在学生・教職員/ニュース 春日井キャンパス(農学部附属農場)本館が「中部建築賞」で入選
第8回(1976年度)の天白キャンパス体育館以来の受賞
最新の改築手法「リファイニング」の工事を終えて2022年春に再生された本学春日井キャンパス(農学部附属農場)本館(愛知県春日井市鷹来町)が「第54回中部建築賞」(中部建築賞協議会主催)の一般部門A(延べ面積2000平方㍍以上)で入選し、名古屋市中村区の名鉄グランドホテルで12月26日、立花貞司理事長らが出席して表彰式が行われました。
1941年に旧陸軍の名古屋陸軍造兵廠鷹来製造所の司令部棟として建てられた本館は、鉄筋コンクリートの地下1階地上4階建てで延べ床面積は約2670平方㍍です。80年余り経過した建物で躯体コンクリートの中性化も懸念されていましたが、問題がないことが判明し、また、歴史的な証人である建物ということもありリファイニングの検討を行い、工事を2021年6月に着工し、2022年3月に竣工しました。
「改修によって威厳と心地よい静寂性が蘇った」と審査委員長
- 表彰状を受け取る立花理事長(右)
- 表彰式に臨んだ(左から)佐藤徹さん、立花理事長、青木茂さん
リファイニングは既存の基礎や骨組みを再利用しながら長寿命化を図る手法で、工事では耐震補強を行ったほか、農学部特有の泥汚れに配慮したゾーニングや学生の休憩スペースの充実、エレベーターやスロープの設置によるバリアフリー対策などを実施。地下の展示スペースは動線と採光に配慮し、大きな吹き抜けや階段、ドライエリアが新設されました。
中部建築賞は1969年度から毎年、中部地域の発展に貢献し、環境に根ざした優れた建築物を表彰しています。一般部門A、B(延べ面積2000平方㍍未満)と住宅部門があり、本学では1976年度の第8回で天白キャンパス体育館が入選して以来の受賞です。今回は一般部門Aに33点の応募があり、春日井キャンパス本館など4点が入選に選ばれました。
春日井キャンパス本館について、審査員からは「改修によって、元の建築のもっていた威厳と心地よい静寂性が蘇った」(建築家で審査委員長の大野秀敏さん)、「歴史を残し今の使用に耐えるようにリノベするのは現代の大きなテーマの一つ。その解の一つがここに提示されている」(建築家の藤吉洋司さん)と評価されました。
表彰式には建築主の本学から立花理事長、設計者の青木茂建築工房の代表取締役社長でリファイニングの提唱者の青木茂さんとMAリファイニングシステムズ株式会社(現・ミサワホーム株式会社)常務の佐藤徹さん、施工者のTSUCHIYA株式会社代表取締役社長の土屋智義さんらが出席。代表して立花理事長に中部建築賞協議会の丹羽漸会長から表彰状が手渡されました。