トップページ/ニュース 大野英男 特任教授が法人役員や教学執行部に対して講演

岡本浩一副学長からの質問に答える大野特任教授 岡本浩一副学長からの質問に答える大野特任教授

2024年9月1日付で本学の特任教授に就任した東北大学の大野英男総長特別顧問が11月22日、法人役員や教学執行部らに対して「未来を拓く研究大学-東北大学を例として」をテーマに講演しました。

大野特任教授は2018年に第22代東北大学総長に就任し、国内初となる国際卓越研究大学の認定を主導しました。

東日本大震災を契機に、横連携できる大学へ進化

  • 冒頭で挨拶する立花貞司理事長 冒頭で挨拶する立花貞司理事長

大野特任教授はまず、「1922年にアインシュタインの訪問」「日本初の女子大学生の誕生」「アンテナや半導体レーザーの開発」など、歴史的な背景を踏まえ、東北大学が「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」の3つの理念を掲げていることを紹介。続いて、大学運営に大きなインパクトを与えた出来事として、2011年3月11日の東日本大震災を挙げました。「3人の学生が亡くなり、建物被害は300億円、研究設備被害も269億円」と被害の大きさを示しながら、ただこれを契機に「どの大学でもある『縦割り構造』と言っていられる状況になかった。横連携ができる大学に進化できた」と強調。2017年には「指定国立大学法人」に認定され、それをベースに「国際卓越研究大学」へと進むことができたと話しました。

さらに、博士課程の学生支援や外国人留学生と日本人学生が共に暮らす国際混在型学生寄宿舎の整備、先進的なAO入試の導入などを紹介。研究面でも活気ある研究体制として、従来の教授-准教授-助教の「講座制」型を独立研究体制へと移行させ、教員の入試業務の負担軽減のためアドミッション機構の設置などを進めました。加えて、次世代放射光施設「ナノテラス」を作り上げ、地域・民間・他大学からパートナーを募り、それらをイノベーションエコシステムとして機能させる新たな運営方法も確立しました。大野特任教授は「これまでの国立大学の学生は直線的なキャリアを経て社会に出ていく形だったが、今後は多彩なアクターが参画し、大学が社会価値創造のプラットフォームになるようにしていくべきだ」と指摘しました。

先端的な取り組みが次々紹介され、講演終了後には参加者からの質問も相次ぎました。

  • 質問する野口光宣副学長 質問する野口光宣副学長
  • 御礼の挨拶をする小原章裕学長 御礼の挨拶をする小原章裕学長

「赤﨑先生は研究者としても、人としても尊敬している」

講演会に先立って地元メディアとの懇談会も行われ、4社のメディアが集まりました。大野特任教授が切り拓いた「スピントロニクス」関連の質問では「この技術を使うとスマートウォッチは2週間充電なしで使用できる」と紹介し、本学の赤勇特別栄誉教授とは自身が修士課程時代から面識があったと話し、「修士の学生だった私にも対等に接していただき、研究者としても、人としても尊敬している」と思い出を語りました。

  • メディアからの質問に答える大野特任教授 メディアからの質問に答える大野特任教授
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ