在学生・教職員/ニュース ノーベル賞候補の研究者が熱く語り合う 東北大学と共催で特別シンポジウム開催

テーマは「大変革時代を生き残るモノづくり、ヒトづくりとは」

大学と産業界の未来を語り合ったシンポジウム 大学と産業界の未来を語り合ったシンポジウム

本学と東北大学の共催による特別シンポジウムが3月15日、天白キャンパス共通講義棟北の名城ホールで開催されました。いずれもノーベル賞候補とされる本学の飯島澄男終身教授、大同特殊鋼株式会社顧問で本学カーボンニュートラル研究推進機構の佐川眞人シニアフェロー、東北大学の大野英男総長がパネリストとして登壇し、大学と産業界の未来について熱く語り合いました。

「創造型実学」の名城大学 東北大学は「実学尊重」

  • (左から)飯島終身教授、大野総長、佐川シニアフェロー (左から)飯島終身教授、大野総長、佐川シニアフェロー
  • 企業関係者も多数来場 企業関係者も多数来場

本学と東北大学は2019年10月に「包括連携協定」を締結し、「減災」に関する共同研究を行うなど知的・人的交流を進めています。また、飯島終身教授と佐川シニアフェローは東北大学の大学院を修了しており、同大から特別招聘プロフェッサーの称号を授与されています。こうしたさまざまな両大学の結び付きが今回の特別シンポジウムの開催へとつながりました。

2026年に開学100周年を迎える本学は将来ビジョンとして「中部から世界へ 創造型実学の名城大学」を策定しており、東北大も「実学尊重」を理念の1つに掲げていることなどから、特別シンポジウムのテーマを「大変革時代を生き残るモノづくり、ヒトづくりとは~世界トップの研究者が語る『実学』と産業界の未来~」としました。

この日は教職員や学生、企業関係者ら約330人が耳を傾け、メディアも7社が取材に訪れました。初めに、本学の小原章裕学長が「本学と東北大学ともに重視する実学に触れていただき、人材育成の観点も交えた幅広い話を聞くことができると思います」とあいさつ。シンポジウムは日本科学技術ジャーナリスト会議の室山哲也会長がファシリテーターを務めて約2時間にわたって展開されました。

佐川シニアフェロー「10年後のニーズを考えて研究テーマを探して」

安価な金属で効率的な磁石を作ることを研究テーマとして世界最強の永久磁石「ネオジム磁石」を開発した佐川シニアフェローは、研究テーマを設定してアイデアを出しては実験を繰り返したという自らの研究人生を振り返りました。そのうえで若い研究者に向け「基礎的な勉強をしっかりとやって、10年後に何が必要か、10年後の社会のニーズを考えて研究テーマを探してほしい」と求めました。

「得意な技術、分野を持って研究に挑んで」と飯島終身教授

さまざまな応用が期待される炭素素材「カーボンナノチューブ(CNT)」を発見した飯島終身教授は「ノーベル賞級の研究は知的好奇心に導かれたセレンディピティ(偶然の発見)によるものも多い」と指摘。CNTの発見につながった要因として専門である電子顕微鏡の技術を徹底的に身につけたことを挙げ、「自分の得意な分野、技術を持って研究に挑んでほしい」と訴えました。

大野総長「世界を相手にした枠組みづくりを意識しなければ」

大容量記憶装置の開発につながるスピントロニクス半導体を開発した大野総長は、大学での研究について「役に立つ軸と考えを深める軸という両方の軸が必要」と強調しました。さらに、東北大学で進めている「災害科学」の研究の取り組みから「社会を変え、世界を動かす研究であり、世界に発信している。日本の大学も世界を相手にした枠組みづくりを意識していかなければならない」との認識を示しました。

最後に、東北大学の佐々木啓一理事・副学長が「パネリストの皆さんは目的意識を持って研究に取り組んでいることがはっきり分かりました。後に続く私たちも頑張っていかなければといい刺激になりました」と閉会のあいさつを述べました

  • 光を当てると音が鳴る実験を披露する飯島終身教授 光を当てると音が鳴る実験を披露する飯島終身教授
  • 約330人が聴講 約330人が聴講
  • 開会のあいさつをする本学の小原学長 開会のあいさつをする本学の小原学長
  • 閉会のあいさつをする東北大学の佐々木啓一理事・副学長 閉会のあいさつをする東北大学の佐々木啓一理事・副学長
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ