在学生・教職員/ニュース 在日フィンランド公使参事官が都市情報学部で講演

フィンランドがNATOに加盟した歴史的背景や経緯について解説

講演するラハティ公使参事官 講演するラハティ公使参事官

在日フィンランド大使館のミーア・ラハティ公使参事官(副代表)が6月7日、本学ナゴヤドーム前キャンパスを訪れ、都市情報学部の稲葉千晴教授が担当する講義「都市と国際関係」で講演し、約80人の学生を前に2023年4月にフィンランドがNATO(北大西洋条約機構)に加盟した歴史的背景や経緯などを英語で解説しました。稲葉教授に内容を要約していただきました。

稲葉教授による講演の要約は次の通りです

  • 日本滞在4年目のラハティ公使参事官 日本滞在4年目のラハティ公使参事官
  • 学生から質問も 学生から質問も

ロシアと接する国境が1300キロにも及ぶフィンランドは、長年軍事的非同盟を貫いてきましたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて外交政策を大きく転換。2022年5月にNATOに加盟を申請し、加盟各国の条約批准を経て2023年4月に正式に31番目の加盟国となりました。

歴史的にみると、ソ連の崩壊による冷戦の終結以降もフィンランドは強力な軍事力を維持してきました。その一方で、ロシアとの友好関係を維持するという難しい外交政策を進めていました。ところが、ロシアのウクライナ侵攻でフィンランドの安全保障環境が急激に変化し、世論調査によれば、NATO加盟に賛成する国民は26~28%から79%まで増えました。フィンランド政府は加盟が国民から支持されているとの認識を示しました。

今後のロシアとの関係について、フィンランドは紛争を未然に防ぐ努力を重ねて平和を求めていくことに変わりはありません。NATO加盟国に核保有国が含まれていることには「核の傘」に入って守られることになりますが、フィンランドは非核保有国であり、核兵器不拡散条約(NPT)を支持し続けています。日本の安全保障政策に似ています。

「欧州と東アジアの安全保障環境は関連し合っています」とラハティ公使参事官

ラハティ公使参事官は日本滞在4年目で、今年夏には任期を終えて帰国します。講演後には「フィンランドのNATO加盟と欧州の安全保障環境がどう変わったかについての話が参考になれば幸いです。欧州と東アジアの安全保障環境は関連し合っています」と話しました。

  • 稲葉教授からの質問に答える 稲葉教授からの質問に答える
  • 講演後に記念撮影 講演後に記念撮影
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ