トップページ/ニュース 薬学部の講義で卒業生の浅井敦子さんが薬局薬剤師の役割を解説
地域住民の健康づくりを担う「健康サポート薬局」の取り組みを紹介

株式会社浅井薬局(愛知県津島市)の薬剤師で本学卒業生の浅井敦子さん(1977年薬学部製造薬学科卒)が5月23日、八事キャンパスで行われた薬学部の梅田孝教授が担当する1年次前期開講科目「健康・スポーツ科学理論」の講義でゲスト講師として登壇し、2コマ合わせて約260人の学生に薬局薬剤師の役割や地域住民の健康づくりを担う機能を備えた「健康サポート薬局」の取り組みなどを紹介しました。
学校薬剤師や介護と医療の橋渡し、救護所立ち上げなど、広がる地域薬局の業務
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講義の様子
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浅井さんを紹介する梅田教授
薬局を中心に7店舗を展開する浅井薬局で副社長を務める浅井さんは、2017年3月に公益財団法人日本体操協会が認定する「一般体操指導員」の資格を取得し、同年9月には浅井薬局で1クール3カ月間の健康体操教室を始めました。さらに、浅井薬局は2021年には橘店に体操教室や健康相談会などを開催できる「健康サポートセンター」を開設。厚生労働省から「健康サポート薬局」に認定されるなど、先駆的な取り組みを実践しています。
浅井さんは「地域の健康づくりを担う健康サポート薬局の取り組み」と題して、まず薬局薬剤師が果たす役割と病院薬剤師との違いについて、豊富な実務経験に基づいて解説。さらに、「地域の薬局の業務が広がっている」として、小中学校での薬物乱用防止教室の開催やプールの水質検査などを行う「学校薬剤師」の業務、介護と医療の橋渡しや災害時の救護所立ち上げのシステム作りへの参加などの事例を挙げました。
続いて、健康サポート薬局の狙いについて、浅井さんは「健康寿命を延ばして医療費を削減するため」と指摘。写真や動画で浅井薬局が開催している健康体操教室の様子を見せながら、92歳の参加者がいたことや一般体操指導員の資格を持つスタッフが5人いることなども紹介。また、セルフメディケーション啓発の取り組みとして落語会を組み合わせた健康講座や健康フェアの開催、子ども薬剤師体験なども行っていることを説明しました。
「社会に興味を持ち、コミュニケーション能力を高めてスキルアップを」と浅井さん
浅井さんは最後に、薬学を学び始めたばかりの後輩に向けて「もちろん勉強が第一ですが、まずは自分の健康管理をしっかりと行ってください」と強調。さらに「世の中がどうなっているかを知るために社会への興味を持ち、いろいろな人と関わってコミュニケーション能力を高めてスキルアップして、引き出しをたくさん持てるようにしてください」とアドバイスを送り、「患者さんに喜んでもらえる薬剤師になってください」と呼び掛けました。
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健康体操教室の様子を写真で紹介
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薬の使用済み包装シートのリサイクルにも取り組む