在学生・教職員/ニュース フィンランドの教育専門家がドーム前キャンパスで講演

フィンランドの教育システムを解説

講演するペッカ・ヌルミネン氏 講演するペッカ・ヌルミネン氏

本学都市情報学部の稲葉千晴教授による国際専門研修プログラムの一環で、フィンランドの教育専門家ペッカ・ヌルミネン氏が10月19日、ナゴヤドーム前キャンパスを訪れ、稲葉教授が担当する講義「国際社会と政治」の中で、フィンランドの教育の特徴などについて講演しました。

プログラムは「フィンランド社会と政治 教育立国の教育政策と教育現場の検証」で、OECD(経済協力開発機構)によるPISA(学習到達度に関する国際調査)で上位を占めているフィンランドと日本の教育の現状について問題点や課題などを探るのが目的です。学生約80人が講演を聴講しました。

「全員が平等に同じカリキュラムで勉強」

  • 学生約80人が聴講 学生約80人が聴講
  • 稲葉千晴教授(右)が通訳 稲葉千晴教授(右)が通訳

フィンランド南西部のフォルッサ市の小中学校で校長を務め、現在は教育委員の要職にあるヌルミネン氏はまずフィンランドの教育システムを説明。すべての教育は無償で公立学校しかなく、全員が平等に同じカリキュラムで勉強していることや、教員は修士課程を卒業しており、教え方は自ら考え創意工夫しながら独自性を出していることなどを紹介しました。

その上で、フィンランドがPISAで上位になっている理由について、ヌルミネン氏は「落ちこぼれてしまう子どもが出ないように、教師はそれぞれの子に合った教え方を常に考えている」と、成績が上位の子どもを対象にしてしまう日本との違いを強調。「勉強ができる子はできない子を助けるように指導して、クラス全体の学力を高めている」と語りました。

ただ、そのフィンランドも近年はPISAの順位は下がっているといい、ヌルミネン氏はフィンランドの教育の課題について、博士号など高いレベルの勉強を目指す生徒が少なくなっていることや、社会の多様化に伴う価値観の多様化、難民や移民が増えて言葉の壁などがある子どもたちの教育などを挙げていました。

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