発音するため、呼称を「キーウ」に変えたテレビ局があるというエピソードも交えました。

対面とあって質疑応答にも時間を割きました。

名城大学附属高校1年の小林希鈴さんは約100年前に世界で猛威を振るったスペイン風邪がなぜ終息したかと質問しました。池上さんはテレビ番組同様に「いい質問ですね」と応じ、分かりやすく答えていました。

最後は、古来ヨーロッパでたびたび大流行したペストに言及。ペスト禍で時間ができ、イギリスの劇作家シェークスピアは『ロミオとジュリエット』を創作し、イギリスの天文学者・数学者ニュートンは万有引力の法則を発見し、微積分法を発明したといわれると例を引き、「ペスト禍でできた時間は創造的休暇とも言える。皆さんも、コロナ禍を逆手にとって本を読むなどして時間を有効に使ってほしい」と呼びかけました。

客席最前列では、名城大学附属高校1年の上床彪(あやと)さんが池上教授の著書で最もお気に入りの『なぜ、世界から戦争がなくならないのか?』を手に聞き入っていました。

  • 客席からあいさつする森裕二教授 客席からあいさつする森裕二教授
  • 祝辞を述べる小原章裕学長(右は柳澤聖教授) 祝辞を述べる小原章裕学長(右は柳澤聖教授)
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ