在学生・教職員/ニュース 「杉原千畝ボランティア・ガイド」の本学学生が香川県の高校生にユダヤ人難民の歴史を伝える

「国際平和」と「人道」を学ぶ高松高校と高松工芸高校の生徒たちをガイド

千畝とユダヤ人家族を表現したブロンズ像の前で香川県の高校生をガイドする東條さん(左端) 千畝とユダヤ人家族を表現したブロンズ像の前で香川県の高校生をガイドする東條さん(左端)

都市情報学部の稲葉千晴教授が代表を務める「杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」を修了してボランティア・ガイドに認定されている東條亜美さん(都市情報学部3年)が12月27日、名古屋市瑞穂区の愛知県立瑞陵高校の入り口にある「杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル」で、千畝の足跡をたどる教育プログラムで訪れた香川県立高松高校と高松工芸高校の生徒たちをガイドし、千畝から「命のビザ」を発給されたユダヤ人難民にまつわるエピソードなどを紹介しました。

「命のビザ」を渡されたユダヤ人難民にまつわるエピソードを紹介

  • ビザリストの前で ビザリストの前で
  • 「杉原千畝と難民に関する研修プログラム」に参加した人間学部の志村ゆず准教授(右)も駆けつけた 「杉原千畝と難民に関する研修プログラム」に参加した人間学部の志村ゆず准教授(右)も駆けつけた

千畝は瑞陵高校の前身の愛知県立第五中学校の卒業生で、「杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル」はその功績を記念して愛知県が2018年10月に整備しました。一方、高松高校は千畝の妻・幸子さんの母校で、同校と高松工芸高校では千畝や幸子さんの足跡をたどり、国際平和や人道について学ぶ「香川県高校生人道プログラム」に取り組んでおり、今回はその一環で1、2年生14人が名古屋市を訪れました。

東條さんはまず、千畝から「命のビザ」を受け取ろうとするユダヤ人家族を表現したブロンズ像の前で「違和感を覚えないですか?」と質問。答えに悩む生徒たちに「命のビザが最も多く発給されたのは7~8月だったのに、厚いコートを手にしています」と明かし「リトアニアは夏でも朝晩は寒いうえ、ユダヤの人たちは着の身着のままで逃れてきたから」と説明しました。ビザリストを再現したパネルの前では、アメリカ人の名前を示して「資金面からユダヤ人を支援した人で、この人がいなかったら彼らは日本には行けなかった」と解説しました。

東條さんは今年8月に「杉原千畝と難民に関する研修プログラム」でリトアニアを訪れて「杉原記念館」になっているカウナスの旧日本領事館も見学しており、生徒から「どんな場所ですか?」と質問され、「丘の上にあって歩いて登っていくのがきつかった」と紹介。リトアニアのおいしかった食べ物や印象に残った場所などの質問にも答えていました。最後に、東條さんは自らの体験をもとに「実際にその場所に行けば、考え方や価値観が変わります。皆さんも機会があれば、ぜひチャレンジしてください」と生徒たちに呼び掛けていました。

香川県の高校生に囲まれた東條さんと志村准教授 香川県の高校生に囲まれた東條さんと志村准教授
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ