在学生・教職員/ニュース 理工学部建築学科の生田教授の研究室が津島市で国際ワークショップ
フィンランド、スウェーデン、デンマークの大学生と協働で「まちづくり」
理工学部建築学科の生田京子教授の研究室の学生たちが今夏、愛知県津島市で、フィンランドとスウェーデン、デンマークの大学生たちと協力して、北欧の文化を取り入れた「まちづくり」に取り組む国際ワークショップに汗を流しました。その成果として9月8日から15日まで同市内の銭湯「池須温泉」で、北欧の文化に彩られて普段とは雰囲気が違う姿の銭湯を地域住民に披露しています。
のれんやヒンメリなど製作 日本の銭湯を北欧文化で彩られた空間に演出
生田研究室では2021年度から「学びのコミュニティー創出支援事業」に採択されたプロジェクトとして、フィンランドのタンペレ大学の学生や地域住民と共同で、かつては呉服店だった津島市内の空き家の町家「旧大黒屋」を地域コミュニティーの拠点としてリノベーション(再生)するワークショップに取り組んできました。
今年は「銭湯×北欧文化 銭湯で北欧の文化を感じよう」をテーマに、日本の伝統が息づく銭湯に北欧文化を持ち込み、新たなコラボレーションと発見がある空間づくりを目指しました。今回はタンペレ大学に加えてスウェーデンのウメオ大学、デンマークのオーフス建築大学の研究者と学生13人が8月24日に来日し、生田研究室の学生28人とともに旧大黒屋や天白キャンパスで協働作業に励んできました。
9月8日~15日に市民に披露 「普段とは雰囲気が違う銭湯を楽しんで」
- 北欧特有の柄をあしらった脱衣所ののれん
- のれんを製作したチーム
ワークショップでは学生たちは4チームに分かれ、①池須温泉の正面と男女の脱衣所に飾るのれん②小さな子どもに楽しんでもらう遊具③服やタオルを掛けることができる北欧風のワードローブ(収納家具)④光のモジュールとも呼ばれるフィンランド伝統の飾り「ヒンメリ」――作りをそれぞれ担当。どのチームも設計やデザインの考案から実際の製作に至るまで、日本と北欧の学生がアイデアを出し合い、協力し合って作業を進めました。
さらに、のれんに描いた柄は北欧の学生たちのアイデアを取り入れてツタや流れる模様など北欧らしさを出したり、子ども向けの遊具ではデンマーク沖などに生息する鯨類「イッカク」をデザインしたりして、日本と北欧の文化を融合させました。また、池須温泉の入り口と歩道との間に設置するヒンメリは、あんどん風に持ち運びできる構造物を作って日本の風鈴と組み合わせ、夜にはライトが灯って道行く人たちの目を引くようにしました。
ヒンメリ製作チームのガブリエル・ラーソンさん(ウメオ大学)は「チームワーク良く、友好的に作業ができました。全体の構造も細かい部分もきれいで、とても良い出来です」と喜び、石川翔希さん(4年)は「日本の学生だけでは思いつかない装飾など、北欧の学生たちの提案は大いに刺激になり、うまく組み合わせて仕上げることができました」と振り返っていました。
- 「イッカク」をデザインした子ども向けの遊具作りのチーム
- 遊具には表裏に「波」と「イッカク」をデザイン
- ワードローブ作り
- ヒンメリ作り
- 天白キャンパスでも作業
- 天白キャンパス前で記念撮影