在学生・教職員/ニュース 「杉原千畝ウクライナ難民募金」中間報告書 募金総額は664万円余に
街頭募金は計12回 本学の学生ら約200人が呼びかけ、約5000人から協力を得る
ロシアのウクライナ侵攻でリトアニアに逃れたウクライナ難民を支援する「杉原千畝ウクライナ難民募金」の代表を務める本学都市情報学部の稲葉千晴教授が6月21日、2022年4月から2023年5月までの募金活動の概要をまとめた中間報告書を公表しました。街頭募金や募金箱などに寄せられた善意は総額664万5765円に上り、稲葉教授は「協力していただいた方々に心から感謝します」と話しています。
リトアニア・シャウレイ広域市に寄付 難民の語学向上や就職支援の講座開設に活用
報告書によりますと、街頭募金は2022年4月23日にナゴヤドーム前大幸南南北ペデストリアンデッキで初めて実施。名古屋駅西口や本学キャンパス、豊川稲荷も含めて2023年5月17日までに街頭募金は計12回行い、本学の学生や豊川高校生らを中心にのべ約200人が募金を呼びかけ、約5千人から協力を得ることができました。さらに、本学と岐阜県の下呂温泉睦館、犬山市の大衆割烹せと路に設置された募金箱や銀行振り込みでの入金もありました。
寄せられた募金のうち494万3050円は、2022年6月にリトアニアのシャウレイ広域市に寄付しました。当初は同市に避難している4000人の衣食住などの生活支援に充てる予定でしたが、リトアニア語の習得や就職支援の要望が多く、寄付金は語学向上や就職支援用の講座開設に充てられました。同市からの報告では、難民1080人に対して13講座が実施され、248人が2022年末までに新たな仕事に就くことができたそうです。
報告書では「難民たちのリトアニア滞在も1年を超え、語学能力も向上したが、まだ戦争は終わらず、難民の帰国困難な状況が現在も続いている」と指摘。現在の募金残額は170万2715円で、稲葉教授が8月にリトアニアを訪問することから、今後の募金の使途や活動方針について「再度、難民たちの意見を聞いて送金先を検討し、2023年10月までに今後の方針を決めて報告したい」としています。
- 2022年4月の初めての街頭募金
- 2023年5月の街頭募金