在学生・教職員/ニュース 「杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」 敦賀で特別研修
「人道の港 敦賀ムゼウム」を見学 ユダヤ人難民の史実を学ぶ
本学都市情報学部の稲葉千晴教授が責任者を務める学びのコミュニティ創出支援事業「杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」の特別研修が3月18日、福井県敦賀市の資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」で行われました。総勢24人が同館を訪れ、ユダヤ人難民への理解を深めました。
第二次世界大戦中、外交官の杉原千畝がリトアニアで発給した「命のビザ」を携えたユダヤ人難民は、ウラジオストクから航路で敦賀港に到着しました。「敦賀ムゼウム」はそうしたユダヤ人難民の史実や敦賀市民との交流などを映像や展示で紹介しており、名古屋でのガイドに役立てようと研修を企画しました。
- 敦賀港の歴史を学ぶ
- 敦賀市民の証言に見入る参加者
- 展示されている「命のビザ」
- デジタル資料も
講演会ではロシアとウクライナの歴史やウクライナ難民の現状を解説
- 館内で説明する西川館長(右)
- 講演する松島さん
一行は午前中、「敦賀ムゼウム」の西川明徳館長の説明を聞きながら、「命のビザ」のレプリカやデジタル資料、ユダヤ人難民が残した時計、「子どもが走り回っていた」といった当時の敦賀市民によるユダヤ人難民に関する証言やエピソードなどの展示を見学。熱心にメモを取ったり、西川館長に質問したりして、命の大切さや平和の尊さを学びました。
午後には、一行に同行した共同通信社の元モスクワ支局長で編集委員・論説委員を務める松島芳彦さんの「ウクライナ戦争の源流と展望」と題した特別講演を聴講。参加者に向けて松島さんは、ウクライナ侵攻を始めたプーチン大統領の思想をつくったロシアの歴史やウクライナとの関係などを分かりやすく解説し、難民問題にも言及しました。
一行はこの後、ユダヤ人難民を乗せた船を迎えた敦賀湾を一望できる金ケ崎城跡を訪れ、往時に思いをはせていました。研修を終えた山口ひかりさん(経営学部1年)は「ガイドをする時には、資料の実物がなくても言葉だけで想像しやすいように伝えていきたい」と話していました。
なお、特別研修にはロシア史が専門の栗生澤猛夫・北海道大学名誉教授も同行しました。栗生澤名誉教授も「ロシアにおけるユダヤ難民―1940年~1941年―」と題して講演をする予定でしたが、体調不良のため中止となりました。このため研修後、参加者に講演要旨が送られました。
- 講演を聴く参加者
- 「敦賀ムゼウム」の外観
- 敦賀湾を望む
- 最後に記念撮影